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感染予防の重要性について | 感染予防対策について
「病院が備えておくべき第一の必要条件は、病院は病人に害を与えないことである。」
福岡記念病院
【感染制御部長】
向野 賢治 先生
【ホームページ】
http://hica.jp/
“病院に「治療」のために入院したのに、院内で予期せぬ感染症に罹って死んでしまう。”
この院内感染はあってはならないことですが、今なお医療従事者が真剣に対処しなければならない重要な課題です。 皆さんは“クリミアの天使”と呼ばれた19世紀の英国女性、フローレンス・ナイチンゲールをご存知ですか? 彼女は「病院が備えておくべき第一の必要条件は、病院は病人に害を与えないことである。」という言葉を残しています。
クリミア戦争当時、英国の多くの傷病兵が、収容された病院内の劣悪な衛生環境のためにバタバタと死んで行きました。 戦場で負った傷ではなく、病院内に蔓延していた感染症に罹って死んでいったのです。 そこに飛び込んで行ったナイチンゲールは、衛生環境の改善を中心とした看護活動を実践し、 「地獄」と呼ばれた病院を「清潔で快適な病院」へと変えてゆきました。 そして、傷病兵が院内感染で死亡することがなくなったのです。 こうしてナイチンゲールは近代看護の創設者というだけでなく、院内感染対策の先駆者としても歴史に名前を刻みました。
近代の病院には、換気、採光、清掃、温かい食事など、ナイチンゲールが残した多くの遺産があります。 20世紀に入ると、医療はさらに多様化し複雑になってゆきましたが、 院内感染対策も微生物学の進歩とともに進化してゆきました。
現代の感染対策を学び実践することは、医療者にとって「治療」と同様に重要なことなのです。
続きまして、医療機関の感染予防に対する意識の高さを判断する基準として、 わかりやすい例をいくつかご紹介します。
以下の物品が置いてある医療機関は、感染予防の意識が高いと判断されます。
※布タオルやベースン(洗面器)、ナースキャップを使っている医療機関は古い例です。
以下の行動をしている医療機関は、感染予防の意識が高いとは言えません。
※つま先が出ているナースサンダルは、 鋭利なもの(メス、注射針など)を落として指を直接刺した場合に危険です。 例えば、血液の付着した鋭利物が刺さった場合、 その傷を介して血液由来の感染を起こす懸念があり、 つま先までカバーした靴を勧めています。
感染予防の重要性について | 感染予防対策について
「全ての医療機関に要求されるべきものです。」
ウスイ内科クリニック
【院長】
臼井 一郎 先生
【ホームページ】
http://kakarituke.com/
http://www.myclinic.ne.jp/usui/
医学の歴史において、特に病と闘うという医学の歴史は、 “感染症との闘い”と言い代えても過言ではなかったと考えます。 現代の医学では、血管障害や悪性疾患、あるいは再生医学の研究と治療の進歩が著しいですが、 依然、感染症との闘いは人類にとって、大きな使命の一つです。
感染という言葉は、“何かと感じて(接するという意味があります)染まってしまう”という意味で、 英語の「infection(感染)」も不思議なことに共通した語源を持っています。 「infection」は、元々ラテン語の「inficere(染まる)」から派生したものであり、 現在世界中に広まりつつあり、脅威をもたらしているインフルエンザの語源も 「influence(影響・感化)」から来ているとされています。 また、他の国の言葉を見ても不思議なことに、同様の語源を持っています。
“何かに接して、それにより体が染まってしまう” 感染症との闘いにおいて一番の肝要な点は、“感染をもたらす何か”と接しないことです。 つまりは、『感染予防』に尽きると言えます。
人が集まる病院やクリニックでは、その施設の性格上、たくさんの病原菌やウイルスなどが集まります。 そのため、各病院やクリニックでは、独自のガイドラインを設けて感染対策に気を遣っており、 特に流行性の病気が発生した際には、感染の蔓延を防ぐ為にも、感染予防に細心の注意を払う必要があります。 今後このような感染予防対策を的確に行うことは、全ての医療機関に要求されるべきものであることは言うに及びません。
更には、医療機関は元より、PPE(Personal Protective Equipment:マスクなどの個人用の防護用具)という新しい言葉も、 当然の概念として、個々人の間でも広まっていくのではないかと考えます。
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