専門分野の異なる医師が連携し、チームで質の高い医療の提供をめざす
歴史あるクリニックを継承されたそうですね。

ご縁があり、当院が後継者を探しているというご相談をいただいたことがきっかけで、2024年にクリニックを継承しました。長年にわたり地域医療を支えてきたクリニックがなくなってしまえば、一番困るのは通ってくださっている患者さんです。
私は、医療は電気やガスと同じように、地域の暮らしを支える「インフラ」の一つだと考えています。人の命や健康を預かる存在である以上、簡単に途絶えてよいものではありません。今後日限山・丸山台・下永谷のエリアで息の長い診療を行うためにも、これからの将来を担う若い先生方に来てもらう必要があります。
当法人では、これまでにも複数のクリニックを継承・運営してきた実績があり、医療体制の整備や運営に関するシステム、ノウハウも蓄積されています。そうした経験を生かし、地域のお役に立てるのであればという思いで、継承をお引き受けしました。
さまざまな専門分野の医師が在籍しているのが貴院の特徴ですね。
そうですね。当院には、糖尿病、感染症、循環器、整形外科など、異なる専門分野を持つ複数の医師が在籍しています。それぞれの専門性を生かしつつ、知識や経験を共有し合う“ワンチーム医療”で、より多角的かつ質の高い診療が可能となっています。たとえば、自分の専門外の症状について相談を受けた場合でも、院内で意見を交換しながら患者さんにとってよりよい診療方針を検討することができます。
複数の医師が連携することで、より質の高い医療を提供できること。それが当院、そして当法人の強みの一つだと考えています。
先生は糖尿病治療のエキスパートですが、今井内科クリニックでも診療を担当されているのですか?
私自身は現在、主に後方からの支援という立場で関わっていますが、たまに診療に出ることもあります。当院では非常勤医師を含めて6名の若手医師が診療を担っており、私の役割は、担当医が診療方針に迷った際の相談に乗ったり、診療に役立つ知見を共有したりしながら、医師全体の診療力の底上げを図ることです。
特に私の専門である糖尿病診療は、長期的なマネジメントが重要な分野であり、患者さん一人ひとりの状態に合わせた柔軟で質の高い医療が求められます。一方で、医療は年々高度化しており、医師一人だけで対応できる範囲には限界があります。だからこそ、チームとして知識や経験を共有しながら診療にあたり、チーム全体で質の高い医療を提供できるように努めています。
若手医師の育成にも力を入れているとお聞きしました。
はい。複数のクリニックを継承し運営している理由の一つに、若い医師を育てたいという思いがあります。私は、糖尿病や肥満症、高血圧、慢性腎臓病といった生活習慣病の治療について、医師向けの講演を多数行う立場にありますが、外来診療の進め方や患者さんとの向き合い方などは、実際に同じ現場で働く中でこそ伝えられることが多いと感じています。
また、複数の医師が一緒に診療にあたることで、それぞれの経験や専門性を共有でき、診療の幅も広がります。若手医師には、「名医よりも良医であれ」と伝えているんです。どんな病気も治すスーパードクターをめざす必要はありません。むしろ、自分の限界を知って困ったときに仲間を頼る姿勢の方が大切です。また医療には限界があることを正直に患者さんに伝えられる誠実さや、地域のために自分が何をできるのかを考えられる医師になってほしいと思います。
