基幹病院レベルの「標準医療」の提供とスティグマ解消を掲げ、患者と医療者が二人三脚で向き合う診療を実現
複数の医院を運営する先生がめざす医療の形とは、どのようなものでしょうか?

当院には、基幹病院で豊富な臨床経験を積んできた医師が多く在籍しており、その知見と経験を生かした「標準医療」の提供をめざしています。標準医療とは、科学的根拠や論文などのエビデンスに基づき、現時点で最も適切と考えられる医療のことです。
大きな病院では、どうしても待ち時間が長くなりがちで、診療科も細かく分かれているため、複数の病気を抱えている場合には、それぞれ別の診療科を受診しなければならないこともあります。特に高齢の方や糖尿病などの慢性疾患をお持ちの患者さんにとっては、その負担は決して小さくありません。そういった状況の中、基幹病院レベルの診療をよりコンパクトにして身近に提供できないかと考えたのが今の診療スタイルでもあります。ありがたいことに、当法人のクリニックには多くの患者さんにご来院いただいており、私たちの診療方針が各地域で受け入れられていることを実感しています。これからも患者さん一人ひとりに寄り添いながら、地域の皆さんの健康を長く支えていけるよう努めてまいります。
患者さんと接する際に心がけていることはありますか?
糖尿病や肥満症というと、「自己管理ができなかった結果」と受け止められることもあります。しかし実際には、家系や体質、遺伝的な要因など、ご本人の努力だけではコントロールが難しい側面も少なくありません。にもかかわらず、「糖尿病の患者さん=自己管理ができていない人」という先入観によって、患者さんが社会的な不利益を被るようなことがあってはならないと考えています。
現在、学会などでもこうした偏見、いわゆる「スティグマ」を解消するための取り組みが進められています。そのため医師の側も、「生活習慣が悪いからやめなさい」「努力して治しなさい」と一方的に求める姿勢ではなく、患者さんの背景や状況に寄り添いながら治療に向き合うことが大切だと思っています。患者さん一人に頑張ることを求めるのではなく、「ご自身だけでは解決が難しい問題だからこそ、私たち医療者と一緒に向き合っていきましょう」というスタンスで、二人三脚の診療を心がけています。
さいごに、患者さんにメッセージをお願いします。

これからも「標準医療」の提供と、糖尿病や肥満症に対する「スティグマ」の解消を大切にしながら、患者さんが安心して治療に向き合える環境づくりに努めていきたいと考えています。
また現在は、肥満症も適切な治療によって改善をめざせる時代になっています。肥満症の治療をきっかけに、糖尿病や心臓疾患、慢性腎臓病などが見つかるケースも少なくありません。体重や健康について悩みを抱えている方には、「まず医療機関に相談する」という選択肢があることを知っていただければと思います。
当院がある地域は、糖尿病・甲状腺・肥満症・感染症を専門的に診療する医療機関が決して多いとはいえません。だからこそ、私たちがその役割をしっかり担いながら、地域の皆さんの健康を長く支えていけるよう努めていきたいと考えています。