耳・鼻・のどの疾患に幅広く対応。難治性中耳炎の日帰り手術や、新型コロナ後遺症の改善効果が期待できる「Bスポット療法」も実施
現在、どのような患者さんが多く受診されていますか?
小さなお子さんからご高齢の方まで、幅広い年齢層の患者さんが来院されています。なかでも多いのは、風邪をきっかけに副鼻腔炎や中耳炎を発症するケースです。特に1〜3歳前後のお子さんは中耳炎を繰り返しやすく、治りにくいことも少なくありません。保育園や幼稚園に通う未就学児の場合、集団生活の中で風邪をひきやすく、その結果、耳や鼻のトラブルに発展することもよくあります。
そのほか、アレルギー性鼻炎やめまい、ご高齢の方の耳鳴りや難聴、睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな症状で受診いただいています。
耳・鼻・のどを幅広く診ている中で、特に力を入れている診療はありますか?

いくつかありますが、まず一つは、長年専門的に取り組んできた睡眠時無呼吸症候群です。当院やご自宅で睡眠検査を行い、必要に応じてマウスピースやCPAP(経鼻持続陽圧呼吸療法)といった治療法をご提案しています。さらに詳しい検査が必要な場合は、近隣では私の前職である相模原協同病院の耳鼻咽喉科をご紹介し、検査入院の後、当院に再来いただくことで、精密検査の結果をもとに速やかに治療に移行できるよう病診連携を密接にしています。また、私自身のライフワークとして、クリニックの休診日である毎週木曜日は、さがみ林間病院にて睡眠時無呼吸症候群の専門外来を担当しておりますので、外来での診断治療はもちろんのこと、検査入院も行っております。
もう一つ注力しているのがアレルギー性鼻炎の治療です。当院では、トリクロール酢酸による鼻粘膜焼灼術を日帰りで行っており、所要時間は30分程度です。花粉症が原因の場合は、花粉の飛散が少ない時期に受けていただくのが効果的ですので、症状にお悩みの方は時期を見てご相談いただければと思います。
子どもの治りにくい中耳炎に対して、レーザーを使った治療が受けられるそうですね。

はい。お子さんの繰り返す中耳炎の治療も、当院が特に力を入れている分野です。中耳炎を何度も起こすと抗生物質の使用が増え、効果が得にくくなってしまうことがあります。そのような場合にご提案しているのが、レーザーを用いた「鼓膜チューブ挿入術」です。鼓膜に小さなチューブを留置することで換気を保ち、中耳炎の再発を防ぎ、聴力の改善を図ることができます。
通常、この手術は入院して全身麻酔で行うのが一般的ですが、当院ではオトラムという特殊なレーザーを使用することで、局所麻酔による日帰り手術が可能です。お子さんへの身体的な負担が少なく、施術中に落ち着いていられるお子さんであれば、安心して受けていただけます。
慢性副鼻腔炎や新型コロナ後遺症の治療法として注目されている「Bスポット療法」についても教えてください。
Bスポット療法(上咽頭擦過療法)は、塩化亜鉛という薬剤を綿棒で上咽頭(のどの奥の部分)の粘膜に塗布し、炎症を鎮めることを目的とした治療です。慢性副鼻腔炎や慢性上咽頭炎の改善に効果が期待されており、近年では新型コロナ後遺症の症状軽減にも有効ではないかと注目されています。
たとえば、新型コロナ後遺症で頭痛やめまいといった不調が続いている方にこの療法を行うと、症状が和らぐという報告もあります。当院にも口コミをきっかけに、一日当たり10人前後の患者さんがBスポット療法を希望されて来院されています。先日も、県内の大学病院に設置された新型コロナ後遺症外来の先生から患者さんをご紹介いただき、悩まれている方の多さをあらためて実感しているところです。