糖尿病個別化医療の実践と万全の検査体制。地域に根ざし多様なニーズに応える
どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

継承前からの患者さんに引き続き通っていただきながら、新規の方にも多くご来院いただいています。疾患としてはやはり糖尿病・甲状腺・高血圧・脂質異常症・痛風・肥満症の患者さんが多いですが、様々な相談が舞い込むため、基本的にはどのような内容でも診察は受け付けています。なかでも印象的なのは、近隣の商店街で働く方々の受診が多いことです。南区を代表する商店街の皆さんの健康を支えられていると思うと、地域に根ざしたクリニックとしての誇りとやりがいを感じます。
一方で当院は京急本線、ブルーラインの双方の弘明寺駅から近いところにあるため、当院の専門性を求めて沿線の患者さんや周辺エリアの患者さんも増えています。診療の内容をエリアによって変えることはありませんが、地域ごとに異なる健康課題があることは肌で感じています。人口密度の高いこのエリアでは、感染症の流行期に感染が広がりやすい傾向があります。また、忙しい働き盛りの方が多いためか、気づかないうちに基礎疾患を抱えているケースも少なくないと感じています。
風邪などで受診された方に採血検査を行うと、未治療の生活習慣病が偶然見つかることがあります。「たかが風邪」と思って来院された方が、実は糖尿病や高血圧を抱えていた―そういった例は珍しくありません。症状の訴えだけに対応して終わりにせず、その方の健康全体を見渡す視点を大切にしています。
糖尿病について、どのような専門診療が受けられるのか教えてください。

糖尿病治療は、ここ数年で劇的に進化しています。新しい作用機序を持つ治療薬が次々と登場し、もはや「糖尿病にはこの薬」という画一的な治療の時代は終わりました。今は患者さん一人ひとりの病態・生活背景・合併症の有無に合わせて治療方針を組み立てる「個別化医療」が、世界標準となっています。
たとえば血糖値を下げる薬ひとつとっても、インスリンの働きを高めるもの、インスリン分泌を促すもの、余分な糖を尿として排出させるものなど、作用の異なる薬剤が複数存在します。血糖の状態だけでなく、体重・心臓・腎臓の状態を総合的に判断しながら、その方に最適な薬剤を選ぶことが求められます。
こうした戦略的な治療により、血糖コントロールの改善はもちろん、合併症の進行を抑えること、場合によってはインスリン注射からの離脱も実現できます。また近年では、血糖改善に加えて心臓や腎臓を守る効果、体重減少効果を持つ薬剤も登場しており、「糖尿病の合併症全体をどう管理するか」という視点で処方を決めるのが、いまや世界の潮流です。
私はこれまで、こうした個別性の高い糖尿病治療を実践し、医療者向けの講演活動を通じて広く情報発信を行ってきました。現在は当法人の医師たちとも知見を共有しながら診療にあたっています。糖尿病と診断された方はもちろん、健康診断で血糖値の異常を指摘された方も、まずはお気軽にご相談ください。
検査体制も充実していると伺いました。

はい。診療の質を支えるため、検査設備にもこだわっています。
採血検査は院内で迅速に処理でき、血糖値・HbA1c・脂質などの主要な数値をその日のうちに確認できます。指先からのわずかな採血で、血糖値・HbA1c・LDL・HDL・血算・CRPなど複数の項目を測定し、血圧・体重の数値と一緒にその結果を独自のシステムで1枚の用紙にまとめてお渡ししています。
数値を一覧で確認できることで、「体重は減っているのに血糖値が上がっている」といった微妙な変化も見逃しにくくなります。患者さんご自身が自分の体の状態を理解するうえでも、またご家族への説明や他院受診時の参考資料としても、活用していただけます。
画像診断については、従来の腹部エコーに加え、心臓・頸動脈・甲状腺にも対応できる超音波機器を新たに整備しました。超音波検査は救急疾患の早期発見にも威力を発揮するため、結果として救急対応力の向上にもつながっています。より専門的な検査や高度な処置が必要な場合には、近隣の高度医療機関と緊密に連携し、適切な医療へとつなぐ体制も整えています。
貴院では院内処方を行っていらっしゃいますね。
当法人ではクリニックに薬剤師を常勤配置する方針をとっており、当院でも院内処方を実施しています。
院内処方は運営側にとっては人件費や在庫管理の負担が決して小さくありません。それでもこの体制を維持しているのは、患者さんにとってのメリットが大きいからです。処方後すぐに薬を受け取れる利便性はもちろん、変更があればその場で対応出来ますし、何よりも薬剤師さんが院内カルテを見て患者さんのことを理解した上で医師と連携して調剤にあたってくれます。
特に生活習慣病の治療においては、薬の選択や用量の調整が治療の成否を左右することも多く、薬剤師の専門的な視点が欠かせません。実際に患者さんだけでなく、当法人の多くの医師も薬剤師さんを頼っており、「医師と薬剤師の連携した診療と処方」が当院の大きな特徴の一つとなっています。また、処方箋を出して院外処方にすることも可能ですが、その場合でも当法人の薬剤師さんは患者さんのことをしっかり見てくれていますので、その点は院内処方であっても院外処方であっても変わりません。是非、薬剤師さんが院内にいるクリニックの診療を多くの患者さんに体験してほしいと思っています。