大学病院と専門施設で生殖医療の経験を重ね、女性の一生に寄り添うクリニックを目指して開業
はじめに、先生が産婦人科を専門とされた理由をお聞かせください。

学生時代の病院実習が大きなきっかけです。もともと外科に興味があり、手術を通して結果がはっきりと見える点に魅力を感じていました。各診療科を回るなかで、最も手術がダイナミックだと感じたのが産婦人科だったんです。帝王切開などでは1~2リットルもの出血を伴うこともあり、決して楽な現場ではありませんが、その先には命の誕生があり、患者さんが笑顔で退院されていく姿があります。
大変さの中に、これほど前向きな喜びがある診療科は他にない——そう感じたことが、産婦人科を専門にしようと決めた一番の理由です。
貴院を開業されるまでのご経歴を教えてください。
その後、いくつかの不妊治療に特化したクリニックに勤務し、生殖医療を専門に診療してきました。一度、九州大学病院に戻った際には、がん治療によって将来の生殖能力が損なわれる可能性がある患者さんに対し、治療前に卵子や精子を保存する「がん・生殖医療」の体制づくりにも参画しました。
※日本産科婦人科学会産婦人科専門医
不妊治療に興味を持ったのは、どういったことが理由だったんでしょうか。
背景にあったのは、妊娠を希望する年齢が年々高くなり、自然妊娠が難しい方が増えてきたことです。そうした方から相談を受けた際、自分自身が十分な知識を持っておらず、的確なアドバイスができないことに、もどかしさを感じていました。
また、当時在籍していた九州大学では、不妊治療に十分に力を注げていない状況もあり、「困っている方に、選択肢の一つとして質の高い不妊治療を提案できる医師になりたい」と思うようになったのが、この分野に本格的に取り組むようになったきっかけです。
そして、2025年8月「ひまわりレディースクリニック小倉」を開業されました。開業を決めたのには、どのような想いがあったのでしょうか?
生殖医療を専門とするクリニックの多くは、不妊治療だけに特化した診療体制を取っています。しかし、「妊娠したら終わり」という関わり方に、以前から違和感を覚えていました。
不妊の原因は、若い頃からの生理不順や、強い生理痛、子宮内膜症や子宮筋腫といった婦人科疾患など、長年の体の変化や不調が積み重なった結果として表れる場合があります。だからこそ、思春期の体の悩みから、妊娠・出産、次の妊娠、更年期症状まで、女性のライフステージ全体に継続して寄り添いたい―その想いから、自分の生活圏内である小倉北区での開業を決意しました。
クリニック名にある「ひまわり」は、ひまわりの花の明るくエネルギーにあふれた姿が、皆さんを元気づけポジティブな気持ちになれるようお手伝いしたいという、クリニックの理念に一致したからです。また、ひまわりは北九州市の市の花でもあり、地域の方々にとって親しみのある存在です。地域に根ざし、長く愛されるクリニックでありたいという願いも、この名前に込めています。

