病院なび「全国のクリニック・診療所・医院・病院検索サービスです。」

ニコチン依存症

2010年11月掲載

「たばこ」の害と最新禁煙情報

2010年10月からたばこ税の引き上げでたばこが値上げとなりました。
それをきっかけに禁煙を始める方が多く見られますが、そもそもどうして禁煙が奨励されるのでしょうか。

たばこの主成分はニコチン、タール、一酸化炭素

ニコチン、タール、一酸化炭素

たばこの主な成分は、ニコチン、タール、そして一酸化炭素です。これらは吸収されやすいのが特徴で、口や鼻の粘膜・肺・皮膚から取り込まれ、毛細血管に流れ込み全身を回ります。ニコチンは代謝が良く、最終的には尿で排出されますが、母乳などからも排出されます。タールはいわゆる「たばこのヤニ」と呼ばれるものです。多くの発がん性物質が含まれており、体に蓄積される特徴があります。直接取り込まれる肺では肺がんを招き、そのほかでは血管を通して運ばれる各器官で発がん性物質として働きます。一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結びつきます。通常、ヘモグロビンは酸素と結び付き、血液にのって各器官に酸素を運搬する働きをしていますので、それが阻害されると酸素欠乏の状態になります。このことで循環器をはじめとして、自律神経・脳・呼吸器といった系統のさまざまな疾患を招きます。

またニコチンとタールは本人が吸う主流煙より、たばこが燃えるときに立ち昇る副流煙に多く含まれています。そのため喫煙者本人よりも周囲の人の方が害が多いと言われているのは周知のこと。もちろん妊娠中の喫煙は本人よりも胎児に影響があり、早産や流産・死産などの可能性も高くなります。出産後においても喫煙と突然死症候群との関連が示唆されています。

ネズミ算式に増える喫煙による病気

喫煙によって誘発させると考えられている疾患の代表的なものが、がん・冠動脈疾患・慢性閉塞性肺疾患です。

がん

肺がんをはじめとして各部位でのがん発生率が高くなります。タール付着による口腔がん、喉頭がん、咽頭がんや舌がん以外に、食道がん、肝臓がんや膵がんなどの増加が顕著にみられます。 また、胃がん、大腸がん、腎臓がん、膀胱がんや子宮頸がんのリスクも示唆されています。

冠動脈疾患(虚血性心疾患)

心筋梗塞(心臓発作)と狭心症の総称で、心臓への血液供給が遮断される病気です。 一酸化炭素の取り込みで、慢性的な酸素欠乏からハイリスクになります。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性気管支炎と肺気腫の総称で「たばこ病」と呼ばれるほど代表的な病気。肺に炎症が起こり、咳・たんや息切れがひどくなり、やがて日常生活でも息切れを感じるほどになります。重度になると慢性的に呼吸困難を引き起こします。進行を止めることはできても治すことができない、怖い病気です。

このほか喫煙は、善玉コレステロール(HDL)値を低下させ、悪玉コレステロール(LDL)値を上昇させることで動脈硬化を招きます。また血流の低下により、胃腸では胃潰瘍や十二指腸潰瘍が治りにくかったり、皮膚ではシワが増える・頭皮の脱毛など、歯では歯肉の血流の低下で歯肉炎が増加、脳ではクモ膜下出血などの脳血管障害を起こします。そしてこの脳血管障害が痴呆につながるなど、病気がネズミ算式に増えていきます。

喫煙習慣は「ニコチン依存症」の可能性があります

ニコチン依存症

これらの病気のリスクと周囲への影響を考えただけでも、十分に禁煙の価値は認められるでしょう。それにもかかわらず、なかなか「たばこが止められない」のはなぜなのでしょうか。 それは喫煙は単なる習慣でなく、化学物質(薬物)依存と心理的依存から成る「ニコチン依存症」というれっきとした病気だからです。

たばこはニコチンという中毒性の化学物質が主成分です。そのため知らず知らずのうちに中毒化し、ニコチン依存を起こしているので、たばこがなかなか止めにくいのです。そこで禁煙に自信のない場合やサポートがほしい場合には、病院の「禁煙外来」という強い味方があります。

禁煙外来を活用しよう!

禁煙外来

禁煙外来とは、その名のとおり禁煙の支援を行い中毒を克服するためにある専門外来です。 生活習慣の見直しなどを行いながら、ニコチン代替製剤や経口補助剤(非ニコチン製剤)を使用し、健康状態がどれくらい改善されているかを確認しつつ、たばこを必要としない生活へと導きます。

【ニコチン代替製剤】

パッチやガムに含まれた低濃度のニコチンを少しずつ摂取することで禁断症状を緩和し、禁煙を克服しやすくする補助剤です。たばこと違い、補助剤にはニコチン以外の有害物質は含まれていません。妊娠中やニコチンにより悪化する病気の方以外での使用が可能です。パッチとガムの併用や他の薬との併用については、医師や薬剤師に必ず相談しましょう。

ニコチンパッチ・ニコチンガム
ニコチンパッチ
大・中・小の3種類があり、標準的には大を4週間、中を2週間、小を2週間、毎日1枚ずつ皮膚に貼り、段階的にニコチン含有量を減らしながら使用します。貼ったまま寝ると睡眠が浅くなるなどの副作用がありますので、朝貼り付けて就寝前には取り除きます。
ニコチンガム
頬の粘膜から吸収し、早く効くのが特徴。どうしようもない渇望症状など緊急時に有効です。はさみで切って大きさを調整したり、噛み方を変えるなどして摂取量が調整できます。禁煙特有の「口寂しさ」の解消にも適しています。

【経口補助剤】

禁煙補助の経口剤として2008年に日本で初めて承認された処方薬です。ニコチンを含まず、脳内のニコチン受容体に働きかけ効果を発揮します。ニコチン代替製剤を使用できない病気の方にも使用できますが、基本的にニコチン代替製剤との併用はできません。

このほか禁煙外来では、禁断症状などへの対処や成功後のフォローアップも行い、物理的・心理的の両面からサポートしてくれます。一定の条件を満たすことで保険診療も可能です。保険診療にて受診したい方は、予め医療機関にて条件の確認を行うようにしてください。

※現在、禁煙希望者が多く禁煙補助薬の欠品が一部ありますが、禁煙外来では薬による治療だけでなく、 生活や行動改善のための行動療法や禁煙の禁断症状を克服するためのリラクゼーション法(自律訓練法など)の指導なども行っています。 現状を見直すためにも、思い立ったときに禁煙外来を訪れることをお勧めいたします。

禁煙外来を行っている病院の情報:http://www.nosmoke55.jp/nicotine/clinic.html(日本禁煙学会)

禁煙に関する詳しい情報:http://www.kinennohi.jp/ (禁煙推進学術ネットワーク)

ニコチン依存症で気になる症状がある場合は、近くの病院に相談しましょう

を探す。

下記お問い合わせフォームの表示に時間がかかる場合がございます。 表示されない場合、このページを開いたまま、しばらくお待ちいただきますようお願いいたします。
なお、それでも下記のフォームが動作しない場合、恐れ入りますが support@byoinnavi.jp 宛に問い合わせください。

Danger お役立ち医療コラムについて

【提供元】
お役立ち医療コラムは、株式会社eヘルスケアが提供しています。
【免責事項】
  • コラムの内容については細心の注意を払い掲載しておりますが、情報の確実性や安全性に関して保証されているものではありません。また、医学の進歩により常に最新の情報とは限りませんので、あらかじめご了承ください。
  • 病気に関する予防や治療法をはじめとした医学的情報は、医師やその他医療従事者による診断に代わるものではありません。必ずしも全ての方に有効とは限りませんので、個別の症状については必ず主治医にご相談の上、適切な診断と治療を受けていただきますようお願いいたします。
【著作権】
お役立ち医療コラムの著作権は、株式会社eヘルスケアに帰属します。営利・非営利を問わず、無断で複製、転載、配布等の行為を行うことは一切禁止とします。
【その他】
株式会社eヘルスケアでは、病気や治療に関するご相談や各医療機関についての個別のお問い合わせ・紹介などは受け付けておりません。