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手荒れ・主婦湿疹・しもやけ・あかぎれ

2011年1月掲載

冬の寒さと乾燥は、お肌の大敵!【Part 1】

乾燥からからだを守る「角質のバリア機能」

からだの表面を覆っている「皮膚」。外界に面している皮膚という臓器は、私たちのからだを守ってくれる大切な働きをしています。皮膚は人体最大の臓器といわれ、重量はからだの8~16%、大きさは皮膚を広げるとタタミ1畳にもなるといわれています。さて、皮膚は私たちのからだを外界からどのように守っているのでしょうか。

肌のターンオーバー(皮膚の新陳代謝)という言葉をご存じでしょうか。皮膚の細胞は、真皮にある血管から栄養と酸素を供給されて、表皮の基底層で生まれます。新しい細胞が生まれるたびに、古い細胞はどんどん表面の角質層におし上げられ、28日で角化し「角質」となります。最終的にはアカ、頭皮ではフケとなって剥がれ落ちます。ほかの臓器と同様に、年齢を経るに従い徐々に皮膚の代謝期間も長くなります。

その皮膚の中でも一番外側に位置し、外界との接点を持っているのが角質です。この角質は、細胞の死骸でできているため、代謝を邪魔する無用の長物と思われていましたが、からだを外界から守るために、実はとても重要な役割を担っています。この役割を「角質のバリア機能」といいます。

  • 皮膚を覆っている皮脂膜※1と角質層によって異物が外から体内に入らないように防御しています。
  • 皮脂膜※1と角質層が皮膚の真皮層やからだの中からの水分蒸発を防いでいます。
  • 角質層の細胞と細胞をつないでいるセラミド(角質細胞間脂質)には保湿効果があり、水分を貯蔵します。

※1 皮脂膜とは、皮脂腺からの油と汗腺からの汗が合わさってクリーム状になったもの。天然のクリームと表現されることもあります。

乾燥肌には早め・こまめに保湿剤でケア

冬の気候はどれくらい皮膚に良くない影響を与えるのでしょうか。冬場の気温低下は血管の収縮を促進し、血行不良となり、新陳代謝の低下を招きます。もちろん皮膚の代謝も例外ではありません。寒い時期は汗をかかないと実感するように、冬は皮脂腺も汗腺も活動が低下します。そのため皮脂膜の形成が悪くなります。

また気温の低下によってセラミドが作られにくくなり、セラミドの量が低下します。細胞同士を結び付けているセラミドが少なくなると、細胞と細胞の間に隙間ができて、その隙間から皮膚や体内の水分が蒸発してしまいます。空気の乾燥も手伝って角質がポロポロと剥がれ落ちて皮膚の表面がカサカサになり、非常にかゆい状態になります。就寝時に発症しやすいことから、時として眠りを妨げるほどのかゆみになることも。手・腕・肩・わき腹・腰周辺・足の付け根・すねといった、皮脂腺の少ないところや衣類で肌が擦れやすい部位に多く起こります。加齢とともに皮脂腺・汗腺の機能が低下しますので、このような症状は、特に高齢者に多くみられます(老人性皮膚掻痒(そうよう)症)。皮脂の量は20歳をピークにどんどん低下していきますので、年齢と共により一層のボディ・ケアが大切です。

このように皮膚が乾燥した状態を「乾皮症(皮脂欠乏症)」といい肌荒れの初期段階です。そのままにしていると湿疹へと悪化しますので、この時点でクリームなどの保湿剤を使ってケアすることが何よりも重要です。保湿剤で治らない場合には、悪化する前に皮膚科を受診しましょう。

「かきむしる」という行為=「皮膚の細胞を壊す」こと

かゆみの悪循環

さて、乾皮症の状態を放置しておくと、どうなってしまうのでしょうか。多くの場合、かゆみからかきむしり、悪化し、さらにかゆみが増して一層かきむしるといった悪循環に陥ります。かきむしるという行為は、すなわち皮膚の細胞を壊すということです。角質のバリア機能が低下しているところに、かゆみの悪循環にはまってしまい、下記のような過程を経てひどい炎症(湿疹)につながることも珍しくありません。

  1. 皮脂欠乏性湿疹(乾燥性湿疹)
    乾皮症に炎症が加わって湿疹化した状態。乾皮症と大きく異なる点は、ボツボツやうろこ状の鱗屑(りんせつ)・亀裂ができます。非常にかゆいのが特徴です。
  2. 貨幣状湿疹
    湿疹をかいているうちにコインの形をした湿疹が起きてきます。ジュクジュクしていて強いかゆみを伴います。そのままにしているとアレルギー反応を起こし、抗原(アレルゲン)が血管に入り、全身に広がります。
  3. 自家感作性皮膚炎(自家感作性湿疹)
    貨幣状湿疹の悪化をそのままにしておくことで、アレルゲンが血管に入り、血液を介して全身に広がってしまった状態。全身が非常にかゆく、まれに発熱や倦怠感を伴うことがあります。

【Part 2】では、そのほかの冬場の代表的な皮膚疾患「手湿疹」「しもやけ」「あかぎれ」と、病院での薬物療法についてご説明します。

乾燥予防は入浴がポイント!

入浴はからだ全体の皮膚が外界に露出する機会です。 肌を乾燥させない気配り入浴をすることが、乾皮症や湿疹にならないポイントです。

  1. 熱い湯・長湯は皮脂膜をとってしまいます。40度くらいの湯であたたまりましょう。
  2. 石鹸・ボディソープは汚れと一緒に皮脂膜やセラミドなど(角質細胞間脂質)を取り去ります。また、皮膚をゴシゴシこすって洗うと皮脂膜を取り去るだけでなく角質細胞を破壊します。石鹸類を使わないか、夏場よりも少な目の石鹸量を使用し、自分の手や木綿のタオルを使って泡でやさしくからだを洗いましょう。
  3. 硫黄入りの入浴剤は肌を乾燥させて角質層を破壊します。入浴剤入りの風呂で入浴した場合はよく洗い流しましょう。
  4. 薬用石鹸は、成分に抗生物質が含まれていることがあり、抗生物質によるアレルギーを起こす場合があります。
  5. 入浴後はできるだけ早く、おさえるようにして、やさしくからだを拭きましょう。また、肌がしっとりと水分を含んでいるうちに保湿剤を塗りましょう。角質が水分を吸収している時間は入浴後10分といわれています。

入浴以外にも日常生活では、乾燥していると思ったらすぐにクリームを塗る、電気毛布の使用を控えたり加湿器を使用したりするなどで空気の乾燥をおさえる、木綿などの肌にやさしい素材の肌着を身につけるといった、日ごろの配慮も大切です。

手荒れ・主婦湿疹・しもやけ・あかぎれで気になる症状がある場合は、近くの病院に相談しましょう

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