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麻しん(はしか)予防

2011年3月掲載

定期予防接種対象者は3/31が期限になっている年代も!

麻しんの流行時期は春から夏。
感染力が強く、感染したらほぼ100%発症

麻しんウイルス

麻しんは、「麻しんウイルス」の感染による病気です。一般的には「はしか」と呼ばれています。主に乳幼児に多くみられる感染症ですが、近年では10~20歳代の若者や20歳以上の成人の間でも流行をみせています。2006~2007年には、この世代で大流行し、数百の高校や大学が休校や学級閉鎖になりました。麻しんは、春から夏が流行の時期ですが、一年中感染の可能性はあります。

麻しんウイルスは非常に感染力が強く、接触による感染や、咳やくしゃみによる飛沫感染だけでなく、空気中に漂うウイルスを吸い込んだだけでも感染するため(空気感染)、同じ部屋にいるだけでもかかってしまいます。マスクをしていても予防することは難しく、免疫のない人の中に感染者が紛れ込んだ場合、風疹は5~7人、おたふく風邪が4~7人、SARSが4人感染するのに対して、麻しんは12~18人が感染するといわれているほどの感染力の強さを持っています(※1基本再生産数:Basic reproduction numberにて算出)。また感染すると、ほぼ100%発症し、脳炎や肺炎などの合併症を起こすこともあります。

さらに、麻しんには治療薬がなく、かかってしまった場合には、症状にあわせて対処療法での治療を行うしかありません。

※1 基本再生産数:1人の感染者から感染して発症する二次感染者の平均値。または、1人の女性が生涯に産む女児数の期待値。(デジタル大辞泉より)

麻しんの初期症状は風邪に似ている

感染

それでは、麻しんを発症すると、どのような症状がでるのでしょうか。症状は、大人も子どもも共通しています。まず、感染してから10~12日間の潜伏期間を経て、発熱や咳・鼻水といった風邪に似た症状が現れます。そして39℃以上の高熱と発疹・口の中に白い斑点(コプリック斑)が現れます。高熱の症状は、一旦少し下がった後に再び出る場合もあり、人によってさまざまです。完治するまでに1ヶ月程度かかることもあります。

初期症状が風邪に似ているため、麻しんに感染したことに気がつかず、初期段階で人にうつしてしまうこともあります。早めに医療機関に相談の上、受診することが大切です。

全体の30%が合併症を発症

麻しんがこわいのは、感染力と発症率の高さだけではありません。麻しんにかかると、全身の免疫力が低下するため、ほかの菌などにも感染しやすくなります。そのため、中耳炎・肺炎・脳炎などの合併症を起こすことがあります。合併症の発症率は全体の30%ともいわれています。

脳炎の合併症は、麻しん感染者の1000~2000人に1人の割合で発症しています。脳炎を発症すると、知能や運動機能に重い後遺症が残ることもあり、最悪の場合は死につながることもあります。麻しんにより1000人に1人が命を落としているといわれ、その2大死亡原因は肺炎と脳炎の合併症によるものです。

また、感染後して数年もたってから発症する合併症(亜急性硬化性全脳炎:SSPE ※2)もありますので、治療後数年にわたって、合併症への注意が必要です。

※2亜急性硬化性全脳炎とは、麻しんウイルスが脳内で潜伏し、持続感染していることで起こる脳炎(脳の炎症)です。潜伏期間が長く、半年から10年にもおよびます。初期には軽度の知的障害、性格変化、脱力発作、歩行異常などの症状がみられます。日本での発症は年間で5~15名程度とまれな病気ではありますが、予後が悪く、かかってしまった場合には死にいたることもある難病です。

ワクチン接種での予防が最も効果的

麻しんワクチン

感染してしまったら、治療薬が無く、感染力・発症率の高い「麻しん」。その恐ろしい麻しんに感染しないようにするには、どうしたらよいのでしょうか。麻しんの予防には、ワクチン接種での予防が最も効果的です。「麻しんワクチン」を接種すると、約95%という高い確率で免疫がつきます。ただし、麻しんワクチンを接種しても数%の割合で免疫がつかないことや、不十分なことがあります。その場合は、麻しんが流行したときに感染してしまいますが、通常の罹患に比べて軽くすみ、発症すれば一生の免疫を得ることができます。

麻しんワクチンは、1歳と5~6歳(小学校就学前の1年間)の2回の接種が法律で定められており、平成20年度~24年度の5年間は、対象者が中学1年生と高校3年生にも拡大されています。この定期の予防接種では、原則として、MRワクチンという、麻しんと風疹の混合ワクチンが用いられています。対象者は、年度が切り替わる3月31日が期限となっている年代もありますので、注意しましょう。

また、大人でも子どものときに麻しんに感染したことが無い人は免疫を持っていません。行動範囲が広い大人が感染源になると大流行を招く恐れがあることから、麻しんワクチンの接種は非常に大切です。対象外の年齢の人は、自分で申し込めば有料で受けられます(※3)。麻しんにかかったことがなく、ワクチンを一度も受けたことのない人は、ぜひ受けるようにしましょう。ただし、妊婦はワクチンを接種することはできません。心配な方は医師に相談しましょう。

注意すべき点としては、薬の副作用と同様に、ワクチンにも副反応があります。主な副反応は発熱で、2週間以内に発熱します。その他、じんましん・発熱を伴うけいれんなどの症状が現れることがあります。まれな副反応としては、血小板減少性紫斑病(紫斑、鼻出血、口腔粘膜の出血などの症状)・アナフィラキシー反応(重篤なアレルギー反応)・脳炎・脳症・亜急性硬化性全脳炎を発症することがあります。接種後に気になる症状がみられる時には、接種を受けた医療機関やお近くの保健所・保健センターに相談をしましょう。なお、麻しんの患者さんに接触してしまった場合でも、72時間以内にワクチンを接種すれば効果が得られることがあるといわれています。この場合のワクチンは、混合ワクチンでなく、単独のワクチン(麻疹単抗原ワクチン)が用いられます。

※3突然受診しても予防接種が受けられない場合がありますので、予約をしてから受診することをおすすめします。

麻しんのワクチンはなぜ2回?
2006年より予防接種は2回受けることになりました。
理由その1) 1回の接種で免疫がつかなかった子どもたちに、2回目の接種で免疫をつけます。
理由その2) 1回の接種で免疫がついたけれど、時間の経過とともに免疫が減退した子どもに再び刺激を与え、免疫を強固なものにします。
理由その3) 1回目に接種しそびれた子どもに、もう一度接種のチャンスを与えます。
(国立感染症研究所 感染症情報センター)

麻しん(はしか)予防で気になる症状がある場合は、近くの病院に相談しましょう

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