病院なび「全国のクリニック・診療所・医院・病院検索サービスです。」

妊娠中のマイナートラブル

2011年4月掲載

つわり・出血・妊娠高血圧症候群・・・・妊娠中の気になる症状をチェック

「赤ちゃんができた!」嬉しさがいっぱいの出来事ですが、その反面、今までなかったからだと心の変化に驚くことも多いはず。特に初産のお母さんにとっては、戸惑うことも多いのではないでしょうか? お母さんのからだの中では、赤ちゃんの成長に合わせて、さまざまな変化が起こっています。その変化はとても劇的で、生命を生み出すすばらしさを感じる反面、お母さんにとってはさまざまな不調を感じることも・・・。

これは「妊娠中のマイナートラブル」と呼ばれており、個人差はあるものの、多くのお母さんにみられる現象です。妊娠中のマイナートラブルの中にはあまり気にしなくてよいものもありますが、中には母子の命にかかわる深刻なものもあります。自己判断をせず、心配な場合には、医師の判断を仰ぐことが何よりも大切です。

「つわり」

つわり

つわりは妊婦の50~80%に起きるといわれています(平成16年東京都健康局地域保健部健康推進課「あたらしい生命のために」より)。主に妊娠初期を中心に、食欲不振・吐き気・においに敏感になる・胸やけといった症状がみられます。ホルモンバランスの変化が影響しているといわれていますが、他にも諸説あり、詳しいメカニズムはわかっていません。

症状の重さや期間の長さは個人差が大きく、あまりにも重いつわりの場合は「妊娠悪阻(おそ)」と診断され、治療が必要となる場合があります。つわりによって食事が取れない時には、脱水症状に気をつけ、こまめに水分を取るよう心がけることが大切です。特定のものだけが食べられる場合がありますので、まず食べられるものだけを少しずつ食べて、食欲が出てくるのを待ちましょう。ただし、好みの食物によっては体重の著しい増加も考えられますので、体重管理には気をくばりましょう。

赤ちゃんの栄養が不足するのを心配するお母さんもいますが、妊娠初期の赤ちゃんの栄養は、すでにお母さんに蓄えられているもので十分です。また、お母さんがとった栄養は赤ちゃんに優先的に運ばれますので、神経質になる必要はありません。

しかしながら重度や長期化している場合には「妊娠悪阻(おそ)」で、治療が必要な場合がありますので、つわりの程度や期間などの状態を健康診断時に医師に伝えるようにしましょう。

「お腹の張りや痛み」

お腹の張りや痛み

妊娠中にはお腹の張りや痛みを感じることがあります。これは主に子宮が収縮している状態のときに感じることが多くあります。子宮が収縮しているからといって、赤ちゃんは羊水に浮かんでいるため、特に苦しくはありませんので安心してください。この収縮の度合いが強い場合、張っているというより痛みに感じることがあります。お腹の張りや痛みを感じたら、まずは安静にして様子をみましょう。そのまま症状が消えていくときは、特に問題の無いことが多いのですが、次のようなときにはすぐに受診しましょう。

  • 張りや痛みが周期的に起こる
  • 張りや痛みの周期がどんどん短く、さらに痛みの度合いが増してくる
  • お腹が板のように硬い
  • 感染症を起こしている
  • 出血や発熱を伴う
  • 子宮筋腫などの持病がある

また、子宮の収縮のほかには、お腹が大きくなることで起こる円靭帯のつれ(※1)や、便秘などといった子宮自体には関係のない場合もありますが、切迫流産・子宮外妊娠・切迫早産・常位胎盤早期剥離(※2)などの可能性もありますので、症状が消えないときや、気なる場合には、必ず早期に受診しましょう。

※1 子宮が骨盤にきちんと固定されるように支えている円靭帯(えんじんたい)が、胎児の成長によって大きくなる子宮に引っ張られることで、下腹部や足の付け根などに違和感を感じることがあります。

※2 胎盤が子宮の壁からはがれて赤ちゃんに酸素が届かなくなる状態。

「出血」

赤ちゃんに栄養を送るため、妊娠中の子宮はとても血液量の多い状態になっています。そのため、ちょっとした刺激でも出血しやすくなっています。しかしながら、心配のない出血と受診の必要な出血を見分けることは難しいものです。出血があった場合には、量の多い・少ないにかかわらず、必ず受診するようにしましょう。出血の際にはいくつかの事項をチェックしておくと、受診がスムーズです。

  • 出血の量と色
  • いつから出血しているか
  • お腹が板のように硬い
  • お腹の張りと痛みはあるか、また他のところに痛みはあるか

また、出血は夜間に起きることもありますので、その際にはどうしたらいいか、予め主治医に確認しておくとよいでしょう。

「貧血(鉄欠乏性貧血)」

鉄欠乏性貧血

貧血とは、血液中の赤血球が減ってしまった状態のこと。妊娠中は、体重の増加に伴い血液の量も増えますが、それに見合った量の赤血球は増えず、貧血になりがちです。

また、赤血球を構成しているヘモグロビンの原料は鉄。お腹の赤ちゃんが鉄分を必要としており、胎盤を通して赤ちゃんに供給されるため、慢性的な貧血に陥る方も少なくありません。

貧血になると、動悸・息切れ・疲れやすいといった症状のほかに、お産のときまでに治っていないと、微弱陣痛や分娩時の異常出血、体力が低下しトラブルが起きやすくなるといった心配もあります。

普段から鉄分の多い食事を心がけるほか、医師と相談の上でサプリメントを利用するなど、かしこく鉄分をとりいれる生活を心がけましょう。また、貧血と診断された場合には、貧血の薬を処方されたり注射を行ったりする場合もあります。

「妊娠高血圧症候群(旧:妊娠中毒症)」

妊娠の20週から出産後12週までに、高血圧がみられる、または高血圧に尿蛋白を伴う場合に診断されます。妊婦の20人に1人の割合でみられるメジャーな疾患です(日本産婦人科学会調べ)が、詳しい原因はわかっていません。

重症化すると高血圧・尿蛋白に加えて、けいれん発作(子癇:しかん)や脳出血、腎・肝臓の機能障害、HELLP症候群(※3)などの合併症を引き起こし、赤ちゃんには低出生体重児や、常位胎盤早期剥離により状態が悪くなり機能不全になり、早産や胎児死亡を招くこともある疾病です。さらに、自覚症状に乏しく、また一度発症してしまうと、お産が終わるまで治らないところが、この症状の怖さです。

予防法はありませんので、血圧をきちんと測ることで自己管理を徹底して行いましょう。

※3 溶血と血小板減少を伴う肝機能障害。

「妊娠糖尿病」

妊娠糖尿病

2010年、日本糖尿病・妊娠学会によって、妊娠糖尿病の診断基準が変わりました。妊娠中にはじめて発見された、もしくは発症した糖尿病にいたっていない糖代謝異常を「妊娠糖尿病」といいます。妊娠時に診断された明らかな糖尿病は、含まれません。

このタイプの糖尿病は、妊娠によって胎盤から分泌されるホルモンの影響で、血糖値をさげるインスリンホルモンが不足し、血液中の糖の濃度が慢性的に高くなります。

この高糖状態の血液が胎盤を通して赤ちゃんに送られることで、赤ちゃんが大きくなりすぎて巨大児出産(4,000g以上)となったり、逆に胎盤機能不全によって酸素や栄養がいきわたらず発育不全になったり、生まれてきた赤ちゃんが低血糖になったりすることがあります。また、流産・早産や妊娠高血圧症・羊水過多症(※4)の合併症などのリスクも高くなります。

普段からの食生活と体重などの健康管理はもちろん大切ですが、発病した場合には、医師の指導に基づき、食事での糖分制限などの生活管理を徹底して行いましょう。また、通常は出産後に治るのですが、中には2型糖尿病(※5)に移行する場合もありますので、注意が必要です。

※4 溶血と血小板減少を伴う肝機能障害。通常300~400mlである羊水が800ml以上になる症状。

※5 溶血と血小板減少を伴う肝機能障害。糖尿病には1型・2型・遺伝子の異常などによるもの・妊娠によるものがあり、2型糖尿病はいわゆる生活習慣病と呼ばれています。過食や運動不足などにより起こるといわれていますが、詳しいメカニズムは不明です。膵臓からのインスリンの出が悪くなることで糖代謝異常が起きます。放っておくと、神経障害・網膜症・腎症といった深刻な合併症を招きます。


このほかにも妊娠中には、腰痛、めまい、便秘、妊娠線、むくみ、頻尿、静脈瘤(りゅう)、仰臥位(ぎょうがい)低血圧症候群、骨盤位(さかご)、感染症や薬のことなど、さまざまなトラブルや気がかりなことがあるでしょう。また、診察時に難しい専門用語で説明を受けることもあります。そのような場合には、何よりも主治医に詳しく教えていただくことが一番です。わからないことをきちんと聞くことで、医師との信頼関係の構築にもつながります。

また、妊娠に関するWebサイトを活用することも大切です。しかしながら、妊娠やそれに伴う諸症状には個人差がありますので、個人のブログなどは鵜呑みにせず参考程度にとどめ、情報の収集には公的機関や学会・財団などの各種団体が運営しているサイトをチェックしてみましょう。(※6)

赤ちゃん&子育てインフォ(財団法人母子衛生研究会提供) http://www.mcfh.or.jp/

※6 Webサイトの利用は、あくまで個人の判断と責任によるものです。弊社では内容の保障等は行っておりません。

妊娠中のマイナートラブルで気になる症状がある場合は、近くの病院に相談しましょう

を探す。

下記お問い合わせフォームの表示に時間がかかる場合がございます。 表示されない場合、このページを開いたまま、しばらくお待ちいただきますようお願いいたします。
なお、それでも下記のフォームが動作しない場合、恐れ入りますが support@byoinnavi.jp 宛に問い合わせください。

Danger お役立ち医療コラムについて

【提供元】
お役立ち医療コラムは、株式会社eヘルスケアが提供しています。
【免責事項】
  • コラムの内容については細心の注意を払い掲載しておりますが、情報の確実性や安全性に関して保証されているものではありません。また、医学の進歩により常に最新の情報とは限りませんので、あらかじめご了承ください。
  • 病気に関する予防や治療法をはじめとした医学的情報は、医師やその他医療従事者による診断に代わるものではありません。必ずしも全ての方に有効とは限りませんので、個別の症状については必ず主治医にご相談の上、適切な診断と治療を受けていただきますようお願いいたします。
【著作権】
お役立ち医療コラムの著作権は、株式会社eヘルスケアに帰属します。営利・非営利を問わず、無断で複製、転載、配布等の行為を行うことは一切禁止とします。
【その他】
株式会社eヘルスケアでは、病気や治療に関するご相談や各医療機関についての個別のお問い合わせ・紹介などは受け付けておりません。