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手足口病|子供の病気

2011年5月掲載

7月が流行のピーク!西日本では既に大流行の兆しが!

5歳までの子どもに流行することが多い疾患

手足口病

手足口病と聞いて「そんな変わった名前の病気があるの?」と思われた方も多いのではないでしょうか。手足口病の名前の由来は、手足口に主な症状がでることからこの名前がつきました。英語でも「Hand-Foot-Mouth disease:HFMD」と、直訳と同じ表記です。

5歳までの子ども、特に2歳以下の乳幼児を中心に発症するこの病気は、2011年5月時点で、中国と韓国において既に流行の兆しをみせており、中国では1歳の死亡者がでています。さらに6月19日現在、日本でも西日本を中心に患者数が急増しており、この時期の患者数としては、過去10年で最多数を記録しています。(※1)

一年中、感染する可能性があるものの、日本では7月が流行のピークとなることが多く(※1)、これからが流行の時期です。今のうちに、病気とその対応の仕方を知ることで、感染を最小限におさえることができると考えられます。

※1 国立感染研究所感染症情報センター調べ

手・足・口にできる水疱が主な症状

手足口病は急性のウイルス感染症です。主にコクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型によって発症するほか、コクサッキーウイルスA4型・A5型・A6型・A9型・A10型などによっても発症することが知られています。一度感染すればそのウイルスの免疫はできますが、原因となるウイルスが複数あるため、再びほかのウイルスによって発症する場合があります。

どのウイルスに感染しても主な症状は同じです。手のひら、足の裏、口の中などにできる2~5㎜程度の水疱性の発疹(水ぶくれのような小さな発疹)が主症状で、かゆみを伴うことはほとんどありません。手・足・口の全てに発疹がでたり、1箇所だけしかでなかったり、ほかの部位にも発疹がみられたりと、ケースによって若干異なります。一時的に微熱や軽い喉の痛みを伴うこともあります。口の中にできた発疹は軽い痛みを感じることもあり、食べ物や舌などの刺激により水疱が破れることでさらに強い痛みを伴うことがあります。一般的に症状は、比較的軽い状態のまま、水疱はかさぶたになることも無く自然に治っていきます。

予後も良いことがほとんどですが、まれに髄膜炎や脳炎といった中枢神経系のものや、心筋炎などの合併症を起こすことがあります。神経質になる必要はありませんが、最悪の場合には死に至ることもありますので、経過をよく観察することが大切です。症状が悪化し、高熱や長引く頭痛、嘔吐を繰り返す、視線が合わない、呼びかけに反応しない、呼吸不全、ぐったりしている、顔色が悪いといった症状がみられた場合には、すぐに医療機関を受診しましょう。

治療は対症療法が中心。水分補給を心がけて!

食事療法

感染経路は、手足口病にかかった人の咳やくしゃみなどによる飛沫感染によるものが多いのですが、水疱が破れたその内容物や、便の処理などの際にウイルスが手に付着し、口や眼などの粘膜を介して感染することもあります(経口・接触感染)。2~7日程度の潜伏期間を経て発症し、7~10日ほどで治ることが多いのですが、発疹が治まってからも3~4週間は便や鼻水などの中にウイルスが排出されるので、注意が必要です。

ワクチンなどの予防薬やウイルスに対する薬はありません。治療は「かゆみがでた場合には抗ヒスタミン薬を使用する」「発熱の際に解熱薬を使用する」といった、症状に合わせた対症療法が行われます。

口の中に水疱ができた場合、水疱の軽い痛みや水疱が破れた痛みによって、食事がとりにくくなることがあります。食事の際には、刺激にならない柔らかく薄味の食べ物を心がけましょう。特に言語でのコミュニケーションが乏しい乳幼児の場合、お腹がすいた様子をみせるのに食事をとらなくなるといった行動が見受けられますので、お母さんが気付いてあげることが重要です。

また、子どもが病気になると、食事や栄養に意識が向きがちですが、水分補給は何よりも大切です。水や薄いお茶、スポーツ飲料などをこまめに与えるよう心がけましょう。口の中に痛みがあり水分さえ取らないような場合には、脱水症状に陥る場合があります。時として経静脈的補液(点滴)での対応が必要となることがありますので、医師に相談しましょう。

神経質になりすぎず、冷静な経過観察と適切な対応を

感染の予防

手口足病にかかりやすい5歳以下といった年代は、自宅で過ごす乳幼児が多い一方で、幼稚園や保育園などで集団生活を行っていることも多く、遊びを通した接触が密な年代でもあります。さらにトイレトレーニングが徹底されていなかったり、衛生観念が未発達であったりすることから、感染が一気に広がるケースもみられます。感染の予防には、子どもたちの手洗いをこまめに励行し、タオルなどは共有しないといった配慮が大切だといえます。さらに保護者や幼稚園・保育園の先生方は、便などの排泄物や汚れた衣服などの処理を適切に行うよう心がけましょう。

また、この病気は子どもにとっては非常にポピュラーな病気ですので、神経質になりすぎず、冷静な対応を行うことも大切です。幼稚園や保育園で流行し、感染した場合でも悪化することは多くありませんので、子どもの様子をみながら落ち着いて対応しましょう。もちろん前述のような悪化症状がみられる場合には、合併症の可能性がありますので、速やかに受診することはいうまでもありません。

感染した場合には、人にうつさないように子どもを自宅で待機させることも大切ですが、長期間、休ませる必要はないかもしれません。感染症法(※2)の分類でも特に危険度の高い感染症という分類はされておらず(五類感染症)、また学校保健安全法(※3)において、出席停止の基準は「病状により学校医その他の医師において伝染のおそれがないと認められるまで」と定められており、明確な基準がないのが現状です。医師や幼稚園・保育園の先生方と相談しながら、対応しましょう。

※2 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の通称。「感染性が強く生命および健康に重大な影響を与える感染症を指定し、その予防・蔓延(まんえん)防止について規定した法律。法律の対象とする感染症を感染力や症状の重篤性に基づいて、1類感染症から5類感染症に分類し、さらに指定感染症、新感染症について定めている。伝染病予防法、性病予防法、エイズ予防法(後天性免疫不全症候群の予防に関する法律)を廃止統合して平成10年(1998)に制定、同11年(1999)施行。同19年(2007)結核予防法を統合。感染症法。感染症予防・医療法。(デジタル大辞泉より)

※3 この法律は、学校における児童生徒等及び職員の健康の保持増進を図るため、学校における保健管理に関し必要な事項を定めるとともに、学校における教育活動が安全な環境において実施され、児童生徒等の安全の確保が図られるよう、学校における安全管理に関し必要な事項を定め、もつて学校教育の円滑な実施とその成果の確保に資することを目的とする。(学校保健安全法 第一章第一条より)


Pencil 大人は「手足口病」にかからないの?

大人でも、免疫がついていない原因ウイルスに感染すれば、手足口病にかかります。まれに子どもからうつり、発症する保護者などがいます。しかし、多くの大人はすでに原因ウイルスの免疫を保持している場合が多く、発症することが少ないので、患者数が少ないのです。

小さい頃に手足口病にかかった場合には、その際にそのウイルスの抗体を獲得して、免疫がついています。まれにウイルスに感染しても症状をあらわさないことがあり、「手足口病にかかったことがないよ」という方でも、知らず知らずに免疫がついていることもあります。

とはいうものの、感染すれば、社会生活や育児などに影響を及ぼすことは避けられません。家族に感染者がでた場合には、こまめな手洗い、タオルを共用しない、排泄物の処理には気を配るといったことを励行し、予防につとめましょう。

基本的に、原因となるウイルスや症状・治療法は大人も子どもも変わりません。

手足口病で気になる症状がある場合は、近くの病院に相談しましょう

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