手足口病:うつる?免疫はつく?大人はかかる?【医師監修】原因・症状・予防法

2017年9月5日 更新
子供の背中

乳幼児を中心に流行する手足口病。その名の通り、手のひらや足の甲や裏、口の中に小さな発疹ができるのが特徴です。

軽い症状で治ることがほとんどですが、原因となるウイルスによっては重症化しやすい場合もあるため、注意が必要です。

目次

  1. 流行のピークは夏!感染しやすい5歳以下の乳幼児は注意!
  2. 原因ウイルスは1種類じゃない!免疫はできても何度もかかることがある!
  3. 症状は手足口への発疹
  4. 主な感染経路は「飛沫感染」「接触感染」「糞口感染」
  5. 治療 - 対症療法
  6. 予防 - 手洗いと排泄物の処理
  7. 登園(校)の目安
  8. プールやお風呂は全身状態がよくなってから
  9. 手足口病は大人でもかかる可能性あり!
  10. 妊婦が手足口病になるとどうなるの?
  11. おかしいなと思ったら医師に相談しましょう

流行のピークは夏!感染しやすい5歳以下の乳幼児は注意!

手足口病は、毎年6月頃から増えはじめます夏に流行のピークを迎えると、その後は秋から冬にかけて、徐々に発生数が減っていきます。

■参考サイト
国立感染症研究所ホームページ

患者は、5歳以下の乳幼児が約9割を占めます。それよりも上の年齢では、大半が既にウイルスに感染し免疫を獲得しているため、発症することはあまりありません。

手足口病は、ウイルスに感染しても症状がでないこと(不顕性感染)も多く、「手足口病になったことがない」という人でも、知らない内に免疫を獲得している場合が多くあります。

なぜ保育園や幼稚園では集団感染しやすいの?

  • ウイルスに感染したことがなく免疫を獲得できていない
  • 生活する距離が近く、濃厚な接触が生じやすい
  • 衛生観念が発達していない

原因ウイルスは1種類じゃない!免疫はできても何度もかかることがある!

いろいろなウイルス

手足口病の原因となるウイルスは1種類ではありません。そのため、一度手足口病にかかっても、別の種類のウイルスが原因となって、再び手足口病になることがあります。

一度感染したウイルスに対しては、免疫を獲得するため、同じ種類のウイルスが原因で手足口病になることはありません。

原因となる主なウイルス:
コクサッキーウイルスA6(CA6)、コクサッキーウイルスA16(CA16)、コクサッキーウイルスA10(CA10)、エンテロウイルス71型(EV71) など

症状 - 手足口への発疹

手足口病は、乳幼児を中心に流行する急性のウイルス性感染症です。

○潜伏期間
3~5日

○主な症状

・発疹
主に、手のひらや足の甲や裏、口の中に2~3mm程度の水ぶくれ状の発疹(水疱性発疹)ができます。肘や膝、おしりなどにできることもあります。

口の中以外の発疹は、ほとんどの場合、痛みやかゆみはありません。口の中の発疹は、軽い痛みをともなったり、潰瘍(深い傷)になることがあります。

発疹はかさぶたなどのあとを残すことなく、3~7日程で消えていきます。

手足口病の手の発疹画像

画像提供 ) みやけ内科・循環器科

手足口病の足の発疹画像

画像提供 ) 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所

手足口病の口の発疹画像

画像提供 ) 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所

手足口病の口腔内の発疹画像

画像提供 ) 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所

・発熱
38℃以下の発熱をともなうことがあります。発熱の症状が出るのは、患者の約3分の1です。

コクサッキーウイルスA16(CA16)が原因の場合:
症状が消えてから1~2ヶ月くらいの内に、手足の爪がはがれたり変形する症状が報告されていますが、いずれも自然に治るとされています。

また、手足口病はまれに合併症や重症化を起こすことがあります。以下のような症状があらわれた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

○こんな症状があらわれた場合は注意!
・高熱が出る
・発熱が2日以上続く
・嘔吐する
・頭を痛がる
・視線が合わない
・呼びかけに答えない
・呼吸が速くて苦しそう
・水分が取れずにおしっこがでない
・ぐったりしている

引用)厚生労働省「手足口病に関するQ&A」

手足口病の合併症

中枢神経系の合併症(髄膜炎、小脳失調症、脳炎)の他、さまざまな症状があらわれることがあります。

○主な合併症
・髄膜炎
・小脳失調症
・脳炎
・心筋炎
・神経原性肺水腫
・急性弛緩性麻痺

など

特に、エンテロウイルス71型(EV71)が原因の場合は、他の種類のウイルスに比べて、中枢神経系の合併症を起こす確率が高いとされているため、経過観察により注意が必要です。

主な感染経路は「飛沫感染」「接触感染」「糞口感染」

トイレットペーパーとトイレ

主な感染経路は、咳やくしゃみなどに含まれるウイルスを吸いこむ飛沫感染や、手指やもの、食品などについたウイルスが主に口から体内に入る接触感染、便の中に排泄されたウイルスが手指などを介して口から体内に入る糞口感染があります。

手足口病は、特に便の中にウイルスが排泄される期間が長く、症状がなくなったあとも、2~4週間程は感染源となる可能性があります。排泄物の処理には十分注意をし、処理やトイレの後はよく手を洗いましょう。

治療 - 対症療法

手足口病に対する特別な治療方法はありません。基本的な症状は軽いため、経過観察と症状に合わせた対処療法となります。

口の中に発疹がある場合は、飲食がしづらい場合もあるため、刺激にならない柔らかい食事にしたり、水分補給もしっかりとするようにしましょう。

予防 - 手洗いと排泄物の処理

手洗い

手足口病には、ワクチンや治療をするための薬はありません。しかし、手足口病にかかっても、ほとんどの場合が軽い症状ですむため、それほど神経質になる必要はありません。

ただ、前述にもあったように、手足口病のウイルスは、症状がなくなったあとも、2~4週間程は便の中に排泄されています。

そのため、一般的な予防や対策として、十分な手洗いと、感染中・感染後しばらくの間の排泄物は適切に処理をしましょう。

登園(校)の目安

手足口病の場合、明確な出席停止期間は設けられていません。

「保育所における感染症対策ガイドライン」の中では、登園の際には、全身状態が良好であることに加えて、医師の診断を受け、保護者が記入する登園届けが必要とされています。

登園の目安としては以下のようになっています。

○発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること

引用) 厚生労働省 : 保育所における感染症対策ガイドライン

また、文部科学省の「学校において予防すべき感染症の解説」では、登校(園)の目安は以下のようにされています。

○本人の全身状態が安定している場合は登校(園)可能。流行の阻止を狙っての登校(園)停止は有効性が低く、またウイルス排出期間が長いことからも現実的ではない。手洗い(特に排便後、排泄物の後始末後)の励行が重要。

引用) 文部科学省 : 学校において予防すべき感染症の解説

プールやお風呂は全身状態がよくなってから

プールの中の男の子と女の子

プールやお風呂に入ることが直接の感染原因になることはありません。

ただし、手足口病でできる水ぶくれ状の発疹の中の液体にはウイルスが含まれているため、発疹がつぶれるなどして漏れ出た液体に触れると接触感染につながることがあります。

発疹が水ぶくれ状の間はプールは控える、お風呂の際は、身体を拭くときに発疹がつぶれないように気をつけるタオルの共用はしないなどの注意が必要です。

手足口病は大人でもかかる可能性あり!

前述のとおり、手足口病は5歳以下の乳幼児に多く、それよりも上の年齢では、既にウイルスに感染していることが多いため、大人が手足口病にかかることはあまり多くありません。

しかし、手足口病にかかる大人がまったくいないわけでありません。今まで一度も感染したことがない人や、今までに感染したことのない種類のウイルスが原因になると、大人でも手足口病にかかることがあります。

大人が手足口病にかかった場合も、基本的な症状は同じですが、発疹が水ぶくれ状ではなかったり、発疹の出る場所が違ったりすることもあります。

また、乳幼児の手足口病と同じく、重症化することもあるので、発疹が数日続くなどの症状が出た場合は、発疹の出る場所や発疹の状態で自己判断することはせず、医療機関を受診しましょう。

妊婦が手足口病になるとどうなるの?

大人の手足口病と同様、妊婦が手足口病にかかることもまれですが、かかってしまった場合についての詳しい情報はありません。

もしかかってしまったとしても、ほとんどの場合は、慎重に経過観察と対処療法などを行うことで済むと考えられていて、流産や胎児に異常がでるようなこともまれとされています。

妊娠中の手足口病を過度に心配する必要はありませんが、症状があらわれた場合は早めに医療機関を受診しましょう。

おかしいなと思ったら医師に相談しましょう

手を差し伸べる医師

このように手足口病は、軽い症状で治ってしまうことがほとんどですが、過去には、重症化しやすいウイルスが流行した年があったり、合併症を起こす割合が高いとされているエンテロウイルス71型(EV71)が原因の場合もあるため、なにか「おかしいな」と思った際には、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

食中毒で気になる症状がある場合は、近くの病院に相談しましょう

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※当コラムは東京内科医会のご協力によって作成されています。

東京内科医会は、常に最新の医学知識を学び、最良の医療を実践している、熱意のある医師の集まりです。

コラム監修

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東京都大田区大森中1丁目18-6
大西 真由美 院長
筑波大学医学部卒、東京大学医学部大学院修了、医学博士 日本内科学会認定 総合内科専門医、日本血液学会認定 血液専門医、認定産業医

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