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皮膚病|子供の病気

2011年6月掲載

高温多湿な日本の夏は、子どもの皮膚の大敵!

子どもの皮膚は薄くてデリケート

たまご肌

人体の中で、最大の臓器といわれる皮膚。皮膚は外界に接し、外部のさまざまな刺激から体を守ってくれる大切な存在です。何らかの理由で皮膚の正常な働きが損なわれ、外界からのバリア機能がもろくなると、いわゆる乾燥肌や敏感肌になり、湿疹や感染症といったさまざまなトラブルを引き起こします。

子どもの皮膚の特徴は・・・

(1) 皮膚が薄く敏感
大人の皮膚に比べて薄く、こする、ひっかくといった物理的な刺激に弱い状態になっている。
(2) 乾燥肌(ドライスキン)になりがち
成長過程で皮脂活動などが不安定な状態にあり、乾燥肌になりがち。そのため皮膚のバリア機能が弱くなっており、外部からの刺激を受けやすく、異物が入り込みやすい状態になっている。
(3) 皮膚面積の割合に対して汗腺が多い
汗をたくさんかくことで、肌の表面がアルカリ性に偏り、細菌やウイルスが繁殖しやすい状態になっている。

成長過程にあることから、不安定でもろさを抱えており、ツルツルでもちもちの卵肌があっという間にカサカサになってしまったり、湿疹が出たりといったトラブルに見舞われやすい状態にあります。またその脆弱さから、正常な大人の皮膚であれば感染することがないような常在菌に感染することもあります。

皮膚のバリア機能が弱いため、常在菌に感染することが

人間のさまざまな部位に住みついて、それぞれバランスを取りながら共生をしている菌を常在菌といいます。腸内常在菌のビフィズス菌や乳酸菌が有名ですが、同じように皮膚にもいろいろな常在菌がおり、バランスをとりながら、皮膚の健康を保っています。このように通常は皮膚の健康を促し、トラブルを起こすことのない常在菌ですが、ちょっとしたことで細菌の種類や数のバランスが崩れることがあり、子どもの皮膚はバリア機能が弱いために感染する場合があります。

カンジダ性皮膚炎(皮膚カンジダ症)
カンジダは主に粘膜に住み着いている常在菌で、カビの一種です。この菌に感染することで皮膚炎を発症します。 高温多湿を好むため、股やお尻といった蒸れやすい場所に炎症を起こすことが多く、初期にはおむつかぶれと似ているため、見逃されてしまいがちです。 重症化するとただれたり、皮がむけたり、膿を伴った発疹が出たりといった症状がみられます。 薬の選択を誤るとかえって悪くなることがありますので、自己判断をせず、早めに医療機関を受診しましょう。
SSSS(ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群)
皮膚や鼻腔内、消化器などに住み着いている黄色ブドウ球菌という常在菌によって引き起こされます。 感染し、増殖した菌が毒素を出し、毒素が血液に乗って全身に送られることで症状が現れます。 初期には発熱、目・口・鼻の周りが赤みを持ちむくむ、むくんだ箇所のひび割れやかさぶた・水ぶくれといった症状が出ます。 その上、リンパ節に炎症を起こし、首の周り・脇の下・足の付け根などに痛みを伴います。 さらに炎症部分は破れやすい水ぶくれを伴い、こするとズルズルとむけ、やけどのような状態になります。 このような状態になると、皮膚のバリア機能が役目を果たさなくなりますので、さらなる合併症の可能性もでてきます。 早期に発見して、速やかに医療機関で適切な処置を行いましょう。
おでき
常在菌の黄色ブドウ球菌などが毛穴に入り込み、感染することで、炎症が起こります。 初期の段階を「毛のう炎(毛包炎)」といい、毛穴を中心に膿を持ち、周囲が赤く腫れるといった症状が出ます。 ほとんどの場合、かゆみや痛みはありません。 毛のう炎が重症化すると「せつ」とよばれます。 また、せつが顔にできたものを「めんちょう」とよびます。 悪化した場合には、切開して膿をだすなどの治療が必要となりますので、早めに医療機関を受診し、治療しましょう。

薄くデリケートな子どもの皮膚は外部からの刺激に弱い

おむつかぶれ

前述のように、子どもの皮膚は成長過程にあり、未熟でデリケート。皮膚が薄く、外部の刺激から守る角質層も薄くなっており、とても脆弱なのが特徴です。そのうえ乾燥肌になりやすく、皮膚のバリア機能が損なわれ、いとも簡単に湿疹やかぶれといった症状が出やすくなっています。

乳児湿疹
乳児湿疹は、生後、赤ちゃんの顔や体にできる湿疹の総称です。 生まれたばかりの赤ちゃんは、お母さんのお腹の中で受けたホルモンの影響で、皮脂が活発に分泌されます。 それによって皮脂量過多の状態になり、湿疹が出ます。さらにその時期を過ぎると、乾燥による湿疹が増えてきます。 まれにアトピー性皮膚炎であることもありますが、判断が難しいので、気になる症状がみられる場合には医療機関で相談しましょう (※1)。
脂漏性湿疹
代表的な乳児湿疹のひとつ。頭部の皮脂腺から盛んに皮脂が分泌されるために症状が出ます。 頭や顔に黄色い皮脂のかたまりやフケのようなものが付着します。 そのままにしておくとかさぶたのようになり、細菌やウイルスが増殖したり、嫌な臭いがしたりといったことがあります。 かさぶたのように厚みを増し、赤みやかゆみを伴う様子がみられた場合は、医療機関を受診しましょう。
おむつかぶれ
薄くてバリア機能が脆弱な赤ちゃんの皮膚が、高温多湿なおむつの中で蒸れて、さらにデリケートな状態になったところへ、 大便や小便から生せられるアンモニアなどの刺激物やおむつの繊維やゴムによるダメージを受けることで、炎症を起こします。 赤みや発疹・ただれといった症状が現れます。おむつをこまめに替える・汚れた箇所は優しくシャワーで流す・ きちんと拭くといった清潔と乾燥を保つことで、予防に努めることが何よりも大切です。
かぶれ(接触性皮膚炎)
何かと接触した際の刺激によるものとアレルギーによるものがあります。 原因物質と接触することで、炎症やかゆみを伴った湿疹などの症状が現れます。 刺激による皮膚炎は、洗剤などの刺激性の強い化学物質によって症状が出ることが多いのですが、 赤ちゃんは皮膚が薄くデリケートなため、自分のヨダレや食べ物のカスでも口の周りがかぶれてしまうことがあります。 アレルギーによる皮膚炎の場合は、原因を特定し、アレルギー物質を避けることが何よりも大切です。

※1 低月齢の頃には、医療機関でも判断が難しい場合があります。あせらず、医療機関の指示に従って、様子をみることも大切です。

夏に注意したい皮膚の病気は、あせも・とびひ・水いぼ

あせも

夏場は、汗をかくことで皮膚がアルカリ性に偏りがちになり、細菌やウイルスが繁殖しやすい状態になっています。また、日本特有の高温多湿といった気候は、多くの細菌・ウイルスが好む環境です。そのためこの季節には、特に気をつけなくてはならない皮膚疾患がいくつかあります。

あせも(汗湿)
汗腺を通ってくる汗の出口(汗孔)にホコリ・ヨゴレ・垢などがつまり、炎症を起こし、小さな発疹がでます。 汗腺や汗孔の数は生まれた時から変わらないので、子どもは皮膚の面積に対して汗孔の数が多く、あせもになりやすい状態にあります。 シャワーなどでこまめに汗を洗い流し、室温調整を心がけましょう。 あせもが悪化したものは「あせものより」とよばれています。 症状が悪化した場合には、何らかの菌やウイルスに感染している場合がありますので、速やかに医療機関を受診しましょう。
とびひ(伝染性膿痂疹<のうかしん>)
あせもや虫刺されなどをかきむしり傷ができてしまうと、そこから細菌などに感染してしまうことがあります。 とびひは常在菌の黄色ブドウ球菌などに感染し、繁殖することで、引き起こされる疾患です。 かゆみの強い炎症や水泡ができ、やがて化膿します。「とびひ=飛び火」という名前の通り、患部をかき壊すことで、次々と広がっていきます。 感染力が非常に強く、本人だけでなく、人から人へも感染しますので、早めに医療機関を受診しましょう。
水いぼ(伝染性軟属種)
伝染性軟属種ウイルス(ポックス・モルスクムウイルス)の感染によって発症します。 初期には粟粒くらいのイボができ、それがだんだん大きくなり、中央がへこんでつやつやした半球状になってきます。 かゆみや痛みはありません。接触することで感染しますので、肌を露出した状態で密に触れる可能性があるプールなどには配慮が必要です。

このほかにも、高温多湿を好む白癬菌による水虫(足白癬)、爪の水虫(爪白癬)、しらくも(頭部白癬)や、 白癬菌の一種である癜風菌による癜風(でんぷう・なまず)などには特に気を配りましょう。 また、害虫がはびこるこの季節、虫さされが原因で起こるストロフルス(急性痒疹)などにも注意が必要です。

皮膚の症状が現れても、皮膚病とは限りません

皮膚科

これまで子どもの皮膚病についてご説明してきましたが、湿疹・赤みといった皮膚の症状がみられたからといって、皮膚自体の疾患ではないことも少なくはありません。
原因がウイルス性の感染症や内臓からの病気の場合がありますので、注意が必要です。
特に子どもに多いものには、水ぼうそう(水痘)、風疹手足口病、溶連菌感染症、血管性紫斑病、りんご病(伝染性紅斑)、単純ヘルペス発疹症などがあります。

また、アレルギー性の薬疹(※2)やアトピー性皮膚炎は、原因となる物質を知ることで、その物質を徹底的に避けるといった予防対策をとることができます。

湿疹が出たからといって、独自で判断せず、医師の診断を仰ぐことが何よりも大切です。 各自治体では情報サービス等を行っている場合があります。予め確認しておくと、いざという時に頼りになります。

※2 薬物を投与したことが原因となって生じる発疹。薬物に対してアレルギーや中毒を起こしたことによる。(デジタル大辞泉より)

肌のバリア機能についてもっと知りたい場合
⇒ 手荒れ・主婦湿疹・しもやけ・あかぎれ…【Part 1】

乾燥肌の治療についてもっと知りたい場合(大人の場合)
⇒ 手荒れ・主婦湿疹・しもやけ・あかぎれ…【Part 2】

子供の皮膚病で気になる症状がある場合は、近くの病院に相談しましょう

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