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骨粗鬆症

2011年9月掲載

若年期からの生活習慣が発症のカギ!

骨粗鬆症は骨の強度が低下して、骨折しやすくなる病気

骨粗鬆症

骨粗鬆症は「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されています(米国国立衛生研究所)。平たく言うと「骨が弱くなって骨折しやすくなる病気」ということです。

骨粗鬆症は、高齢者に特に多い病気で、60歳後半からの患者数の増加には著しいものがあります。80歳の女性にはほぼ半数に、そして男性には20~30%の方に症状がみられ、日本での患者数は約800万~1,100万人と推定されています(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年版より)。日本は人口推計上、2007年に超高齢化社会に突入しており、さらなる患者数の増加が懸念されている疾患です。

骨粗鬆症による大腿骨頸部骨折は、高齢者寝たきりの原因に

骨の脆弱化による骨折が、生活の質(Quality of Life:QOL)や日常生活動作(Activities of Daily Living:ADL)の低下に結びつきやすいことは問題となっていますが、足の付け根に近い部分の「大腿骨頸部骨折」は特に深刻で、高齢者が要介護状態(寝たきり)になる原因の第3位に位置付けられています。

また、骨粗鬆症による骨折の中で、最も多いのは背骨の椎体骨折で、70歳代後半では25%、80歳代以上では43%の方に発症しているといわれています(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2006年版より)。椎体骨折が原因で日常的に痛みを感じるようになったり、逆流性食道炎などの消化器疾患・動脈硬化などの循環器疾患・肺機能低下などの呼吸器疾患といった合併症を起こしたりします。

椎体骨折の中でも圧迫骨折は、日常的に繰り返すちょっとした動作や体の重みで、脆弱化した骨が押し潰されることで起こります。圧迫骨折になると、背骨の変形や身長の低下がみられます。痛みを伴わないケースもあり、気がつかずに放置されることがありますので、注意が必要です。

また、骨がもろくなっていると、ちょっと手をついただけでも手首を骨折 (橈骨遠位端骨折:とうこつえんいたんこっせつ) してしまうことがありますので油断できません。

骨の強さは「骨密度 + 骨質」で決定

骨密度と骨質

骨粗鬆症は骨の脆弱化によるものですが、そもそも「骨の強さ」は何によって決まるのでしょうか。骨の強度は「骨密度(BMD)70% + 骨質30%」の比重によって決定されます。

骨密度はカルシウムやリンなどのミネラルの量(骨塩量=骨量)に依存します。骨塩量が多い場合は密度が濃く丈夫で、量が少ない場合はスカスカで鬆(す)が入ったような弱い骨を形成します。

一方、骨質は微細構造・代謝の回転速度・微小骨折・骨の大きさ・形態・石灰化状態などを指します。

若年期により多くの骨塩量を蓄えておくことが重要

骨塩量は20~30歳代にピークを迎え、その後は加齢と共に低下していきますので、骨塩量が最大値となる(ボーン・ピーク・マス)若年期に、より多くの骨塩量を蓄えておくことが何よりも予防につながります。女性は男性に比べて骨が細く、最大骨塩量が低いことが大半ですので、若年期に食事や生活習慣に気を配り、骨塩量を最大限に多くしておくことが大切です。

また、中高年になっても、バランスの良い食生活や運動の習慣などを心がけることで予防につながると考えられています。 具体的には・・・

  • カルシウム(※1)・ビタミンD・ビタミンK・タンパク質は骨の構成に欠かせない栄養素です。これらを含む食材を積極的に摂るよう心がけましょう
  • 日光に当たりましょう
  • 運動を定期的に行いましょう
  • 喫煙と過度の飲酒をやめましょう
  • 食塩・糖・カフェインを摂りすぎないようにしましょう

※1 サプリメントからカルシウムを摂る場合には、上限(2,300mg/日)を厳守し、過剰摂取に気をつけましょう。

原因の一つは骨の新陳代謝がアンバランスになること

私たちの体のさまざまな部位では新陳代謝が行われていますが、骨も例外ではありません。骨のしなやかさと強さを保つため、古い骨は破骨細胞によって破壊されます(骨吸収)。破骨細胞によって破壊された部分は、骨の形成に不可欠なカルシウムが食事によって取り込まれ、腸で吸収され、血液を通して骨に運ばれることで、骨芽細胞によって新しい骨が再生され(骨形成)ます。この骨吸収と骨形成がバランス良く行われることで、私たちの骨の質が保たれています(骨のリモデリング)。

一方、骨代謝がアンバランスになり骨吸収が加速的に進んでしまうと、骨が破壊される量に新しい骨の生産が追い付かなくなり、骨がスカスカでもろくなります。前述のように、骨粗鬆症の原因は若年期からの生活習慣が大きく関係していますが、それに加えて骨の新陳代謝(骨代謝)のバランスの崩れによるものが大きいのです。

また、加齢によるカルシウムやビタミンDといった骨塩量の不足やホルモンバランスの乱れは、骨代謝のアンバランスを助長させます。

  1. カルシウム・ビタミンDの欠乏:骨はカルシウムを貯蔵する役割を担っています。また、カルシウムは血液や細胞に一定量存在することで、生命維持の恒常性をはかっています。高齢者は食が細くなっていることから、カルシウムやビタミンDなどのミネラルが不足しがちです。体内のカルシウム量が減少した際には、骨に蓄えられていたカルシウムが血液中に流出します。それによって骨の骨塩量が低下し、骨密度が低下します。また、カルシウムが骨に吸収されるにはビタミンDが必要です。ビタミンDが欠乏すると、骨にカルシウムが吸収されなくなるため、やはり骨塩量が低下します。
  2. カルシウム調整ホルモンの分泌:高齢者の食事情などによりカルシウムの血中濃度が低下すると、カルシウム調整ホルモンの副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、また、カルシトニンの分泌が抑制されます。それによって骨吸収が亢進されます。
  3. エストロゲンホルモンなどの性ホルモンの低下:エストロゲンホルモンには骨吸収を抑える作用があるため、閉経などによって女性ホルモンの分泌が激減した場合、骨吸収を促進させます。

40歳以上の女性に対して、数年に一度の検診を推奨

加齢による骨塩量の不足

骨粗鬆症には自覚症状に乏しく、骨折によって発覚することも多く、気がついた時にはすでに骨がもろくなっているということが少なくありません。骨粗鬆症と診断された場合はもちろんですが、高齢者では必然的に骨塩量が落ちていることも多いので、転倒防止を心がけ、骨折の予防に努めましょう。

また、一定の年齢になったら、定期的な検診を受けることも大切です。日本では、40歳以上の女性に対して数年に一度の検診が推奨されています(※2)。自分の骨塩量を知っておくことで、早期発見にもつながりますので、ぜひ検診を受けて現在の骨塩量を知っておきましょう。

病院に行く際には、どの科にいったら良いか、迷われる方も多いと思います。財団法人骨粗鬆症財団では、骨粗鬆症の診療を専門的に扱っている病医院をホームページで公開していますので、参考にしましょう。

http://www.jpof.or.jp/hospital-top.html

骨粗鬆症の中には、甲状腺機能亢進症などの病気によるものや胃切除による栄養性のもの、ステロイドなどの薬によるものなどが原因となっている場合がありますので、問診の際には既往歴に加え、飲んでいる薬や生活習慣などについて、医師に細かく伝えることが必要です。

骨粗鬆症と診断された場合、運動療法・食事療法・薬物療法・理学療法・手術といった治療が、個々の症状や程度に合わせて行われます。

薬物療法では、破骨細胞に作用して骨吸収を妨げる薬を使用することが多いのですが、昨年2010年には、骨芽細胞に作用して新しく形成される骨塩量を増やし、骨を強化させる新薬(一般名:テリパラチド)が承認されました。従来の骨粗鬆症治療薬の多くは経口投与でしたが、この薬は自分で注射を行い投与します。細かい適応基準があり、投与期間が24ヶ月間までしか使用できません。また従来の薬に比べて高価ですので、医師とよく相談をして投薬計画を立てましょう。

※2 日本では、40~70歳までの女性を対象に、5歳刻みでの節目検診が行われています。

WHOの後援により、アジア8カ国で800人の女性を対象に調査が行われ、骨密度の低下リスクを予測するFOSTA(骨粗鬆症自己評価指数)という計算式では、年齢と体重から、骨密度の低下リスクを予測することができます。

FOSTA=〔体重(kg)-年齢(歳)〕×0.2

閉経後の日本人女性1127人を対象とした調査結果では、FOSTAの値が「-4」未満の方の約半数に骨粗鬆症の症状がみられました。

そのほか、WHOが開発した骨折リスクを評価ツール「FRAX(R)」もありますので、目安にしましょう。(英語サイト)
http://www.shef.ac.uk/FRAX/tool.jsp?country=3

骨粗しょう症で気になる症状がある場合は、近くの病院に相談しましょう

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