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多発性硬化症【Part2】

2012年3月掲載

この記事には【Part1】があります

早期治療が、悪化を食い止めるカギとなる場合が多い「多発性硬化症」
兆候がみられたらまず専門医を受診

医療機関の受診は「神経内科」を

多発性硬化症(Multiple Sclerosis:MS)は、何らかの原因で、神経線維を覆っている髄鞘(ずいしょう)(ミエリン)が壊れて(脱髄(だつずい))神経線維がむき出しになることで中枢神経に伝わるべき外部からの情報や、中枢神経から末梢神経に送られる反応(司令)の流れが困難になり、さまざまな症状を引き起こす病気です。

症状と再発パターンの多様さと、パターンに当てはまりにくいケースが多く見られるがゆえに発症しても診断されることがなく、放置されることも多いのですが、早めに治療を始めることで、病気の再発や進行を防止したり遅らせたりできる場合が多いのです。 放置されることで治療が遅れ、ダメージが軸索にまで到達すると、再生することはなく、症状は回復することはありません。そうならないためにも、思い当たる症状がみられる場合には、とにかく早期に神経内科(※1)を受診しましょう。検査では、問診・MRI(磁気共鳴画像)検査・誘発電位検査・髄液検査などが行われ、総合的に判断されます。

※1日本神経学会では専門医や専門施設を紹介しています。
一般社団法人日本神経学会:http://www.neurology-jp.org/

個々の症状に合わせて薬物療法などが行われる

MSと診断された場合、どのような治療が行われるのでしょうか。現在のところ、MSを完全に治すことはできません。しかしながら、薬で症状を抑えることはできますし、再発や進行を予防することもできます。治療では3つの目的に絞り、薬物療法が行われます。

  • 急性期に炎症を抑える治療:MSの急性期(再発時)は、脱髄部分に炎症が起きています。その場合には炎症を抑えるためにステロイド薬が用いられます。主に点滴(ステロイドパルス療法)や内服薬で投与されます。症状が重い場合などには、血漿(けっしょう)交換療法(※2)や免疫吸着療法(※3)が行われる場合もあります。症状によって医師の判断が異なる場合がありますので、主治医の指示に従いましょう。
  • 再発・進行を予防する治療:再発・進行の予防効果が認められているインターフェロンで免疫のバランスを整える治療や、免疫の機能を抑える免疫抑制剤で進行を食い止める治療が行われます。
  • 症状を和らげる治療:急性期の強い症状や寛解期になっても収まらない、痛み・しびれ・つっぱり・疲労・排尿障害といった症状に対して、症状の軽減を行うために薬物療法が行われます。

MSの症状は多岐にわたっていますので、医師には自分の症状をできるだけわかりやすく伝えるよう心がけましょう。薬物療法のほかには、症状に応じて、身体をスムーズに動かせるように理学療法や訓練(排尿に対する訓練など)が行われる場合もあります。

※2血液を抜き出し、血球(赤血球・白血球・血小板など)と血漿成分に分け、血液中の血漿成分のみを全て入れ替えて、再び戻す治療法

※3血液を抜き出し、血液中の抗体を含む血漿から病気に影響を与えていそうな抗体のみを取り除き、再び戻す方法

再発予防に過労・感染症・ストレス・過度の日焼けを避けた生活を

多発性硬化症,リラックス

寛解期には普通に日常生活が送れるケースもあるのですが、できるだけ再発を起こさないように気をつける必要があります。過労・感染症・ストレス・過度の日焼けといったことが再発のきっかけとなることが多いので注意が必要です。症状が出た場合には、休憩することで、症状が収まる場合がありますので、すぐに焦らず、休憩して様子を見ることも大切です。

体温が上がると一時的に「ウートフ徴候」が起こることがありますので、体温上昇に気を配ることも大切です。 出産が再発のきっかけになることもありますが、反対に妊娠中には症状が安定する傾向にあります。 再発は「24時間以上持続する神経症状の増悪で、再発の間には少なくとも1ヶ月以上の安定期が存在する」とされています(厚生労働省免疫性神経疾患調査研究班によるMS診断基準(2003年)より)。これまで症状が安定していても、新しい症状が見られる場合や、これまでの症状が悪化してきた場合には、主治医に相談しましょう。

公費負担制度を利用しましょう

公費負担制度

MSは、今の医療では、残念ながら完治は不可能です。そのため、治療には長く関わっていくことになり、患者さんの心配ごとの一つとして医療費の問題があげられます。MSは、さまざまな公費負担を受けることができる疾患です。下記を参照に申請手続きを行い、少しでも負担を減らして、きちんと治療に取り組みましょう。

  • 特定疾患医療費公費負担制度:MSと確定診断されると、MSに関わる医療費の一部が公費で負担されます。都道府県の保健所が窓口です。
  • 身体障害者福祉:身体に障害が残った場合は、身体障害者手帳の交付が受けられます。市区町村が窓口です。
  • 生活費の助成:障害基礎年金、障害厚生年金、生活保護などがあります。市区町村が窓口です。

また、今回、コラムの制作のご協力いただいた特定非営利活動法人MSキャビンのサイトでは、MSについて詳しく紹介しているほか、セミナーや相談会なども行なっていますので、チェックしてみるとよいでしょう。

ComputerNPO法人MSキャビン[http://www.mscabin.org/]

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多発性硬化症で気になる症状がある場合は、近くの病院に相談しましょう。

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