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プール以外でも感染する「咽頭結膜熱(プール熱)」

2013年8月掲載
プール熱,咽頭結膜熱

夏場に子どもたちの間で流行する「咽頭結膜熱(プール熱)」。とくに2013年は、流行シーズンの立ち上がり時期にあたる6月の時点で、過去10年間で2番目に多い患者数を記録するなど、大流行の兆しをみせています。「プール熱」の別名からプールでうつる病気だと誤解している人も多いようですが、患者との接触、咳やくしゃみなどによっても感染します。日頃から手洗い、うがいを徹底して予防に努めるのはもちろんのこと、万が一感染してしまった場合の対処法を覚えて、家庭内での感染拡大を防ぎましょう。

プール熱ってどんな病気?

正式名は「咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)」といい、アデノウイルスによって引き起こされる感染症です。例年6月ごろから患者数が増え始め、7~8月に流行のピークを迎えます。患者の約6割は5歳以下の子どもですが、大人がかかることもあり、病院やデイセンターなどの介護施設での感染例も報告されています。

アデノウイルスの感染力は強く、患者の咳やくしゃみ(飛沫感染)のほか、患者との接触、タオルや食器の共有によっても感染します(接触感染)。別名の由来であるプールでの感染は、汚染された水に触れた結膜(=まぶたの裏側と白目を覆う薄い膜)からのウイルス侵入や、患者とのタオルの共有が原因と考えられています。

どんな症状があるの?

目や喉に症状が現れることがプール熱の特徴です。ウイルス感染から発症までの潜伏期間は5~7日。発症すると39℃前後の熱が4~5日続き、それに伴って、喉の腫れや痛み、白目の充血(結膜充血)、目やに、涙などの症状が現れます。目の症状は通常、片方から始まり、やがて両目に広がります。このほか頭痛、全身倦怠感、食欲不振といった症状がみられることもあります。

診断と治療法

確定診断のためには血液での抗体検査が必要ですが、医療現場では迅速検査キットが使用されています。喉を綿棒でこする簡単な検査で、20~30分で結果が判明します。陽性反応が出て、発熱や喉の腫れ、結膜充血などの症状があれば、プール熱と診断されます。 残念ながらアデノウイルスには特効薬がなく、ワクチンも存在しません。そのため治療は、症状を和らげる対症療法(たいしょうりょうほう)が中心になります。熱には解熱剤、喉の痛みには鎮痛剤、結膜充血や目やにには抗生剤やステロイドの点眼薬などを使います。

プール熱にかかってしまったら…

アデノウイルス,感染症

安静にして十分な睡眠を取ることと、脱水症状予防のための水分補給は欠かせません。熱や喉の痛みで食欲がない時は、プリンやゼリー、おかゆ、豆腐といった、のど越しのよい食べ物を取りましょう。

家庭内での感染防止対策も重要です。患者とのタオルや食器の共有は避け、洗濯・洗浄も別々に行います。患者が手や目を触った手で触れたものは、アルコール(80%消毒用エタノール)で消毒します。アデノウイルスは熱に弱いので、タオルや食器は煮沸消毒(100℃で5秒)してもよいでしょう。症状が治まった後もおよそ1ヵ月間は尿や便の中にウイルスが排出されます。感染した子どものオムツ交換をする際には、使い捨て手袋の使用をお勧めします。

なお、児童が感染した場合は学校保健安全法の規定により、発熱や結膜充血といった主要症状が消えてから2日経過するまで出席停止になります。

プール熱の予防法は?

感染経路を断つことが最も有効な予防策です。外から帰ったらうがいをし、流水と石けんでよく手を洗うのはもちろんのこと、家族といえども普段からタオルの共有は避けてください。プールの利用前後には必ずシャワーを浴び、プールから上がった後は、目の洗浄とうがいを徹底しましょう。またゴーグルの使用は、結膜からのウイルス侵入を阻止する有効な手立てになります。

プール熱にかかったとしても、たいていは1~2週間で自然に完治しますので、過剰に心配する必要はありません。ただし、高熱が5日以上続く場合や、激しい咳が出る時、吐き気や頭痛が強い時などは重症化する恐れもあるため、速やかに小児科か内科を受診しましょう。目の症状がある場合は、眼科での治療が必要になります。

<参考資料>
国立感染症研究所「感染症の話 咽頭結膜熱」
文部科学省「学校において予防すべき感染症の解説」

咽頭結膜熱(プール熱)で気になる症状がある場合は、近くの病院に相談しましょう

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※当コラムは東京内科医会のご協力によって作成されています。

東京内科医会は、常に最新の医学知識を学び、最良の医療を実践する魅力を持った何かを主体に、診療を行っている医師の集まりです。

コラム監修

Thumb-up阿部医院
東京都目黒区平町2-5-7
内科学会認定内科医、東京内科医会副会長
院長 清水 惠一郎

清水 惠一郎先生
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