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日本人の約40%がアレルギー性鼻炎

2016年3月掲載

近年では慢性副鼻腔炎の合併も増えています

アレルギー性鼻炎とは、発作的に起こるくしゃみ、透明で水のような鼻水、鼻づまりなどの鼻炎の症状が、アレルギー反応によって引き起こされる病気です。
『鼻アレルギー診療ガイドライン2009年版』によれば、日本人の約40%がアレルギー性鼻炎であると推定されています。

アレルギー性鼻炎の種類と症状

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎のうち、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど症状が一年中現れるものを「通年性アレルギー性鼻炎」と言い、主な原因(アレルゲン)は、ダニ、カビ、ペットの毛などが知られています。日本人の4人に1人は通年性アレルギー性鼻炎であると言われています。

それに対して、ある季節だけに現れるものを「季節性アレルギー性鼻炎」と言います。季節性アレルギー性鼻炎のほとんどは「花粉症」と呼ばれるもので、その発症時期は原因となる植物の開花時期と一致しています。
空気中を飛散している花粉が鼻や眼の粘膜に付着すると、くしゃみや鼻水、眼のかゆみなどのさまざまな症状が現れます。そのほかに、喉や皮膚のかゆみ、頭がボーっとするなど、鼻や眼以外の症状が現れる人もいます。

アレルギー性鼻炎の原因

人間の体には免疫という機能が備わっています。免疫は、体内に異物が入ってきたときにそれを判別し、排除する働きをします。ところがこの免疫機能が過剰に働いてしまう場合があります。身体に害のない物質をも異物とみなし、身体に望ましくない免疫反応を引き起こすのです。
この不都合な免疫反応のことをアレルギーと言います。アレルギー反応を引き起こす原因物質のことをアレルゲン(=抗原)と言い、その種類は様々で、どのアレルゲンに対してアレルギー反応を示すかは人によって異なります。
これらのアレルゲンに加えて、生活環境や生活習慣、ストレスによる免疫力の低下などもアレルギーの発症に関係があるとされています。

アレルギーをもつ人が特定のアレルゲンを鼻から吸いこむと、それに対抗するための抗体(IgE抗体)を作り出し、その抗体がアレルゲンと結びつくと、ヒスタミン等の化学物質が出て鼻の粘膜を刺激します。これがアレルギー性鼻炎を起こす仕組みです。

また、生活環境や生活習慣、ストレスによる免疫力の低下などもアレルギーの発症に関係があるとされています。

アレルギー性鼻炎の対処法・治療法

薬

アレルギー性鼻炎の対処法や治療には、

  • アレルゲンの除去・回避
  • 薬物療法
  • アレルゲン免疫療法
  • 手術療法 などがあります。

1.アレルゲンの除去・回避

アレルギー性鼻炎を完全に予防することは困難ですが、生活環境から原因となる抗原を取り除き、接触を避けることで症状を軽くすることができます。

●ハウスダストの除去
・居間、寝室などは毎日掃除する。
・布団、毛布などはよく日光にあてて乾燥させて、週に1度は掃除機をかける。但し、花粉症の場合は外に干さないことが重要。
・防ダニの布団を使用する。寝具にはダニを通さないカバーをかける。
・絨毯の使用、畳はやめてフローリングにする。
・部屋の湿度は50%、室温は20~25℃に保つ。
など
●花粉の回避
・花粉の飛散の多いときは窓、戸を閉めて花粉を家の中に入れないようにする。
・花粉の飛散の多いときの外出を控える。外出する場合はマスクやメガネを着用する。ニットなど花粉が付着しやすい衣服の着用は避ける。
・帰宅時には玄関先で服や髪についた花粉を落とす。
・帰宅時にはうがい・洗顔をして、鼻をかむ。
・衣服は基本的には外に干さない。布団など外に干した場合は花粉をよく落としてから取り込む。

2.薬物療法

薬物療法は、アレルギー性鼻炎の治療法の中でも効果が高く、中心的な治療法となっています。使用される薬の代表としては、ケミカルメディエーター遊離抑制薬や抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬、ステロイド薬などがあげられます。

●ケミカルメディエーター遊離抑制薬
アレルギー性鼻炎の予防的治療として使用される薬です。これは、アレルギーを起こす化学伝達物質を抑える働きをする薬です。
●抗ヒスタミン薬
抗ヒスタミン薬は、アレルギー性鼻炎の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)を緩和させる薬です。抗ヒスタミン薬には、第一世代と第二世代という分類があります。
●ステロイド薬
ステロイド薬は、重度の症状にも強力な効果がある薬ですが、さまざまな副作用を招くこともあります。ステロイド薬を使用する際は、医師の指示に従い、正しい使用法を守りましょう。ステロイド薬には、鼻噴霧用ステロイド薬、経口ステロイド薬などがあります。

3.アレルゲン免疫療法

アレルゲン免疫療法とは、アレルゲンのエキスを少しずつ皮下注射して、アレルゲンに対して過剰な反応を起こさないように体を慣らしてゆくという、アレルギー体質自体を改善させる治療法です。治療期間は最低でも2~3年はかかりますが、治療を受けた方の約70%で症状が軽くなったという報告があります。最近では、スギとダニアレルギーに対し舌下薬が発売されました。
原因となるアレルゲンを用いて行う治療のため、アレルゲン免疫療法では、原因となるアレルゲンを確定する確定診断が重要となります。

4.手術療法

主に鼻づまりの症状が強い患者さんを対象にした治療法で、最近では機械の進歩によって、レーザーを用いた日帰り手術も可能になっています。レーザーによる手術では、麻酔をした鼻の粘膜にレーザーを照射して粘膜を焼くことで、アレルギー反応を起こしにくくします。

近年増えている「慢性副鼻腔炎」の合併

風邪をひいたあとにいつまでも鼻汁が出る、鼻汁がドロドロしている、鼻がつまる、匂いがわからなくなった・・・もし、そんな症状がみられたら、「慢性副鼻腔炎」の可能性があります。
鼻腔の周囲には4つの空洞があり、総称して「副鼻腔」と言います。細菌やウイルスの感染によって副鼻腔の粘膜に炎症が起きて、膿のような粘液がたまる病気が副鼻腔炎です。
最近では、アレルギー性鼻炎を起こす人の約4割が、慢性副鼻腔炎を合併しているといわれています。アレルギー性鼻炎が長期にわたることによって、鼻や副鼻腔の粘膜が慢性的に腫れていることが原因とされています。

慢性副鼻腔炎は、ほとんどの場合は風邪などがきっかけで急性副鼻腔炎が長引いたことで起こります。溜まった鼻水、膿や細菌などが副鼻腔の粘膜を傷つけ炎症を起こし、それが原因で病原体も増えてさらに炎症が治りにくくなるというように悪循環に陥ります。

慢性副鼻腔炎の症状

  • 鼻の粘膜が腫れるため鼻がつまり、口で呼吸をするようになる
  • 黄色~黄緑色の粘つく鼻水がたくさん出る
  • 頭が痛くなったり重くなったりする
  • 匂いがわからない嗅覚異常が起きる
    など

上記の症状が1カ月以上続くときは、耳鼻咽喉科などを受診して検査を受けて、原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。

軽症の場合であれば、抗生物質の服用や膿の吸引、副鼻腔の洗浄などによって改善されます。症状の程度によって異なりますが、治るまでに3カ月程度はかかるので、しっかりと治療を続けることが重要です。
放置していたり、治療を中断したりして悪化させると、鼻タケ(粘膜がはれてキノコ状の良性のポリープになったもの)ができることがあります。その場合は、治るまでに時間がかかり、鼻タケが増えると除去手術が必要になることもあります。

慢性副鼻腔炎にならないために・・・

風邪をきっかけに慢性副鼻腔炎を発症しやすいので、予防はできるだけ風邪をひかないこと、また風邪をひいても長引かせないことが重要です。 風邪をひいた場合には、鼻の穴に鼻汁をためないようにして、鼻粘膜をいつも清潔にしましょう。
副鼻腔内にも鼻汁がたまり、ひどい鼻づまりが続く際には、耳鼻咽喉科で副鼻腔洗浄をしてもらい、鼻汁をきれいに取り除くと悪化を防ぐことができます。放置していて鼻タケが増えてしまうと治るまでに通常は6カ月以上かかるので、症状が軽いうちに対処するほうが賢明です。

アレルギーが原因の鼻炎や花粉症などがある人は、慢性副鼻腔炎を併発しないためにも早めの受診を心がけましょう。

アレルギー性鼻炎で気になる症状がある場合は、近くの病院に相談しましょう

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※当コラムは東京内科医会のご協力によって作成されています。

東京内科医会は、常に最新の医学知識を学び、最良の医療を実践する魅力を持った何かを主体に、診療を行っている医師の集まりです。

コラム監修

Thumb-upきうち内科クリニック
東京都江戸川区本一色3-39-2
院長 木内 章裕
日本内科学会認定内科医、日本老年医学会専門医、日本神経学会専門医、日本脳卒中学会専門医

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木内 章裕先生
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