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20歳以下の10人に1人がアトピー性皮膚炎

2016年4月掲載

医師の指導に従って根気よく治療を続けることが大切です

アトピー性皮膚炎は、良くなったり、悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹が特徴の皮膚疾患です。もともとアレルギーを起こしやすい体質の人や、皮膚のバリア機能が弱い人に多く見られます。一般的に、症状が6カ月以上(乳幼児では2カ月以上)続くとアトピー性皮膚炎と判断します。
アトピー性皮膚炎は乳幼児期に発症することが多いのですが、最近では大人になってから発症したり、いったん治っていたのに大人になってから再発する人も増えています。

アトピー性皮膚炎の原因は様々。子どもと大人とでも異なる

アトピー性皮膚炎の原因ははっきりと分かっていませんが、もともとのアレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)や皮膚のバリア機能低下に加え、長期間皮膚に加わる強い刺激やストレス、疲労なども免疫を不安定にして発病すると考えられています。
また、子どもと大人では原因が異なります。子どもは食べ物、大人は周囲の環境やストレス、ダニなどのハウスダストが原因となることが多いと言われています。
これらの原因は単独ではなく、複合的な要素が重なって起きることが多くあるため、病院で血液検査や皮膚テストを受けて、自分のアトピー症状の原因を突きとめておくことが大切です。しっかりと原因を知ることで、アトピーの症状を早期に改善したり、治癒することが可能になります。

症状は年齢によっても変わる

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の主な症状は、かゆみを伴う湿疹です。湿疹は治ったかと思うと、またひどくなるといったことを繰り返します。かゆみのため、掻き過ぎてひっかき傷ができ、ジクジクと化膿してしまったり、カサブタができてしまうこともあります。

症状の現れ方は、年齢によっても変わります。2歳未満では、口のまわりや頬にじくじくした腫れ(紅斑)やぶつぶつ(丘疹)が現れます。そして次第に屈曲部と呼ばれる首・ひざ裏・肘裏・手首・足首に皮疹ができてきます。2歳を過ぎると、体全体に皮疹があらわれて、皮膚が全体に乾燥してかさかさしてきます。ひじや膝の裏などの関節の内側には、あせものような発疹やじくじくした発疹がみられ、ごわごわした皮膚になることも多くあります。思春期を過ぎると、皮膚の乾燥やごわごわ(苔癬化)はさらに進み、症状は上半身に強く現れるようになります。

「目がかすむ」「見るものがぼやける」などの症状があれば合併症の可能性も

アトピー性皮膚炎は目や皮膚の感染症といった合併症をおこすことがあります。

■目の合併症

眼の周りに湿疹ができると、無意識に強くこすったりかいたりを繰り返すことで、目に障害が起こることがあります。
アトピー性皮膚炎で起こりやすい目の合併症は次のようなものがあります。

  • 白内障:水晶体が白濁して視力が低下する
  • 網膜剥離:網膜が眼底から剥がれる
  • 網膜裂溝:網膜に穴が開いたり網膜が裂けたりする

目に起こる合併症はとても深刻です。予防するには目の周りにできた湿疹をできるだけ早く治すことが大切です。

■皮膚の合併症

・伝染性膿痂疹
肌のバリア機能が低下したところに黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌が侵入して起こります。皮膚の症状を悪化させて、アトピー性皮膚炎の治療効果を下げてしまいます。感染してしまった時は、刺激の少ない石鹸で洗って清潔を保って自然に治癒するのを根気よく待ちましょう。
・カポジ水痘様発疹症
単純ヘルペスウイルスに感染して起こる病気です。痛みを伴う水疱(水ぶくれ)が特徴です。単純ヘルペスウイルスはよくみられるウイルスで、健康な人でも感染して唇や口の中に発疹ができることがありますが、アトピー性皮膚炎の人は、ウイルスが全身に入り込んで重症化し、カポジ水痘様発疹症に発展してしまうことがあります。抗ウイルス薬(アシクロビル)がありますので、早期に医師に診てもらい、早期治療で完治を目指しましょう。
・伝染性軟属腫
伝染性軟属腫というのはいわゆる「水いぼ」です。ポックスウイルスに感染することで発症します。水いぼが身体のいたるところにたくさんできます。このウイルスには特効薬はありません。水いぼをつぶすか、自然に治癒するまで様子をみます。自然に治るのは、数ヶ月かかります。

治療の基本は「薬物治療」「スキンケア」「悪化要因の除去」

薬

治療で目指す最終的なゴールは、アトピー性皮膚炎であることをあまり意識しないで日常生活を送ることができるくらいにまで症状を改善し、その状態を維持していくことです。医師の指示に従ってステロイドの塗り薬やステロイド以外の免疫抑制薬の塗り薬を適切に使ったり、保湿などのスキンケアを上手に行えば、多くの人で実現できるのです。

治療の基本は「薬物治療」「スキンケア」「悪化要因の除去」です。

■薬物療法
アトピー性皮膚炎の治療において、最も大切なのは薬による治療です。適切に正しく薬を使うことで、症状を早く改善して、良い状態を維持することができます。

現在、アトピー性皮膚炎治療の外用薬としては、ステロイドの塗り薬とステロイド以外の免疫抑制薬(免疫抑制外用薬)の塗り薬があります。
ステロイドの塗り薬には、「最強」「とても強い」「強い」「弱め」「弱い」という5段階のランクがあり、それぞれの皮膚の症状の種類や重症度や患者さんの年齢などを考えた上で、適切なランクの薬が選択されます。

他に、かゆみを抑えるために、眠気の少ない抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を補助的に内服したり、他の治療でなかなか良くならない重症の成人患者さんは、ステロイド薬の飲み薬やシクロスポリンという免疫抑制薬の飲み薬を飲んだりすることがあります。
■スキンケア
ステロイドの塗り薬や免疫抑制外用薬で炎症がすっかりおさまった後も、2~3日おきに塗り薬を使ったり、炎症の再発を予防するためにスキンケアを行う必要があります。
入浴やシャワーで皮膚を清潔に保ち、入浴後には保湿薬を塗り、皮膚から洗い流された皮脂膜を補います。
■悪化要因の除去
アトピー性皮膚炎は、薬物療法とスキンケアを正しく行うことで、ほとんどの場合、症状をコントロールすることができます。しかしそれでも症状の改善がみられない時は、症状の原因となっているものや悪化させる可能性があるものを探し出し、それを取り除くことも大切です。

アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返す病気なので、症状を上手にコントロールし、日常生活に差し支えない状態を維持することが目標です。医師の指導に従いながら、気長に病気とつきあい、根気よく治療を続けていきましょう。
自分の判断で薬をやめてしまうと、体が突然の変化に対応できず、症状が悪化することがあります。適切な治療の妨げになりますので、自分の判断で薬の使用をやめることは避けましょう。

アトピー性皮膚炎で気になる症状がある場合は、近くの病院に相談しましょう

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※当コラムは東京内科医会のご協力によって作成されています。

東京内科医会は、常に最新の医学知識を学び、最良の医療を実践する魅力を持った何かを主体に、診療を行っている医師の集まりです。

コラム監修

Thumb-upきうち内科クリニック
東京都江戸川区本一色3-39-2
院長 木内 章裕
日本内科学会認定内科医、日本老年医学会専門医、日本神経学会専門医、日本脳卒中学会専門医

Computerhttp://homepage3.nifty.com/kiuchiclinic/

木内 章裕先生
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