夏バテを改善する食事はある?夏バテが悪化するやりがちな「NG食事習慣」とは?内科医が解説

本記事では、無理してたくさん食べるのではなく、「少しの工夫で身体が楽になる」医学的に理にかなった食事のコツを解説します。
しんどい時こそ、ほんの少しの知識で夏バテの悪循環から抜け出しましょう。
医師紹介
2008年 医学部卒業、臨床研修修了後、糖尿病・内分泌内科を専門に病院勤務を行い、現在は地域の中核病院に勤務。日本内科学会認定 内科医、日本内分泌学会 認定内分泌代謝科専門医、日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医。
目次
そもそも夏バテは食事だけで改善できるの?
夏バテは、冷房による「寒暖差ストレス」「冷たいものばかり食べてしまう偏食」や睡眠不足など、複数の要因が重なって起こるため、食事だけで完全に予防・改善できるわけではありません。
しかし、夏バテが長引く最大の原因の一つは「体温変動に伴う消化機能の低下」と「特定の栄養素の枯渇」にあります。汗と一緒にミネラルが失われ、あっさりしたものばかり食べることでエネルギーを生み出す栄養素が不足すると、慢性的な疲労感に陥ってしまうのです。
つまり、食べる量ではなく「何をどう食べるか」を少し見直すだけで、だるさを大きく改善できる可能性は十分にあります。
夏バテを改善できる可能性がある食事
夏バテからの回復に欠かせない最強の栄養素が「ビタミンB1」と「クエン酸」です。
ビタミンB1は、食事から摂った糖質をエネルギーに変換し、疲労を回復させる働きがあります。豚肉、うなぎ、大豆製品などに多く含まれています。
また、梅干しやレモンなどに含まれるクエン酸は、疲労物質の排出を促すだけでなく、爽やかな酸味が唾液や胃酸の分泌を刺激し、落ちた食欲を自然に呼び覚ましてくれます。
さらに、弱った胃腸に負担をかけないよう、豆腐や半熟卵など、消化が良くて良質な「たんぱく質」を補給することも、体力を取り戻すためのポイントです。
ついつい食べがちだけど夏バテを悪化させるリスクがある食事
食欲がない時、ついやってしまうのが「毎食そうめんや冷やしうどんだけで済ませる」というスタイルです。夏バテを最も悪化させるNG行動の一つになります。
麺類などの炭水化物(糖質)ばかりを摂取すると、それをエネルギーに変えるために体内のビタミンB1が大量に消費・枯渇してしまいます。
その結果、糖質がうまく燃焼できずに、血糖値もあがりやすくなり、だるさが増すという悪循環に陥りやすくなります。 また、キンキンに冷えた飲み物や食べ物は、胃腸の血管を収縮させて血流を低下させます。
胃腸が冷えると消化酵素の働きが鈍り、せっかく食べたものの栄養を吸収できず、胃もたれや下痢を引き起こす原因にもなりえます。
辛い夏バテを無理なく乗り切るハック
しんどい時に、わざわざ手の込んだ料理を作る必要はありません。無理なく実践できる「ちょい足し」と「温め」のテクニックをご紹介します。
■麺類には「のせるだけ」で栄養アップ
どうしてもそうめんが食べたい時は、茹でた豚肉(豚しゃぶ)や納豆、ゆで卵をポンとのせるだけで、ビタミンB1とたんぱく質を同時に補えます。刻みネギや生姜などの薬味(アリシンを含む)を足せば、ビタミンB1の吸収率が飛躍的にアップします。
■朝一番に「コップ1杯の白湯」
冷房や冷たい飲み物で冷え切った内臓をリセットするために、朝起きたらまずは白湯(または常温の水)を飲みましょう。胃腸の血流が良くなり、消化酵素がしっかり働く準備が整いやすくなります。
■無理な時はスープやお味噌汁に頼る
固形物が喉を通らない時は、温かいお味噌汁や野菜スープが最適です。水分、塩分、ミネラルを一度に補給でき、胃腸にも優しく吸収されます。
まとめ
夏バテ改善のコツは、「冷たい糖質ばかり」への偏食を防ぎ、エネルギーを生み出す栄養素を補うことにあります。
食欲がない時は無理をしてたくさん食べる必要はありません。いつものそうめんに卵や納豆を一つ乗せる、飲み物を氷なしにするなど、今日からできるほんの少しの「胃腸への思いやり」が、しんどい夏を乗り切るポイントです。
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※本記事は特定の病気・症状について一般的な医学情報を解説したものであり、個々の症状や状態に対する診断・治療を保証するものではありません。症状の現れ方・原因・経過には個人差があり、記事内容がすべての方に当てはまるとは限りません。また、本記事の内容は公開日時点の医学知識をもとに作成していますが、ガイドライン・診療方針は変更になる場合があります。

