「食べてすぐ寝ると太る」は本当か?医師が教える、じつはもっと注意すべき「食事のタイミング」とは

食事と就寝の適切な間隔や、夜遅い時間に食事をとる際の工夫、食後すぐに横になることの健康上のリスクについて、用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニックの菊池真大 院長に解説してもらいました。
医師紹介
日本総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本内視鏡学会専門医、日本人間ドック健診専門医、日本病態栄養学会専門医、日本抗加齢医学会専門医。ブロッコリースプラウト研究の第一人者として英論文2本を発表し、CMにも出演。2024年秋、メタボとロコモを同時予防管理する未来志向型クリニックを東京・用賀の地に開業。
目次
「食べてすぐ寝ると太る」とよくいわれますが、本当でしょうか?
体重増加に最も大きく影響するのは、基本的には摂取したエネルギーと消費したエネルギーのバランスです。そのため、同じ食事をした人が「食後すぐ寝た」という理由だけで、急に脂肪が増えるわけではありません。

「食べてすぐ寝る」ことには、体重増加以外にも健康上のデメリットがありますか?
胸やけ、げっぷ、酸っぱいものが上がってくる感じ、喉の違和感、咳などの原因になります。

食後は胃の中に食べ物が入って胃が膨らんでいます。そのため、この状態ですぐ横になると、重力による逆流防止効果がなくなり、胃酸や胃内容物が食道へ戻りやすくなり、前述した症状があらわれやすくなります。
また、夜遅い食事が習慣化すると、食後血糖が高くなりやすいなど、糖代謝にも好ましくない影響が考えられます。
とくに肥満、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝がある方では、夕食時間まで含めた生活習慣を見直す意味があります。
夕食から就寝までは、どのくらい時間を空けるのが理想的なのでしょうか?
現実的な目安として、夕食は就寝の2~3時間前までに終えることをおすすめします。

とくに、胸やけや胃酸の逆流がある方、食道裂孔ヘルニアを指摘されている方では、できれば3時間程度空けるとよいでしょう。
ただし、「3時間空ければ太らない」「2時間以内なら太る」という明確な境界線があるわけではありません。
大切なのは、
①夕食を極端に遅くしない
②夜に1日で最も多い食事をまとめて摂らない
③食後すぐ横にならない
という3点です。
カロリーを1日の後半に集中させるより、早い時間帯に配分した方が体重には有利な傾向があります。
また、食事時間だけでなく総摂取エネルギーや食事内容も重要です。
食事から就寝まで十分な時間を空けられない場合、食べ方や食事内容で工夫できることはありますか?
「21~22時まで仕事なので、夕食を18時にしてください」という指導では長続きしません。大切なのは、その人の生活の中で実行できる方法を考えることです。

おすすめしたいのは、夕食をふたつに分ける「分食」です。
例えば18~19時頃に、おにぎり半分~1個程度と卵・豆乳・ヨーグルトなどを軽く摂り、帰宅後は魚、鶏肉、豆腐、野菜、汁物などを中心にして、炭水化物と脂質を控えめにします。
22~23時に1日分の夕食を一気に食べるより、エネルギー摂取を前に分散させる考え方です。
また、夜遅い食事では、「糖質+脂質」の重ね食いを避けることが大切です。
ラーメン+チャーハン、カレー+揚げ物、ピザ、丼物の大盛りなどは、就寝前の食事としては負担が大きくなります。
遅い時間に甘い飲料、ジュース、菓子、アイスなどを追加すると、糖質量が一気に増えてしまいます。「夕食を軽くしたからデザートは大丈夫」とは考えない方がよいでしょう。
そして、もうひとつおすすめしたいのが食後の軽い活動です。
食後すぐにベッドやソファで横になるのではなく、食器を片付けたり家事をしたり、可能であれば10分程度軽く歩くだけでもよいでしょう。
食後の運動については、食前に運動するよりも、食後なるべく早い時間帯に歩く方が食後血糖を抑えやすいといわれています。
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※本記事は特定の病気・症状について一般的な医学情報を解説したものであり、個々の症状や状態に対する診断・治療を保証するものではありません。症状の現れ方・原因・経過には個人差があり、記事内容がすべての方に当てはまるとは限りません。また、本記事の内容は公開日時点の医学知識をもとに作成していますが、ガイドライン・診療方針は変更になる場合があります。


じつは重要なのは「寝ること」そのものよりも、夜遅い時間に食べることです。
人間の代謝には体内時計があります。
夜遅い時間帯は、同じものを食べても日中より血糖値が上がりやすく、摂取した脂肪をエネルギーとして利用する能力も低下するといわれています。
最近では血糖が急上昇する「グルコーススパイク」をできるだけ抑えることを重視しています。
使い切れない糖は最終的には中性脂肪として蓄積されるため、とくに夜遅くに大量の糖質を摂取する習慣には注意が必要です。