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奥歯の痛み、じつは「狭心症」のサインかも!?医師が警告する“見逃してはいけない違和感”と発症リスクを高める生活習慣

公開日: 2026年07月30日
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階段を上ったときや急ぎ足で歩いたときに胸が苦しくなり、少し休むと治まる――。そんな症状がある場合、「狭心症」のサインかもしれません。狭心症とはどのような病気なのか、見逃してはいけないサインや発症リスクを高める生活習慣、予防のポイントについて、林外科・内科クリニックの林裕章理事長に解説してもらいました。

医師紹介

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林 裕章理事長
日本外科学会外科専門医
日本抗加齢医学会専門医
日本骨粗鬆症学会認定医
日本医師会認定産業医
日本医師会認定スポーツ医

国立佐賀医科大学を卒業後、大学病院や急性期病院で救急や外科医としての診療経験を積んだのち2007年に父の経営する有床診療所を継ぐ。現在、外科医の父と放射線科医の妻と、その人その人に合った「人」を診るクリニックとして有床診療所および老人ホームを運営しており、医療・介護の両面から地域のかかりつけ医として総合診療を行っている。また、福岡県保険医協会会長として、国民が安心して医療を受けられるよう、医療者・国民ともにより良い社会の実現を目指し、情報収集・発信に努めている。

「狭心症」とはどのような病気なのでしょうか?

狭心症は、心臓を動かす筋肉に血液を送る「冠動脈」の流れが悪くなり、心臓が一時的に酸素不足になる状態です。多くは動脈硬化で血管が狭くなることで起こりますが、血管が急にけいれんして縮む「冠攣縮性狭心症」でも起こります(※1、※2)

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狭心症の典型的な症状は、胸の中央が「押される」「締め付けられる」「重い」と感じる発作です。ただし、痛む場所は胸だけとは限りません。みぞおち、首、あご、歯、肩、左肩や左腕のだるさとして出ることもあります(※1)。

たとえば「歩くと奥歯やあごが痛くなり、休むと消える」という症状が、実は心臓から来ていることもあります。痛みが胸から離れた場所に出るのは、心臓の痛みの信号が脊髄で他の神経と“混線”するためで、これを関連痛(放散痛)と呼びます。

さらに、高齢の方や糖尿病のある方では、胸痛がはっきり出ず、息切れ、冷や汗、強いだるさだけのことがあります(※3)。狭心症が悪化すると心筋梗塞に進み、心臓の筋肉が壊死して戻らなくなったり、危険な不整脈や心不全につながったりすることがあります(※4)。

「軽い違和感だから大丈夫」と決めつけず、繰り返す場合は早めの受診が大切です。

    「狭心症」の前兆、見逃してはいけないサインはありますか?

    狭心症でよくあるサインは、「動いたときに出て、休むと消える」胸の違和感です。

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    階段を上る、坂道を歩く、急ぎ足になる、重い荷物を持つ、寒い屋外に出るなど、心臓に負担がかかったときに胸が苦しくなり、数分休むと楽になる場合は、労作性狭心症の可能性があります(※1)。

    一方で、運動とは関係なく、夜間から明け方、安静にしているときに胸が痛くなるタイプもあります。これは冠動脈が一時的に強く縮む「冠攣縮性狭心症」で、喫煙、飲酒、ストレス、睡眠不足、寒さなどがきっかけになることがあります(※2、※5)。

    昼間の検査では異常が出にくい場合もあるため、「夜だけだから様子を見よう」と考えすぎないことが大切です。

    特に危険なのは

    1. 発作の回数が増えた
    2. 以前より軽い動作で苦しくなる
    3. 安静にしていても起こる
    4. 痛みが長く続く

    といった変化です。

    これらは「安定していた狭心症が不安定になったサイン」で、不安定狭心症や心筋梗塞の前ぶれである可能性があります(※6)。

    胸の圧迫感が10〜15分以上続く、冷や汗、吐き気、強い息苦しさ、失神しそうな感じを伴う場合は、夜間でも救急受診を考えてください。迷う場合は自分で運転せず、救急要請を優先する方が安全です。

      「狭心症」の発症リスクを高めやすい生活習慣にはどのようなものがありますか?

      狭心症の大きな原因は、冠動脈の動脈硬化です。動脈硬化を進める代表的な要因は、喫煙、LDLコレステロール高値、高血圧、糖尿病、肥満、運動不足、食塩や動物性脂肪の摂りすぎ、過度な飲酒、慢性的なストレスです(※7)。

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      なかでも喫煙は、虚血性心疾患の最も重要な危険因子のひとつであり、本数が少なくても・受動喫煙でもリスクが上がるとされ、冠攣縮性狭心症の発作にも強く関係します(※5、※8)。

      意外に見落とされやすいのが、寒さと急な温度差です。冬の早朝、暖かい部屋から寒い廊下やトイレに行く、脱衣所で急に体が冷える、といった場面では血管が縮み、血圧も上がりやすくなります。

      この温度差による血圧の乱高下は「ヒートショック」と呼ばれ、入浴中の急死は交通事故死のおよそ2倍、年間1万人超と推計されるほど身近な危険です。しかも湯船につかる習慣のある日本人に多い、日本特有の問題とされています(※10)。

      胸の症状がある方は、寒い朝の急な外出や、入浴前後の温度差にも注意が必要です。

      また、女性では更年期前後に、太い冠動脈に明らかな狭窄が見つからなくても胸痛が続く「微小血管狭心症」や冠微小循環障害が問題になることがあります(※9)。

      「検査で大きな異常がないと言われたから心臓ではない」とは限りません。胸の圧迫感や息切れを繰り返す場合は、症状が出る場面や時間帯をメモして循環器内科で相談すると、診断の手がかりになります。

        「狭心症」を予防するために、今日からできる生活習慣の改善ポイントを教えてください。

        まず大切なのは、血管を傷める原因を一つずつ減らすことです。

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        禁煙は最優先です。血圧、LDLコレステロール、血糖値を健診で確認し、異常があれば放置せず治療につなげましょう。食事では、塩分を控え、肉の脂身やバターなどの飽和脂肪酸を摂りすぎないようにし、魚、野菜、大豆製品を増やすことが勧められます(※7)。

        運動は、血圧や脂質、血糖の改善に役立ちます。無理のないウォーキングなどの有酸素運動(目安として1日30分×週5日、週に合計150分ほど)を続けることです。

        ただし、すでに胸の圧迫感、息切れ、動悸、冷や汗などがある方は、運動で発作を起こすことがあります。自己判断で運動を増やす前に、循環器内科で安全性を確認してください。

        今日からできる工夫として、冬は脱衣所や浴室を温める、夜間のトイレには上着を羽織る、寒い朝は急に外に出ない・走らない、飲酒後や酔いが残る状態での入浴は避ける、睡眠不足を避ける、といったことも有効です。

        狭心症の予防は「特別な健康法」よりも、禁煙、血圧・脂質・血糖の管理、食事、運動、寒暖差対策を続けることが基本です。胸の症状がある場合は、予防より先に受診を優先してください。

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          ※本記事は、病院なび医療相談サービス「医療Q&Aなび」に一般の皆様から寄せられた健康・医療に関する相談に、医師が回答した内容を元に構成しています。回答内容は相談者からインターネット経由で寄せられた内容のみに基づき医師が回答した一事例です。通常の診察で行われるような、相談者の感じている症状・状態の詳細の聞き取りや観察などのコミュニケーションに基づく正式な診断ではなく、あくまで「一般的な医学的情報」を提供しています。症状の現れ方・原因・経過には個人差があり、記事内容がすべての方に当てはまるとは限りません。気になる症状がある場合、突然の悪化・呼吸困難・意識の変化など緊急性が高い場合は、自己判断せず早急に医療機関へご相談ください。