インフルエンザワクチンはなぜ毎年打つの?毎年接種がすすめられる理由

インフルエンザの予防接種は、毎年受けたほうが効果的です。その理由について林外科・内科クリニックの林裕章理事長の監修で解説します。
医師紹介
国立佐賀医科大学を卒業後、大学病院や急性期病院で救急や外科医としての診療経験を積んだのち2007年に父の経営する有床診療所を継ぐ。現在、外科医の父と放射線科医の妻と、その人その人に合った「人」を診るクリニックとして有床診療所および老人ホームを運営しており、医療・介護の両面から地域のかかりつけ医として総合診療を行っている。また、福岡県保険医協会会長として、国民が安心して医療を受けられるよう、医療者・国民ともにより良い社会の実現を目指し、情報収集・発信に努めている。
目次
理由1.ワクチンの効果はずっと続くわけではない
インフルエンザワクチンの予防効果が期待できるのは、接種した約2週間後から5カ月後程度(点鼻ワクチンの場合は約1年)までです。
つまり、一度接種すれば何年も予防効果が続くわけではありません。
日本では例年、12月から3月頃がインフルエンザの流行シーズンで、1月から2月に流行のピークを迎えます。そのシーズンの流行に備えるためには、毎年ワクチンを接種する必要があります。
理由2.インフルエンザウイルスは少しずつ変化している
もうひとつの理由が、インフルエンザウイルスそのものの変化です。
インフルエンザウイルスは継続的に変化しており、流行するウイルスの特徴も変わっていきます。そのため、インフルエンザワクチンも毎年まったく同じものを使用しているわけではありません。
そのシーズンにどのようなウイルスが流行する可能性があるのかを踏まえて、ワクチンに使用するウイルス株が選ばれています。
ワクチンの中身そのものが変わった例もあります。
以前の日本のワクチンは4種類のウイルスに対応していましたが、そのうちB型の1種類が2020年以降、世界中でほとんど確認されなくなりました。そのため、2025年のシーズンからは3種類に対応するワクチンに切り替わっています。
「去年ワクチンを打ったから今年も大丈夫」とはいえないのは、ワクチンの効果が時間とともに低下することに加えて、こうしたウイルスの変化も関係しているのです。
毎年打ってもインフルエンザになることがあるのはなぜ?
なお、ワクチンを接種しても、インフルエンザの発症を100%防げるわけではありません。
ワクチンの効果の程度には個人差があり、年齢やその人が持っている免疫力、これまでにかかったことのあるインフルエンザウイルスの種類、過去に接種したワクチンの回数や種類、その年のワクチンや実際に流行するウイルスの種類など、さまざまな要素が影響します。
また、ワクチンに使うウイルスの種類は、流行シーズンが始まる数カ月前に予測して決められます。予測と実際に流行したウイルスがずれた年には、ワクチンの効果が下がることもあります。
それでも、インフルエンザワクチンには発症をある程度抑え、発症した場合の重症化を防ぐ効果があります。
インフルエンザワクチンを毎年接種するのには、「効果がずっと続くわけではない」「ウイルスが変化するため、流行を予測してワクチン株が選ばれている」という理由があります。毎年の接種には、そのシーズンのインフルエンザに備えるという意味があるのです。
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※本記事は特定の病気・症状について一般的な医学情報を解説したものであり、個々の症状や状態に対する診断・治療を保証するものではありません。症状の現れ方・原因・経過には個人差があり、記事内容がすべての方に当てはまるとは限りません。また、本記事の内容は公開日時点の医学知識をもとに作成していますが、ガイドライン・診療方針は変更になる場合があります。

