ムダ毛の処理方法・特徴と注意点【医師監修】
春になり、気持ちもお肌もウキウキ気分に! お肌を露出する機会も多くなってきますので、今のうちに、ムダ毛のお手入れ方法をマスターしておきましょう。
医師紹介
目次
髪の毛の基本
毛は、毛母細胞(髪の毛の生産工場)でつくられ、皮膚の外に伸びていきます。毛髪(髪の毛)は1日平均0.35mm、1カ月で約1cm伸びます。伸びるスピードは部位によって異なり、髭は1日0.38mm、腋毛は1日0.3mm、眉毛は1日0.16mmといわれています。
毛には、軟毛と硬毛の2種類があります。軟毛には体毛(いわゆるうぶ毛)と青年期以降硬毛に変わる毛(髭、腋毛、陰毛)があり、いずれもムダ毛として処理が必要になる毛です。また、硬毛には、短毛(眉毛、耳毛、鼻毛など)と長毛(頭髪、思春期以降の髭、腋毛、陰毛)があります。短毛は、年齢とともに長くなってくる傾向があり、その場合には整えると身だしなみが良くなります。
ムダ毛の処理方法
気になる体毛や腋毛、陰毛は、正しく処理を行うと、お肌をとってもキレイに保つことができます。
【基本】
1. お肌を清潔にしてから行いましょう。
入浴後や軽く石鹸で洗ってから行います。特に、毛が水分を含んで柔らかくなっている入浴後がおすすめです。
2. お肌が敏感になっている時期は避けてください。
生理直前から生理中にかけて、寝不足や疲れがたまっている時、日焼け後は、注意が必要です。
3. 2~4週に1回行いましょう。
角質がターンオーバーで生まれ変わる2週に1回が目安です。口周りなど気になる部分は、週に1回くらいでもOKです。
4. 明るい部屋でゆっくり剃りましょう。
気持ちが焦りがちな朝やお出かけ直前は避けて、時間に余裕のある時がおすすめです。蛍光灯などの明るい照明の下で、小さな肌荒れや肌の凹凸・ニキビ・ほくろなどに剃刀の刃があたらないように気をつけて丁寧に行いましょう。鏡は、大きめの置き鏡で、両手を使えるようにすることも大切です。
5. クリームをのばして、肌を引っ張りながら剃ります。
薄く顔全体にクリームをのばしてください。そのクリームをカミソリの刃でそっと撫で取るように、カミソリをゆっくり動かします。カミソリは利き手で、強く握りしめないで軽く持つことがポイントです。反対側の手で剃る部分の肌を軽く引っ張って伸ばしながら剃ると、きれいに剃れます。カミソリにクリームがつきすぎると剃りが悪くなりますので、そのたびにティッシュの上にのせてクリームや汚れを優しく拭き取りながら使いましょう。
処理後の注意・・処理後のケアが大切!
目には見えない細かな傷がついていることが多いので、注意が必要です。すぐに入浴したり石鹸で洗ったりしないでください。
処理後にローションをつけてヒリヒリした場合は刺激が強い証拠。
すぐに水で軽く洗い流して冷やしたタオルでクーリングをすること。
ヒリヒリしなくなったら、保湿クリームでお肌を保護してください。赤い傷やぶつぶつがある場合は、必ず傷薬を塗っておくこと。赤みが数日でとれます。ほっておくと傷跡が残ったり、しみになったりします。剃った直後は、パックやエステ・日焼けは避けてください。数日たてば大丈夫です。
うぶ毛処理による効果
(1)毛がなくなり、明るい肌へ
日本人のうぶ毛は、メラニン色素を含んでいるため、黒~茶色です。うぶ毛があることにより、肌がワントーン黒ずんで暗く見えます。うぶ毛を剃ることにより、肌が明るくなり、くすみが減ります。
(2)古い角質が除去され、きめ細かな肌へ
肌のターンオーバーで古くなった角質は、皮膚表面にとどまっています。そのため角質が乱反射してくすんで見えます。また、古い角質は水分が少なく固くなっているため、きめを粗くします。肌に沿うように優しくうぶ毛を剃ることにより、不要な角質が除去され、元気なみずみずしい角質が顔を出して、肌がきめ細かくなります。
肌色が明るくなります
黒いうぶ毛がなくなり、さらに古い角質が除去されることにより、肌表面のきめが整い、明るく見えるようになります。
潤いがアップします
パサパサの古い角質がなくなることにより、元気な角質が表面に顔を出します。元気な角質は水分を吸収して潤った透明感のある肌になります。
化粧のりが良くなります
うぶ毛がないと、ファンデーションが直接肌に密着して、肌が美しくみえます。また、メイクがくずれにくくなります。
毛穴が減って見えます
肌を軽く引っ張ってうぶ毛を剃ることにより、毛が奥へ引っ込んで目立つ毛穴の数が減ります。
ムダ毛を処理にするにあたって、シェービング・抜く・除毛剤について、それぞれの特徴と注意点
シェービング
新しいよく剃れるカミソリを使いましょう。
シェービングの前に石鹸でやさしくお肌の汚れを落とします。お湯で毛に水分を含ませてやわらかくすると剃りやすくなります。ただし、肌がぬれたままだと皮膚に傷がつきやすいので、きちんと拭いてから行ってください。また、入浴中だと剃った後に雑菌がつきやすくなり、赤く炎症を起こすことが多いので、必ず入浴後に剃ることがおすすめです。
シェービング・クリームやコールド・クリームを塗って、肌のすべりをよくしてから毛の流れにそってゆっくりと剃ります。石鹸だと刺激により肌荒れがしやすくなるので使用しない方が無難です。また、ローションや乳液では、肌のすべりがよくならず傷もつきやすいので、なるべく油分を含んだクリームがおすすめです。
もう少し深く剃るときには、毛の流れと反対方向にさらに1~2回やさしく剃ります。
剃った後は、アフターシェービング・ローションやクリームをぬります。また、赤い傷ができている場合は、傷薬を塗ってください。
《特徴》
数日または1日に1回剃らなければならない。剃り口から生えた毛が太く見える場合がありますが、毛が太くなることはありせん。
抜く
石鹸でお肌の汚れをやさしく落とします。毛がぬれたままだと水分を含んで途中で切れやすいので、きちんと乾かしてから抜いてください。途中で切れると毛が埋没して、炎症を起こしたり、周りの皮膚が汚くなってしまいますので注意が必要です。
刃のかみ合わせのしっかりした電気脱毛器を使用しましょう。ワックスは、腋毛など太い毛、ジェルタイプや粘着シートタイプは手足の細かな毛を抜くのに適しています。ワックス・ジェル・シートを使用する場合は必ず毛の流れに沿ってはがしてください。
抜いた後は、ぬらしたタオルで軽く冷やして炎症をとります。赤く炎症のある部位は、傷薬を塗ってください
《特徴》
毛がなくなるため、きれいにみえます。ただし、やりすぎると毛穴が黒ずんだり広がったりして汚くなってきますので、次回は1カ月以上間をあけて抜くといいでしょう。
除毛剤
石鹸でお肌の汚れをやさしく落とします。お湯で毛に水分を含ませてやわらかくすると除毛しやすいので、入浴後がおすすめです。
除毛剤を肌の上に塗り、毛を溶かします。四肢などの比較的やわらかい毛に適しています。ただし除毛剤はパーマ液と同じチオグリコール酸が含まれており、肌への刺激がかなり強いので肌の弱い人は避けたほうがよいでしょう。心配な場合は、少量を肌にぬって赤くならないかどうか確認してから使用してください。
5~8分で毛が溶けるので、余分な薬をティッシュ等でやさしくふき取り、ぬるま湯もしくは水でていねいに洗い流します。直後に石鹸を使用すると肌を痛めるので、使用しないでください。それぞれの薬剤の使用時間や使用方法を必ず守ることが大切です。長時間塗ったままだと皮膚炎を起こしてしまうので注意を。なお、うまく除毛できていなくても。2度塗りは避けてください。炎症を起こし、肌トラブルになります。
洗い流した後に、消炎外用剤やクーリング(冷やしたタオルをあてる)で炎症をとります。赤くぶつぶつしている部分には傷薬をぬってください。カサついている部分には保湿クリームをぬります。ローションは刺激が生じるため当日は避けた方が無難です。
《特徴》
切り口が丸くて滑らかなため、生えてきた毛は自然な感じがしますが、1週間に1度くらいのお手入れが必要です。また、肌が弱い人は赤くなったりかゆくなったりしますので、使用を避けてください。
正しくお手入れをすると、きめ細かな透明感のあるお肌をキープすることができますので、ぜひ実践してみてください。