甘いもので「疲れ」を乗り切っちゃってない?疲れやすい人がやりがちなNG食習慣5【管理栄養士が解説】

じつは、毎日の何気ない食習慣が、疲れやすさの背景に関係していることがあります。今回は、疲れを招きやすい5つのNG食習慣を管理栄養士が解説します。
執筆

「食と健康に悩む人が安心して戻れる場所をつくる」をモットーに、栄養・健康分野の記事執筆を行う。延べ1,200名以上の食事相談に携わった現場経験をもとに、科学的根拠をわかりやすく日常の言葉に翻訳することを得意とする。沖縄県在住で琉球料理の普及・伝承活動も行っている。趣味は健康。
目次
疲れと食習慣の深いつながり
食事の内容やタイミングは、疲労感に大きく関わっています。私たちの体は、食べ物からエネルギーを取り出し、それをもとに「ATP(アデノシン三リン酸)」と呼ばれるエネルギー源を作り出しています。
ATPは、呼吸をする、体を動かす、脳を働かせるといった、生命活動のあらゆる場面で使われています。
食事は単に空腹を満たすものではなく、疲れにくい体を支える土台でもあります。食事の量やタイミングが乱れると、エネルギーをうまく作り出しにくくなり、だるさや集中力の低下、疲れやすさにつながることがあります。
やっていませんか? 疲れやすくなる5つのNG食習慣
では、具体的にどんな習慣が疲れにつながりやすいのでしょうか。
NG習慣① 朝食を抜く
忙しい朝は、ついコーヒーだけで済ませてしまうことや、お菓子だけで済ませてしまうこともありますよね。
しかし朝食を抜く習慣は、血糖値や体内時計が乱れにつながりやすいことが指摘されています。実際に、6日間朝食を欠食した研究では、血糖値の日内変動が不安定になりやすかったと報告されています。
こうした血糖値の乱れは、だるさや集中力の低下、気分の落ち込みなどにつながることがあります。
NG習慣② 食事の時間がバラバラ
食べる時間が毎日大きくずれると、体内時計が乱れやすくなると考えられています。1日3食が必ず良いという科学的根拠はないとされていますが、食事時間を整えることは、健康維持に役立つことがわかっています。
働き世代の日本人を対象にした大規模調査でも、頻繁な朝食抜き、間食の回数の増加、寝る直前の食事など不規則な食事習慣が、メンタル面の不調、活動量や生産性の低下と関連していることが示されています。
NG習慣③ たんぱく質が少ない食事が続く
「パンだけ」「麺類だけ」といった食事が続くと、たんぱく質が不足しがちです。たんぱく質は筋肉や内臓をつくるだけでなく、エネルギーをつくり出す酵素や、疲労回復に関わる体内物質の材料にもなっています。
そのため、不足すると疲れが抜けにくくなったり、だるさが続いたりすることがあると考えられています。
とくにやせ気味の方、20〜30代女性、60代以上の方は、たんぱく質が不足していないか、今一度振り返ってみましょう。
NG習慣④ ビタミンB群・鉄を含む食べ物が不足している
疲れやだるさが続くとき、ビタミンB1や鉄の不足が背景にあることも少なくありません。厚生労働省の調査で、若い世代でこれらの栄養素が不足しやすい傾向が示されています。
ビタミンB1は食事からエネルギーをつくり出す際に必要な栄養素で、不足すると疲労回復が遅れやすくなると考えられています。
また鉄は全身に酸素を運ぶ成分(ヘモグロビン)の材料となるため、不足すると疲れやだるさが出やすくなることが指摘されています。
次のような食材を、普段の食事で取れているか、振り返ってみましょう。
- ビタミンB1を含む食材の例:豚肉、うなぎ、玄米、大豆製品、枝豆 など
- 鉄を多く含む食材の例:赤身肉、レバー、あさり、かつお、ひじき など
NG習慣⑤ 疲れるたびに甘いもので乗り切っている
疲れたときに、甘いお菓子、飲み物や缶コーヒーで乗り切ってしまうことはありませんか?
砂糖を摂取すると血糖値が上がり、脳に素早くエネルギーが届きます。また、甘いものを食べることで、セロトニンやドーパミンなど快感や安心感に関わる脳内物質が分泌されやすくなるため、一時的に気分が上向いたように感じることがあります。
しかし、その後は血糖値が急激に下がりやすく、強い眠気やだるさ、集中力の低下につながることがあります。
血糖値の乱高下を繰り返すと、体には負担がかかりやすくなり、糖尿病などの生活習慣病のリスクにもつながります。
こうしたことから、疲れたときの甘いものは、長期的に見ると疲れやすい体を作る一因になりやすいと考えられています。
疲れにくい体を作るポイント
疲れにくい体を作るために大切なのは、習慣をほんの少し整え、長期的に栄養面を改善していくことです。まずは、できそうなことから取り入れてみましょう。
朝は“何かを食べる”を優先
朝は、体と脳を動かすためのエネルギー補給のタイミングです。忙しい日は、バナナやヨーグルト、味噌汁だけでも構いません。まずは、朝に何か口にする習慣をつくることを意識してみましょう。
たんぱく質を毎食入れる
たんぱく質は、筋肉や内臓だけでなく、疲労回復や代謝にも関わる重要な栄養素です。卵、納豆、魚、肉、大豆製品などを、一品でも毎食取り入れることを意識してみましょう。
豚肉や赤身肉、納豆などを意識すると、ビタミンB群や鉄も同時に補うことができます。
甘いものは“心の栄養補給”として考える
甘いものを「絶対に食べてはいけない」というわけではありません。大切なのは、疲れたときの“エネルギー補給”として頼りすぎないことです。
疲れ対策はきちんと食事で賄い、甘いものは「心の栄養補給」として適度に取り入れるくらいがちょうど良いでしょう。
食事時間をなるべく整える
食事の時間が不規則になると、体内時計やエネルギー代謝のリズムも乱れやすくなります。毎日完璧でなくても、「朝は食べる」「夜遅すぎる食事を減らす」など、できる範囲で整えていくことが大切です。
まずひとつ、小さな一歩を踏み出しましょう
NGな食習慣を紹介しましたが、いかがでしたか。「全部当てはまる…」と感じた方もいるかもしれません。でも完璧な栄養バランスを目指すこと、すべてを変えようとする必要はありません。
できることを楽しみながら取り入れ、疲れやすさの感じ方や体の変化に注意を向けながら取り組むことが大切です。まずは、今日、今からでも取り入れやすいことから、ぜひ試してみてください。
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