「バランスの良い食事」といわれても…!100点よりも60点でいい「完璧を目指さない」意識と整え方を医師が伝授

医師紹介
2008年 医学部卒業、臨床研修修了後、糖尿病・内分泌内科を専門に病院勤務を行い、現在は地域の中核病院に勤務。日本内科学会認定 内科医、日本内分泌学会 認定内分泌代謝科専門医、日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医。
目次
最新基準の理想は「高食物繊維・高たんぱく」。でも現実は?
5年に一度改定される国の指針「日本人の食事摂取基準」の最新版(2025年版)では、私たちの健康を守るためのハードルが少し上がりました 。
特に注目すべきは「食物繊維」と「たんぱく質」です。
- 食物繊維の目標量アップ:心血管疾患や糖尿病の予防効果を考慮し、成人男性の目標量が1日25g以上(2020年版より増量)に引き上げられました 。
- 高齢者のたんぱく質確保:筋肉量の低下(フレイル)を防ぐため、65歳以上では総エネルギーの15〜20%をたんぱく質で摂ることが推奨されています 。
しかし、現実を見ると、日本人の食物繊維の平均摂取量は13.3g程度と、目標の半分強にとどまっています 。理想をそのまま実行しようとすると、現代人にはあまりにも高い壁に見えてしまうのが実情です。
なぜ続かない?「完璧主義」が健康を遠ざける本当の理由
食事管理につまずく最大の原因は、「一度乱れたら終わり」というオール・オア・ナッシングの思考です。「昨日は飲み会だったからもうダメ」といった完璧主義は、かえって挫折を招きます。実際、体重維持がうまくいく人ほど、週を通じた食事の一貫性が高いことが分かっています。
海外の栄養学の指針でも、1食ごとの完璧さより、数日〜1週間を通じた「全体の食事パターン」を整えることが現実的であるとされています。外食でバランスが崩れた日があっても、決して落ち込む必要はありません。翌日から「いつもの健康的な型」に戻す考え方が理にかなっています。
自炊ゼロでもOK!「プラス一品」の裏技と「シン・食べる順番」
忙しい日々の中で「バランス」を整えるには、頑張って作るのではなく、賢く「足す」のが正解かもしれません。
1. コンビニ「プラス一品」ハック
買ってきたお弁当やカップ麺だけで済ませず、以下のいずれかを「1つ足す」だけで、2025年版の基準にぐっと近づけます 。
- 納豆・めかぶ:不足しがちな食物繊維を一気に補給。
- ゆで卵・ギリシャヨーグルト:手軽に良質なたんぱく質を追加。
2. 「シン・食べる順番」の徹底
「ベジファースト(野菜から)」という言葉は2025年版の指針から特定の記載が削除されましたが、これは効果が否定されたわけではなく、取るべき野菜の質や量を意識して炭水化物(カーボ)をラストにすることを意識すべきとなっています 。そのため野菜だけでなく肉や魚を先に食べる「プロテインファースト」もトレンドになっています。
やらかした翌日こそ重要!できる限り早めに体調を戻すために意識すること
食べ過ぎた翌日に「今日は何も食べない」といった長時間の完全絶食をされる方もいますが、必ずしも最適とはいえません。短期的に代謝やホルモンは変化しますが、過度な絶食はその後の過食や血糖応答の乱れにつながる可能性があります。ありきたりかもしれませんが、「水分」と「睡眠」を最優先することです。
水分は「老廃物排出」というより、脱水を防ぎつつ食事量のコントロールに寄与します。特に食前の水摂取(約500mL)は食事の摂取量を抑える効果が報告されています。また、睡眠不足は食欲を増加させるホルモン変化を引き起こしますので、十分な睡眠時間を意識することが重要です。
まとめ
食事管理で一番大切なのは、完璧さではなく「計画された柔軟性」です。
1食乱れたからと諦めず、「食物繊維やたんぱく質を意識する」「1週間トータルで整える」「コンビニで1品足す」「やらかしてしまった翌日は水分と睡眠を優先する」といった意識をもち、1つでも取り入れることが重要です。
この無理のない積み重ねが、一生モノの健康をつくります。
【参考文献】
https://e-cnr.org/journal/view.php?number=403
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12736288/
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/oby.21167
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24458353/
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