コロナ5類移行から3年、医師「依然警戒が必要」と認識する一方、患者の危機意識低下を懸念【医師547名にアンケート】

2類相当のときに求められていた感染者に対する入院勧告・就業制限、濃厚接触者の外出自粛の要請といった厳しい対応が緩和され、コロナ禍以前の生活が戻ってきた一方で、ウイルスそのものがなくなったわけではありません。
厚生労働省の発表によれば、日本国内における新型コロナウイルス感染症の報告数(定点医療機関の患者数)は、2026年6月(6/1~6/28)の1ヶ月間で10,920人。例年、夏と冬に流行する傾向があり、現在も定点当たり報告数は上昇傾向にあります。
かつてほどの脅威・感染拡大こそないものの、依然警戒が必要な感染症であると言えるでしょう。
そこで今回、病院なび MediQAで医療現場における新型コロナウイルスへの意識・対応の変化についてアンケートを実施。5類に移行して3年経ち、感染症に対する医師・患者それぞれの認識などについてどのような変化があったのか、現役医師547名の回答を集めました。
目次
【調査概要】
調査対象 | Doctors Square登録会員医師 |
|---|---|
調査方法 | インターネットアンケート |
調査期間 | 2026年6月16日(火)~ 6月25日(木) |
有効回答数 | 547名 |
配信対象属性 | 全国の病院、診療所の勤務医及び開業医 |
6割弱の医師がコロナは依然警戒が必要な感染症と認識

感染拡大当初は未知のことも多く、医師・患者ともに多大な不安を抱いていた新型コロナウイルスという感染症ですが、5類感染症移行から3年が経ち、その認識はどう変化したのでしょうか。
医師の回答全体では「高齢者・基礎疾患のある方などハイリスク患者には依然として危険」が52%で最も多く、「年齢・リスクにかかわらず、誰にとっても危険な疾患である」(7%)と合わせると6割弱という結果になりました。
・高齢者は重症化リスクと死亡することがある事を認識してほしい(内科)
・弱毒化しているが、リスキーな患者さんには注意を要するため、院内感染には注意と話しています(整形外科)
・コロナでは年間3万人程度死亡しており、インフルエンザとは全く異なる疾患と説明しているが、ハイリスク患者の反応は低い(循環器内科)
などのコメントもあり、過半数の医師はいまだコロナを警戒するべき感染症と見ているようです。
患者の危機意識の低下を懸念する声が多数、一方で理解を示す医師も

医師の認識とは対照的とも言えるのが、(医師から見た)患者のコロナに対する意識・行動です。
8項目から複数選択してもらった結果、「感染への危機意識が低下した」と回答した医師が67%でもっとも高く、次いで「マスクの着用率が下がった」(64%)、「検査を希望する患者が減った」(46%)となりました。
・市中では感染への警戒は皆無で、新たな感染症の輸入リスクも含め無防備な感じが否めない(循環器内科)
・熱があっても通常診察と同じように来院してくる。感染症としてのイメージがなくなってきている(内科)
など危機感の薄さを懸念するコメントも多く寄せられました。一方で、医師のコメントの中には、コロナは「一般の人には風邪やインフルと同じ」扱いになっているという意見を示すものも複数あり、診察においても特別視しないケースもあるようです。
・現役世代にとってはインフルエンザと同等の病気になりつつあるようです。ただし、高齢者にとっては依然として重症化の可能性がある病気です(内科)
・インフルエンザなどの通常感染症と同じ感覚で対応しています(消化器内科)
・一般の上気道感染症と同じように考えています(内科)
医師・患者間の認識のギャップを認識して適切な対策を
今回のアンケートでは、5類移行から3年が経った現在でも、医師の6割弱は依然「ハイリスク患者には危険な感染症」と認識していることがわかりました。
一方、患者側では危機意識やマスク着用率の低下を懸念する声が目立つなど、医療現場と世間のコロナに対する認識にはギャップもあるようです。
ここ数年、新型コロナウイルス感染症は夏に流行する傾向があります。「一般的にはインフル並み」という受け止めが広がりつつある今だからこそ、高齢者や基礎疾患のある方への配慮は忘れずに、引き続き適切な対策を行っていきましょう。
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