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コロナ5類移行から3年、検査・治療体制が充実の一方患者負担とのバランスに苦慮【医師547名にアンケート】

公開日: 2026年08月03日
更新日: 2026年08月06日
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2023年5月に日本で新型コロナウイルス感染症が感染症法上の「5類感染症」へ移行してから、約3年が経ちました。

2類相当のときに求められていた感染者に対する入院勧告・就業制限、濃厚接触者の外出自粛の要請といった厳しい対応が緩和され、コロナ禍以前の生活が戻ってきた一方で、ウイルスそのものがなくなったわけではありません。

厚生労働省の発表によれば、日本国内における新型コロナウイルス感染症の報告数(定点医療機関の患者数)は、2026年6月(6/1~6/28)の1ヶ月間で10,920人。例年、夏と冬に流行する傾向があり、現在も定点当たり報告数は上昇傾向にあります。

かつてほどの脅威・感染拡大こそないものの、依然警戒が必要な感染症であると言えるでしょう。

そこで今回、病院なび MediQAで医療現場における新型コロナウイルスへの意識・対応の変化についてアンケートを実施。5類に移行して3年経った現在のコロナ検査、ワクチン接種、抗ウイルス薬の処方状況について、現役医師547名の回答を集めました。

【調査概要】

調査対象

Doctors Square登録会員医師

調査方法

インターネットアンケート

調査期間

2026年6月16日(火)~ 6月25日(木)

有効回答数

547名

配信対象属性

全国の病院、診療所の勤務医及び開業医

5類移行から3年でコロナの検査体制は着実に整う

5類移行から3年でコロナの検査体制は着実に整う

新型コロナウイルス感染症が2類相当だった当時、検査能力や感染対策の観点から検査対象が限定されていました。その後、検査体制の拡充や抗原検査の普及が進み、現在は必要に応じて比較的容易に検査を受けられる体制へと変化しています。

今回のアンケートでも、コロナの検査体制については、全体の6割超(64%)が「必要に応じて適切に実施できている」を選択し最も多い結果となりました。

「検査コスト・体制の問題で、十分に実施できていない」はわずか4%にとどまります。

また、5類移行後のコロナ診療の負担感について聞いた設問では、38%が「大きく軽減した」、30%が「やや軽減した」を選択し、「軽減した」と回答した医師は全体の7割弱を占めています。

5類移行から3年が経ち、コロナの検査体制が着実に整っていることがうかがえます。

「抗ウイルス薬は重要」だが患者負担への説明が必要

「抗ウイルス薬は重要」だが患者負担への説明が必要

コロナ患者に対する抗ウイルス薬(パキロビッド、ゾコーバ、ラゲブリオなど)の処方状況についても聞きました。

直近1年間でコロナウイルス感染症患者を診察した334名の医師のうち、26%は「適応のある患者には積極的に処方している」と答えました。

一方で、「処方する」と回答しながらも「患者の希望や状況に応じて判断」(35.4%)したり「処方前に患者に費用を説明・確認する」(32.7%)と回答した医師も3割を超えています。

最も安価なエンシトレルビル(商品名「ゾコーバ」)でも、1回の治療費はおよそ1万5000円※となります。そのため、薬剤の費用について患者さんに説明したり、患者さんの希望を聞いてから処方する、というステップを必要としているようです。

コロナウイルス感染症が「ハイリスク患者には依然として危険」であると半数が回答している点、および「抗ウイルス薬の投与が重要」(感染症内科)という意見がある点を踏まえると、治療において抗ウイルス薬の役割が重要であるものの、患者負担とのバランスに苦慮している姿がうかがえます。

・抗ウィルス薬を内服して、後遺症の発症を限りなくゼロに近づけたいのだが、抗ウイルス薬の薬価が高すぎて、公費補助の出る高校生より上の年齢層には勧めにくい。抗ウイルス薬の重要性を公共で啓蒙してほしい(内科)

・多感染することで後遺症が積み増す疾患であるのでとにかく感染しないようにすることが大切。また感染したときは抗ウィルス薬の治療を強く勧める

・薬価を下げていただくと、もう少しコロナ治療薬を処方しやすいと感じます(内科)

「薬を使ってしっかりと治したい」と考えているなら、患者さんのほうから「抗ウイルス薬の処方をお願いしたい」と伝えると、医師も安心して処方できるかもしれません。

※5日間・計7錠の服用・3割負担の場合

4割を超える医師が現在もワクチン接種を推奨

4割を超える医師が現在もワクチン接種を推奨

2021年2月に医療従事者への先行接種が始まり、同年春から一般向けの大規模接種が本格化したコロナワクチン。接種開始当初は公費による無料接種でしたが、2024年3月31日に「特例臨時接種」が終了して以降は、原則有料となっています。

厚生労働省によると、特例臨時接種期間中の接種率は、1回目が80.3%、2回目が79.4%、3回目が67.0%でした。その後は公費接種の終了などもあり、追加接種を受ける人は減少傾向にあります。

【参考】特例臨時接種期間における新型コロナワクチンの接種回数について(厚生労働省)

今回のアンケートで、現在のコロナワクチン接種の推奨状況について尋ねたところ、「ハイリスク患者(高齢者・基礎疾患のある方)には勧めている」が35%と最も多く、「全ての患者に勧めている」(6%)を合わせると、4割を超える医師が現在もワクチン接種を推奨していることがわかりました。

・災いは忘れた頃にやってくるので、リスクのある方はワクチン接種に努めてほしい(内科)

・特に高齢者では重要な病気なので流言飛語に惑わされずワクチンを打つこと(呼吸器内科)

・インフルエンザと同様に新型コロナもワクチン接種が大事(内科)

などのコメントも寄せられており、新型コロナを取り巻く状況はコロナ禍から大きく変化した一方で、重症化リスクの高い人を守るためのワクチン接種は、今なお重要な感染対策のひとつと考える医師が少なくないようです。

検査・治療・予防が行き届く仕組みづくりが引き続き求められる

5類移行から3年、検査体制は着実に整い、負担感も軽減した一方で、抗ウイルス薬は薬価の高さから処方をためらう医師も少なくありません。ワクチンについても、公費接種終了後は普及率が落ち着きつつも、4割超の医師がハイリスク患者への接種を今なお推奨しています。

制度や意識が「日常」へと移行する中、必要な人に必要な検査・治療・予防が行き届く仕組みづくりが引き続き求められそうです。

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※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※2026年8月6日更新:より適切と思われるグラフに修正し、以降のコメントを修正しました。