筋トレとゲートボールで認知症リスクが最大74%減少か。高齢者約5,000人を対象にした調査で明らかに

ウォーキングやゴルフなど他の運動では、同様の関連は見られなかったといいます。研究成果は2026年8月、Geriatrics & Gerontology International誌に掲載されました。
高齢者5,074人を4年間追跡、認知症発症リスクがゲートボールで32%、筋トレで74%減少
研究チームは、茨城県笠間市に住む65歳以上の高齢者5,074人(平均年齢73.0歳、女性52.3%)を対象に、17種類の運動への参加状況を調査したうえで最長4年間追跡し、この間に430人(8.5%)が認知症を発症しました。
そのうえで、参加者数が150人以上いた5種類の運動――自重トレーニング、ウォーキング、ゲートボール、ゴルフ、筋力トレーニング(※)について、年齢や教育歴などの要因を調整したうえで、認知症発症との関連を解析。
解運動をしない人と比べて、ゲートボール参加者の認知症発症リスクは32%低く、筋力トレーニングの参加者では74%低いことが分かりました。
一方、自重トレーニングやウォーキング、ゴルフでは統計的に有意な関連は確認されませんでした。
※原文では「calisthenics, walking, Japanese croquet, golf, and strength exercise」と記載
運動協調性や社会的な交流、脳への血流増加などが予防に寄与か?
研究チームは、ゲートボールは味方との位置取りや戦略判断など複雑な運動協調性や社会的な交流を伴う点が、筋力トレーニングは脳への血流増加や神経保護物質の分泌を促す点が、それぞれ認知症予防に寄与している可能性があると考察しています。
ただし追跡期間が4年と比較的短く、単一地域の住民を対象にしている点、参加運動が自己申告に基づく点などは今後の課題として挙げられています。
日本では高齢化の進展に伴い認知症の人の数が今後さらに増えると見込まれており、誰もが実践できる予防策への関心は高まっています。
今回の結果は、ウォーキングのような有酸素運動だけでなく、筋力を使う運動や、仲間と交流しながら行う競技性のある運動にも独自の効果がある可能性を示した点で注目されます。
ゲートボールは全国の公園や体育館で気軽に参加できる競技として高齢者に親しまれており、筋力トレーニングも自治体の介護予防教室などで取り入れられるケースが増えています。
研究チームは、運動の種類によって得られる効果が異なる可能性を踏まえ、今後は複数の地域を対象にしたより大規模な追跡調査で今回の結果を検証する必要があるとしています。
■執筆:鈴木 博子(すずき ひろこ)
ライター・編集者。早稲田大学政治経済学部卒。医療・健康分野を中心に、医師や医療従事者へのインタビュー記事、専門家監修記事、書籍などを手がける。これまでに医療従事者を1,500人以上取材し、Web記事3,000本以上、書籍約30冊を執筆。企画、取材、構成、執筆、編集まで一括して対応する。現在は埼玉県と長野県で二拠点生活を送りながら、定期的にインドを訪れ、ヨガとアーユルヴェーダの学びを深めている。
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