「階段を上る人」は心血管死亡リスクが39%低い…48万人の研究でわかった意外な健康効果

英ノーリッチ医科大学などの研究チームによるもので、エレベーターやエスカレーターに頼りがちな現代人に向けて、身近な運動習慣の効果を裏付けるデータとなりました。
階段を上る習慣の有無で、血管疾患による死亡リスクに39%の差
研究チームは1,873件の関連研究の中から、階段昇降と心血管の健康との関連を調べた9件の研究(対象者計48万479人)を選び出し、メタ解析を実施しました。
このうち心血管死亡と全死因死亡を扱った5件(対象者計45万5,619人)のデータを統合したところ、日常的に階段を上る習慣がある人は、そうでない人に比べて心血管疾患による死亡リスクが39%、あらゆる原因による死亡リスクが24%、それぞれ低いことが判明しました。
心筋梗塞や脳卒中、心不全の発症リスクの低下も確認されています。
「階段を選ぶ」という積み重ねが健康寿命を伸ばす可能性
世界保健機関(WHO)は成人に対し、週150分以上の中強度の有酸素運動を推奨していますが、忙しい日常の中でまとまった運動時間を確保するのは容易ではありません。
今回のメタ解析で対象となった研究には、心筋梗塞や末梢動脈疾患の既往がある人を含むものもあり、健康な人だけでなく心血管疾患のリスクを抱える人にとっても、階段昇降が有用な選択肢となりうることを示唆しています。
通勤や買い物の合間にエスカレーターやエレベーターの代わりに階段を選ぶといった小さな積み重ねが、長期的には健康寿命の延伸につながる可能性があります。
ジム通いや本格的な運動習慣を続けるのが難しいと感じている人ほど、まずは階段を選ぶことから始めてみる価値がありそうです。
【出典】
Paddock S, et al. "Evaluating the Impact of Stair Climbing on Cardiovascular Risk Reduction: A Systematic Review and Meta-analysis." American Journal of Cardiovascular Drugs. 2026年8月13日.
■執筆:鈴木 博子(すずき ひろこ)
ライター・編集者。早稲田大学政治経済学部卒。医療・健康分野を中心に、医師や医療従事者へのインタビュー記事、専門家監修記事、書籍などを手がける。これまでに医療従事者を1,500人以上取材し、Web記事3,000本以上、書籍約30冊を執筆。企画、取材、構成、執筆、編集まで一括して対応する。現在は埼玉県と長野県で二拠点生活を送りながら、定期的にインドを訪れ、ヨガとアーユルヴェーダの学びを深めている。
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