お医者さんと治そう 慢性頭痛

[片頭痛について/おがわ脳神経外科クリニック]

片頭痛について

おがわ脳神経外科クリニック

患者さんへのメッセージ

院長 小川 裕行 先生

寝て治さず、我慢もしないでください。
薬を上手に服用して、出来るだけ少ない服用量で頭痛が消えるようにしていきましょう。
服用の適切なタイミングはご自身にしか解りません。
そのタイミングを理解できるように導くのが医者の仕事だと思っています。
当院で投薬している10歳の子どもさんでも「いいタイミングで飲むとスカッとする」と片頭痛を上手にコントロールしています。
頭痛は根治できないからこそ、上手に付き合っていきましょう。

片頭痛の症状について教えてください
片頭痛は「つらい頭痛」であり、多くの方が、動くと症状がひどくなるため「横になって静かにしていたい」と思っています。一般的な症状として、ズキズキと脈打つような強い痛みが数時間から3日間ほど続き、頭痛に伴って、吐き気がしたり、光や音に過敏になったりする随伴症状があります。
しかし若い頃から頭痛持ちの方は、頭痛自体が日常生活の一部と思い込んでいることもあり、「我慢すればなんとかなる」「他の人も同じ」と頑張って仕事をするなどして、我慢している方が大勢いらっしゃいます。そういった患者さんに「何もしなくていいならどうしたいですか?」とお聞きすると決まって「静かな暗い部屋で横になって休んでいたい」と答えます。
当院では「頭が痛い」と言って来院された患者さんの約9割が片頭痛というデータがあります。また、「めまい」や「ふらつき」を訴える患者さんの多くも片頭痛が原因のことがあります。

片頭痛の治療についてお聞かせください
片頭痛は、血管の拡張と神経の炎症が原因でおこると言われており、それらを抑える働きのあるトリプタン製剤という片頭痛専用の薬を適切なタイミングで服用します。「痛み」に対する治療によく使われる鎮痛薬は、痛みの伝達を抑制するものの、片頭痛の原因である血管の拡張に直接作用するものではありません。それに対し、トリプタン製剤は過度に拡張した脳血管を収縮させ、また神経性の炎症を抑えます。ほとんどの場合トリプタン製剤を適切なタイミングで服用すれば、1時間で完全に頭痛が消えます。しかしこの「適切なタイミング」というのが難しく、頭痛がひどくなってから服用しても薬の効果を発揮できません。
私はよく、頭痛を富士山に例えます。大勢の人は富士山を見るときに、「今日は雲がかかっているな」「今日は雪化粧している」などと頂上付近しか見ていません。実は、富士山の裾野はずっと遠くから始まっています。この裾野が大事なのです。頭痛の裾野をご自身で理解して、その段階でトリプタン製剤を服用することができるかどうかが、頭痛をコントロールできる鍵となります。
いかに一回の服用で痛みを消失できるかが、薬の量を減らしたり、薬物乱用頭痛にならないためにも非常に大事なことです。そのため、頭痛の初期症状を患者さん自身に解ってもらえるように導くのが私の役割だと思っています。

トリプタン製剤には副作用はありますか?
患者さんの中には、ねむけ、体がだるい、吐き気、口が渇く、頻尿になるなどの副作用がでることがあります。
数種類のトリプタン製剤がありますので、副作用が出た場合には他のトリプタン製剤を処方します。
副作用がでることを恐れて薬を飲み遅れることによって、頭痛を上手くコントロールできなくなるため、患者さんに最も合う薬を選んで処方し、きちんと服用してもらうことも大切です。
おがわ脳神経外科クリニック・院長 小川裕行先生おがわ脳神経外科クリニック
三重県津市一身田上津部田1414-1
TEL:059-221-0234
http://www.ogawa-clinic.jp/
院長 小川 裕行

「慢性頭痛」は立派な病気です。頭痛の専門医に診てもらえれば、痛みをコントロールすることができます。
「頭痛で病院にいくなんて・・・」などと思わずに、日常生活に支障がでる頭痛があれば、我慢せずに頭痛外来を受診しましょう。