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お医者さんと治そう 慢性頭痛

[慢性頭痛それぞれの症例/A子さん]

慢性頭痛それぞれの症例

片頭痛のA子さん

症状

ズキズキと脈打つような痛みが月に4回位起こる
痛みに伴って吐き気がする
体を動かすと痛みがひどくなる
頭痛のときは、いつも我慢して仕事をしている
本当は、痛みがある時は、TVを消した暗い部屋でじっとしていたい


医師の診断

A子さんは「片頭痛」であると診断します。片頭痛は、ズキズキと脈打つような強い痛みが月に1~2回、多い人では週に1~2回発作的に起こり、数時間から3日間ほど続くのが特徴です。
頭痛に伴って、吐き気がしたり、光や音に過敏になったりする随伴症状があると言われています。
体を動かすと痛みがひどくなるため、片頭痛発作が始まると、「静かな所で横になって休んでいたい」と思う方がほとんどです。
頭痛が起こる「前兆」として、約10~20分間、視界がチカチカしたりギザギザした模様が広がって、ものが見えにくいといった症状「閃輝暗点(せんきあんてん)」が出る場合もあります。


片頭痛の治療

片頭痛は、血管の拡張と神経の炎症が原因でおこると言われており、それらを抑える働きのあるトリプタン製剤という片頭痛専用の薬を適切なタイミングで服用します。
トリプタン製剤だけでコントロールができない頭痛に関しては、上手に鎮痛薬を組み合わせて使っていきます。

≪トリプタン系薬剤≫

トリプタン系薬剤は、1997年3月に英国で承認され、日本では2000年に注射薬が、2001年に経口剤が、医師の処方により使用できるようになりました。トリプタンは炎症を抑えるだけではなく、痛みの元となる神経伝達物質をブロックし、根本的に頭痛を消失させるお薬です。痛みを増強する原因となっている拡張した血管を正常な太さに収縮させる働きも持っているため、頭痛の発作が起こってから早いタイミングで服用することができれば大変高い効果を発揮します。

≪解熱鎮痛薬≫

鎮痛薬は炎症を抑える作用が主で、ピリン系と非ピリン系などに分類されます。いずれも緩和な鎮痛作用を示します。服用タイミングが遅れ、トリプタン製剤だけで痛みがとれない頭痛に関しては、鎮痛薬を組み合わせて服用する場合があります。


自分でできる予防法

片頭痛の誘因は人によって違います。自分にとっての片頭痛の誘因が何であるのかを知って、それを避ける工夫が大切です。
以下に、一般的によく知られている片頭痛の誘因を整理しました。
まぶしい光やうるさい音を避ける
明るい光やうるさい騒音などが、頭痛を引き起こす誘因になることもあります。
また、こうした刺激が頭痛をひどくすることもありますので、光や音の刺激をできるだけ避けましょう。
生活習慣改善による治療
生活習慣における誘因として、例えば、睡眠不足、睡眠過多、ストレス、長時間の一定姿勢の保持、過剰なアルコール摂取などがあげられます。
ストレスからの解放
日常生活の過剰なストレスから一気に解放されて緊張がゆるんだ時にも頭痛が起こりやすいため、休日の朝などに睡眠をとりすぎると、片頭痛が起こることが多くなります。
普段からストレスをためず生活のリズムを保ち、よい精神状態を保つことが大切な予防法です。
食べ物が誘因で頭痛に・・・
特定の食べ物をとると頭痛が起こることもあります。たとえば、ワインやチョコレート、ウィンナーなどは頭痛を引き起こすことがあります。誘因となる場合には、極力食べるのを控えたほうがよいでしょう。

「慢性頭痛」は立派な病気です。頭痛の専門医に診てもらえれば、痛みをコントロールすることができます。
「頭痛で病院にいくなんて・・・」などと思わずに、日常生活に支障がでる頭痛があれば、我慢せずに頭痛外来を受診しましょう。