[慢性頭痛それぞれの症例/E夫さん]
慢性頭痛それぞれの症例
群発頭痛のE夫さん
●症状
目の奥をキリでえぐられるような痛みが1~2時間ぐらい続く
1ヶ月間毎日、だいたい決まった時間に痛みが起こる
痛みが酷く、じっとしていられない
激しく動くと痛みが和らぐ
痛みに伴って、涙や鼻水がでる
●診断
E夫さんは「群発頭痛」と診断します。群発頭痛の症状は、「キリでえぐられるような痛み」と表現されるような激しい痛みであることが特徴です。この痛みは1~2時間続き、その後自然に治まります。しかし、主に睡眠中に起こる激しい痛みのため、眠ること自体を恐怖に感じている方も少なくありません。
痛みに伴って、涙が出たり、まぶたの垂れ下がりや腫れ、鼻水・鼻づまりなどの症状がでます。片頭痛が女性に多いのと対照的に、群発頭痛は20~30歳代の男性に多いことも特徴です。
群発頭痛の痛みの発作は、一旦起こり始めると、1~2ヵ月間毎日、頭痛発作が続きます。このような痛みの発作は1~2ヵ月過ぎると、まったくなくなりますが、通常は半年から2~3年後に同じような痛みが起こります。
●治療法について
群発頭痛の治療法は、発作時の痛みを改善する治療と、発作そのものを起こりにくくする予防的治療の2種類があります。
≪発作時の治療≫
発作が起きてから病院に行く場合には、トリプタン製剤の皮下注射が速効性もありよく効きます。以前は病院に行って注射してもらうほか方法はありませんでしたが、現在は自己注射が保険適用されています。 また、発作時の痛みには酸素吸入も有効です。
≪予防的治療≫
群発期はほぼ毎日同じ時間に発作が起こり、痛みが非常に強いことから、予防薬(医師の処方が必要)を使用します。ただし発作を起こりにくくすることはできても、完全に防ぐことはできません。
●自分でできる予防法
群発頭痛は、発作を助長する要因を取り除くことが大事です。
群発期の飲酒は発作を誘発するため、アルコールは一切避けましょう。ただし群発期が終われば、飲酒は可能です。入浴の際に発作が起こることもあるため、熱いお湯につからずにシャワーで済ませるなどの注意も必要です。