[慢性頭痛それぞれの症例/C夫さん]
慢性頭痛それぞれの症例
緊張型頭痛のC夫さん
●症状
頭をギューっとしめつけられるような鈍い痛み
肩や首がこっている
毎日痛みがある
仕事や家事には大きな支障はない
●医師の診断
C夫さんは「緊張型頭痛」と診断します。緊張型頭痛は、頭の周りを何かで締めつけられるような鈍い痛みが特徴です。また、肩や首の強いこり、めまい、全身のだるさなどを伴うこともあります。子どもから高齢者までどの年齢層でもおこり、ときどき頭痛がするタイプ(反復性緊張型頭痛)と、毎日のように頭痛が続くタイプ(慢性緊張型頭痛)とがあります。
緊張型頭痛の誘因
緊張型頭痛は、身体的ストレスと精神的ストレスがいくつも重なることによって起こると考えられています。
身体的ストレスとは、たとえば上半身を前かがみにしたパソコン操作や、就寝時の合わない枕など、不自然な姿勢を長い間続けることや、体の冷えなどがこれに当たります。このような状態が続くと、首筋から肩にかけての筋肉が収縮し、こった状態になり、頭痛を誘発します。
家庭内でのトラブルや仕事がうまくいかないなどの精神的ストレスも、神経や筋肉の緊張を高め、頭痛の誘因となります。
●緊張型頭痛の治療について
ときどき緊張型頭痛が起こる「反復性緊張型頭痛」では、肩や首の筋肉をおさえると痛みを感じるような場合に鎮痛薬によって痛みが軽減することもありますが、通常は、とくに治療を必要としません。頭痛が起こったときには、適度に体を動かして筋肉をほぐしたり、マッサージや入浴によって血行を促すようにしましょう。
一方、痛みが毎日のように続く「慢性緊張型頭痛」は、鎮痛薬を使用してもあまり効果はありません。しかし、痛みが続くため毎日のように鎮痛薬を服用することにより、薬物乱用頭痛を起こしてしまう人もいらっしゃいます。
あくまで薬は一時的に使用するものと考えてください。薬だけでは根本的な解決には至りません。日頃から筋肉が過度に緊張しないように、自分に合ったリラックス方法を見つけ習慣化することが大切です。
●自分でできる予防法
緊張型頭痛を予防するためには、心身のストレスを上手に解消することが大切です。日頃から適度な運動を心がけ、同じ姿勢を続けないように心がけましょう。仕事や勉強で長時間、机の前に座りっぱなしのことが多い人は、1時間に1回は休憩をとり、背すじを伸ばすなどして筋肉をほぐすように努めましょう。ウォーキングやストレッチといった軽い運動を習慣化し、ゆったりとしたリラックスの時間をもつことが何よりの予防法であり、治療法でもあります。