お医者さんと治そう 慢性頭痛

[慢性頭痛それぞれの症例/D子さん]

慢性頭痛それぞれの症例

薬物乱用頭痛のD子さん

症状

毎日頭痛がするので鎮痛薬を飲んでいるが、2回に1回は薬が効かない
頭痛が起こるとつらいので、頭が痛くなる前に薬を飲んでしまう
朝起きた時から頭痛がする
15歳くらいから月に2~3回頭痛がおこっていた


医師の診断

D子さんは「薬物乱用頭痛」の疑いがあります。もともと何らかの頭痛(片頭痛や緊張型頭痛など)の症状がある人が、頭痛薬の飲み過ぎにより、かえって頭痛が悪化した状態を薬物乱用頭痛といいます。市販鎮痛薬でも起こりますが、医師から処方された薬でも起こります。
「朝起きた時から頭痛がする」「以前は効いていた頭痛薬が効かなくなってきた」などの症状がある方は、薬物乱用頭痛の可能性があります。


治療法について

まずは薬物乱用頭痛の原因となった薬を中止します。同時に、きっかけになった頭痛に合った頭痛予防薬を服用して、元の頭痛そのものも治療します。
薬をやめた直後は、反跳頭痛といって3日~1週間ほどつらい頭痛が続くことがありますが、この時期は、乱用の原因となった薬とは別の鎮痛薬などを使用して乗り切るようにします。また、頭痛ダイアリー(※)を記録して、ご自分の頭痛を理解してもらい、治療の過程や効果を医師とともに確認しながら治療を進めていくことも大切です。

※頭痛ダイアリー

頭痛の起こった日時、どのような痛みか(脈打つようか、締め付けられるようか、など)、頭痛はどれくらい続いたか、吐きけや光・音・匂いなどが気になったか、薬を飲んだかどうか、などを記載します。
ご自分がどんなときに、どのような頭痛に悩まされるかが理解できるとともに、治療を行う医師にも頭痛の情報がきちんと伝わります。

「慢性頭痛」は立派な病気です。頭痛の専門医に診てもらえれば、痛みをコントロールすることができます。
「頭痛で病院にいくなんて・・・」などと思わずに、日常生活に支障がでる頭痛があれば、我慢せずに頭痛外来を受診しましょう。