耳掃除の正しい方法と適切な頻度とは?:【医師監修】耳掃除のやり過ぎは耳の病気のもと?!
耳掃除が大好きという人は少なくありません。毎日耳掃除をしているという人も多いと思います。耳の穴には迷走神経という副交感神経が走っていて、この神経には体をリラックスさせる作用があります。耳掃除が気持ちよい理由が分かりますね。
しかし、耳掃除をし過ぎて耳の中を傷つけることなどが原因で、外耳炎など耳の病気になってしまうこともあるのです。
正しい耳かき・耳掃除のやり方を知って、耳の病気を予防しましょう。
そもそも耳垢(じこう・みみあか)って何?

耳垢とは、新陳代謝で古くなった外耳の皮膚の一部や、耳に入ったホコリ・ゴミ、さらに皮膚から分泌される液体によってできています。
耳垢には、“乾燥してカサカサするタイプ”と“ねっとりと粘性のあるタイプ”があり、日本人は“カサカサしているタイプ”が多いと言われています。
耳垢の働きには良い面と悪い面があります。
■良い面
・含まれている脂肪によって、外耳の皮膚の潤いを保っていること
・抗菌作用があること
■悪い面
・耳垢が多いと外耳道を詰まらせて、聞こえにくくなること
耳掃除をして耳垢を取った方がいい?
外耳道には、顎を動かすことなどで耳垢を自然に排出させるシステムがあるため、耳掃除は必要ないと主張する医師もいます。
しかし一般的には、耳掃除を全くしないと「耳垢塞栓(じこうそくせん)」といって、耳垢で耳の奥がふさがれてしまう病気になる可能性があると言われています。耳垢塞栓は綿棒で掃除をする時に、誤って耳垢を奥に押し込んでしまうことが繰り返されることによって起きることもあります。
また耳垢を取り過ぎると、外耳は乾燥しやすくなり、カビや細菌が繁殖することで慢性的に炎症を起こすことがあります。これを、「慢性外耳炎」と呼びます。
正しい耳掃除の方法を知って、耳の病気を防ぎましょう。
正しい耳掃除の方法。耳掃除のやり過ぎは禁物!

- ●耳掃除は月2回まで
- 耳掃除は、2週間に1度程度で十分です。毎日掃除をしていた方は、がまんして2週間に1度程度に抑えましょう。
- ●掃除するのは、入り口から1センチが目安
- 耳垢を鼓膜の方へ押し込んでしまうと、鼓膜自身を傷つけることがあります。耳の穴(入口)から1cmぐらいの所で耳垢を取るようにしましょう。
- ●外耳の壁面を強くこすらない
- 耳かきや綿棒で耳垢をとろうと強くこすってしまうと、外耳の皮膚を傷つけて外耳炎を起こすことがあります。力任せに外耳の壁面をこすることはやめましょう。また、全ての耳垢を取りきらないようにしましょう。
こんなときは耳鼻咽喉科を受診しましょう
- ●外耳が痛い、腫れている
- 外耳が痛くて腫れている場合には、外耳炎の可能性があります。できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。
- ●耳が急に聞こえなくなった
- 他の疾患がないのに、急に耳が聞こえにくくなったという場合には、耳垢が鼓膜をおおっている場合があります。また、中耳炎や鼓膜が炎症を起こしている場合にも耳が聞こえにくくなります。耳鼻咽喉科を受診して耳の状態を確認してもらいましょう。
- ●子どもがよく耳を触る
- 中耳炎は、子どもがかかりやすい耳の病気のひとつです。言葉を話せない赤ちゃんが盛んに耳を触っている場合には耳が痛い可能性があります。
- ●耳掃除がうまくできない
- 耳の穴の形によっては耳掃除ができにくい人がいます。また、中には耳掃除が嫌いな人もいるでしょう。時間がたって固まった耳垢は、素人では取れません。
- ●子どもの耳掃除
- 子どもの耳掃除を行う場合には、耳を傷つけて外耳炎になってしまうケースが多く、耳鼻咽喉科で行った方がよいかもしれません。
耳掃除は至福の時間ですが、やり過ぎは禁物。耳掃除で耳の病気にならないように気をつけましょう。

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