花粉症は治る?!4ヶ月で症状改善 ~ 舌下免疫療法体験者インタビュー ~

花粉症検査

毎年多くの人を悩ませる花粉症。現在、日本では4人に1人が、なんらかの花粉にアレルギーを持っていると言われています。8種類ほどある主な花粉症の中でもスギ花粉に対するアレルギーを持つ人が最も多く、その数は1500万人以上と言われ、花粉症アレルギーを持つ人の約半数はスギ花粉症であることになります。

スギ花粉症を根治する可能性がある舌下免疫治療法の薬が保険適用に

シダトレン

花粉症の治療は、大きく分けて薬物療法・アレルゲン免疫療法・手術療法の3つがあります。舌下免疫療法は、アレルゲン免疫療法のひとつで、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を含むエキス(薬剤)を舌の下に投与して体内に吸収させます。これを継続的に行うことによって、アレルギー反応を弱めていく治療法で、アレルギー症状を根治する可能性がある唯一の治療法と考えられています。

スギ花粉症に対する舌下免疫療法薬「スギ花粉舌下液は、2014年10月から保険が適用されました。
現在ではスギ花粉舌下液の他、ハウスダストアレルギーの主な原因である「ダニ」に対する舌下免疫療法薬「ダニ舌下錠」が2015年12月から保険適用となっています。

従来、アレルゲン免疫療法はアレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する皮下免疫療法が中心でした。しかし、舌下免疫療法では、注射の痛みがなく、頻回な通院も必要ないこと、そして副作用が少なく、安全面からも注目が集まっています。
今回は、舌下免疫療法を現在も続けている大金さん(仮名・男性・30代後半)にお話をおうかがいしました。

毎年、ひどい くしゃみに鼻水、鼻づまり、眠れない日々・・・

花粉症対策

--花粉症を発症したのはいつ頃ですか?

正確には覚えていませんが、症状がではじめたのは18歳頃だったと思います。

--治療を始める前の症状は?

毎年2月末頃から花粉症の症状が出始めて、4月中頃まで続きました。症状は、室内外問わずに出て、特にくしゃみと鼻水、鼻づまりがひどかったです。目のかゆみもありましたが、耐えられる程度でした。

夜、横になると鼻づまりの症状がひどくなることがよくありました。そうなると眠れないことも多く、睡眠不足になることが辛かったですね。口呼吸になって喉が痛くなるので、マスクをつけて寝ることもありました。

市販薬や処方薬も、夜の「つらい鼻づまり」には効かず

--舌下免疫療法を始める以前には、花粉症の治療をしていましたか?

毎年花粉症シーズンには、耳鼻科にかかり、処方薬を3種類ほど服用していました。処方薬が切れていたり、飲み忘れたときは市販薬なども使っていました。

薬を服用すると、日中は症状が軽くなるのですが、喉の渇きと眠気の副作用が出やすかったですね。夜の「鼻づまりがひどく眠れない」というのは薬を飲んでもあまり変わりませんでした。

ついに巡りあった希望の治療法「舌下免疫療法」を開始

スタート

--舌下免疫療法を始めようと思ったきっかけは?いつから治療を始めましたか?

私の花粉症のひどさを知る知人から舌下免疫療法を勧められました。花粉症を治せる可能性があると言われ、それなら試してみたいと思って、かかりつけの耳鼻科に相談したのがきっかけです。2015年8月から治療を開始しました。

スギ花粉症の舌下免疫療法の場合、花粉が飛びはじめてから開始するとアレルゲンとの接触量が増え、アナフィラキシーショックを起こす可能性が高まることから、花粉の飛散する時期(1月~5月)に治療を開始することはできません。花粉の飛散が始まる3ヶ月以上前から治療を開始すると効果的です。

例年2月から花粉飛散がはじまるので、10月~11月より前に治療を開始するのがよいとされています。

--治療の流れを教えてください。

かかりつけの耳鼻科医に舌下免疫療法の治療を希望すると、「定期的な通院と、薬を毎日服用することが必要ですよ?それでも本当にやりたいですか?大丈夫ですか?続けられますか?」と念を押されました。(笑)

その日は、アレルギーの抗体検査のための採血のみでした。後日、採血結果でスギ花粉のアレルギーが確認され、「スギ花粉舌下液」による治療が有効と判断されると、薬の処方がスタートしました。

増量期(1週目)→増量期(2週目)→維持期(3週目以降)

はじめの2週間は増量期にあたります。

1週目は、プッシュ式のボトル(200jau/ml)が処方されます。それを1日1回舌の下に吹き付け、服用します。プッシュ回数は1週間で段階的に増えていきました。

最初の処方時は、アナフィラキシーショックの危険に備えて、医師から使用方法を説明してもらいながら、医師の前で実際に服用を試しました。その後、数十分はクリニックにとどまり、様子をみるように指示されました。

シダトレン

1週間後に再診し、体調や治療経過に問題がなければ、再度プッシュ式のボトル(2000jau/ml)が処方されます。それも1日1回、プッシュ回数を段階的に増やして、同様の方法で服用します。服用量は同じですが、薬の濃度が濃いようです。

シダトレン_維持期

さらに1週間後に受診します。この3週間目からは維持期になります。この時からは、薬の外装も変わり、2000jau/ml濃度のシダトレンが1mlずつ小分けになったものを2週間分処方されました。

維持期に入りしばらくは2週間に1回の受診・処方でした。当時はまだ、保険適用から1年未満だったため、最長が2週間分処方だったこともあり、しばらく2週間の受診・処方が続きました。

今は4週間分の処方が可能なので、受診・処方は月に1回です。薬の外装が変わっただけで、服用方法などは変わりません。1日1回1mlです(小分け1個分)。

どんな味? 注意点は「飲み忘れ」と「冷蔵庫保管」

チェック

--味や服用方法は?

スギ花粉舌下液は、さらさらとした液状の薬剤です。ガムシロップのようにべたべたしていて、味は甘いです。不味くはないですね。

服用方法は、液を舌の下に入れ、飲み込まずに放置し、2分経ったら飲み込みます。私の場合は、毎朝、身支度の前に薬を口の中に入れて、タイマーをかけます。朝の身支度をしながら2分待ち、タイマーが鳴ったら飲み込むのがだいたいのルーティンです。

--服用に関する注意点は?

飲み込んだ後、5分間は口をゆすいだり、飲食はできません。さらに、服用後2時間は激しい運動や入浴も避けた方がよいようです。

薬は1日1回の服用で、服用タイミングは、いつでもよいようですが、日中の服用を推奨されました。アナフィラキシーショックの危険から、1人のときよりも、家族がいるときに服用する方がよいとも言われました。

副作用は少ないとされていますが、リスクを避けるために、以下の注意点をしっかり守りましょう。

  • 舌下への投与後、5分間はうがいや飲食を避ける。
  • 舌下への投与後、2時間は激しい運動や入浴などは避ける。

--服用や治療に関して難しいことは?

特に難しいことはありません。あえて挙げると、服用したかどうかわからなくなることがあることですかね。毎日、朝に服用するようにしていますが、飲み忘れに気付くと、日中や夜に服用することもあります。医師からは、配布される専用のカレンダーに服用の記録をするように指導されています。

あとは、薬を冷蔵庫で保管しなければなりません。医師からは、1~2日くらいなら冷蔵庫に入れなくても大丈夫と言われていますが、旅行や出張の時には気を使いますね。

治療開始わずか4ヶ月でかなりの効果を実感!

治療効果

--治療をしてから効果は感じられましたか?

医師からは、「最初のシーズンでは効果が現れないかもしれない」「結果が出るまでには、年単位で時間がかかるかもしれない」と言われていましたが、私の場合は、治療開始4ヶ月後の花粉症シーズンからかなりの効果を感じました。シーズンを通して快適に過ごすことができましたね。

毎年、マスクと対処療法の薬が必要だったのがどちらもほとんど不要で(医師にはマスクをすることを勧められていましたが)、夜も快適に眠ることができました。効果は大きいと感じます。

--治療費用はどのくらいですか?

最初の頃(採血時や増量期)は忘れましたが、維持期に入ってからは診察代が580円スギ花粉舌下液が4週間分の処方で1,380円です。舌下免疫療法を始める前も、市販薬・処方薬問わず、毎シーズン薬は常用していたので、経済的な負担はあまり感じません。

夜眠れることがうれしい!今後も治療を続けて目指すは根治!

眠る

--舌下免疫療法をしてよかったですか?

舌下免疫療法を始めて本当に良かったです。夜眠れるようになったのが一番うれしいです。
それから、対処療法の薬を飲んでいたときの副作用、喉の渇きや眠気がないのもいいですね。

--舌下免疫療法は長い期間継続する必要がある治療法です。今後も続けていきますか?

4、5年の継続が推奨されているようですが、この効果があるのなら続けたいと思います。
十分な効果が得られて治療をやめた後でも、花粉症の症状が再発する可能性や、そうなった場合、治療を再開する必要があるようですが、そうなればまた治療をすると思います。私自身の効果を考えればそれだけの価値があると思います。

--舌下免疫療法ついて不安なことはありますか?

新しい治療法なので、今後、長期経過したとき、副作用やなにか影響や問題が出たりしないかは少し不安に思うことがあります。

--治療を通しての感想を聞かせてください

定期的な通院や毎日の服用の煩わしさは、なくはないです。特に最初は2週間に1回の通院だったので、煩わしく思うこともありました。でも、(煩わしさは)“なくはない”程度ですね。私の場合は、以前の花粉症の症状がひどかったので、舌下免疫療法によって毎年のあの辛く不快な症状から解放される、この効果を考えれば、通院や服用は続けられます。

治療は2年目に突入しました、次のシーズンでさらに効果が出るのか楽しみです。さらには根治までたどり着ければ理想的です。

大金さんは治療開始わずか4か月で効果を感じていますが、舌下免疫療法は、すべてのスギ花粉症の人に同様の効果が期待できるわけではありません。「効果を感じられた」「花粉症の症状はでたが、治療をする前より症状が軽くなった」など、効果実感の程度は様々ですが、全体の80%以上の人が治療の有効性を感じているという報告があります。また、治療で根治する例は約20%といわれています。

さらに、舌下免疫療法の治療薬は、講習を終了している医師のみが処方できるため、全ての医療機関で治療が受けられるわけではありません。病院なびでは、舌下免疫療法(減感作療法)を受けられるお近くの医療機関を検索できます。(https://byoinnavi.jp/m02)

※このコラムは、病院なびが舌下免疫療法を無条件に推奨するものではございません。治療を行う際には、医師の診断に従ってご判断ください。

減感作療法(アレルゲン免疫療法)が気になる場合は、近くの病院に相談しましょう

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