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月経前症候群(PMS)/月経前緊張症の原因・症状・治療法と予防のポイントを解説

公開日: 2020-12-16
更新日: 2024-11-12

医師紹介

野平 知良医師
東京都新宿区

月経前症候群(PMS)/月経前緊張症とは

月経がはじまる3日前~10日前に痛みなどの身体的・精神的な不快症状があらわれる状態です。月経がはじまると症状がなくなったり、徐々に軽くなったりすることが特徴です。

原因

はっきりとしたことはわかっていませんが、月経にともない、女性ホルモンをはじめとしたホルモン量が増減することが原因のひとつとして考えられています。
 
これらのホルモンは、緊張やストレスなどをやわらげる物質(GABA)や、精神的な安定を保つ物質(セロトニン)の分泌や働きにも影響しています。そのため、これらのホルモン量の増減は、さまざまな症状を引き起こすことにつながると考えられています。

症状

身体症状と精神症状の2つに分けられます。いずれの症状も月経前にあらわれ、月経がはじまるとやわらぐのが特徴です。
 
〇 身体症状

  • 腹痛や腰痛
  • 頭痛
  • 体重の増加
  • 関節痛や筋肉痛
  • むくみ
  • おなかの張り
  • 乳房の張り

など
 
〇 精神症状

  • 情緒不安定
  • いらいら
  • 怒りやすい
  • 抑うつ
  • 不安

など

検査・診断

症状や、症状のあらわれる時期・やわらぐ時期、日常生活に与える影響などから診断されます。

治療・治療後の注意

主な治療には「生活習慣の改善」と「薬物治療」があります。精神的な症状が強い場合は、心療内科や精神科の受診も検討されることがあります。

生活習慣の改善

以下のような、症状を悪化させる要因や、症状の改善が期待できる生活習慣などを改善します。
 
飲酒を控える / カフェインの摂取を控える / 禁煙 / 睡眠習慣の改善 / 十分な休息(生理休暇の取得など)適度な運動習慣 / カルシウム、ビタミンB6、マグネシウムの摂取 など
 
これらに加えて、症状の記録(症状日記)をつけて、どのような症状がいつあらわれるかなど、自身の状態を把握し、その時期の過ごし方や対処方法を意識すること(認知行動療法)も、症状の改善につながります。

薬物治療

痛みを抑える鎮痛薬や、むくみなどを改善する利尿薬、症状や体質にあわせた漢方薬、排卵を抑制することでホルモン量の増減を抑えるホルモン治療薬(低用量ピル)などが使われます。精神的な症状が強い場合には、精神的な安定を保つ物質(セロトニン)の働きを強める薬(SSRI)が使われます。

予防

治療方法でもある、以下のような生活習慣の改善は、予防効果も期待できます。
 
飲酒を控える / カフェインの摂取を控える / 禁煙 / 睡眠習慣の改善 / 十分な休息(生理休暇の取得など)適度な運動習慣 / カルシウム、ビタミンB6、マグネシウムの摂取 など

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医師紹介

野平 知良医師
東京都新宿区
東京医科大学医学科卒業

1991年 東京医科大学産科婦人科学分野に入局。1992年からは上都賀総合病院や蕨市立病院の産婦人科に勤務、1995年以降は東京医科大学の産婦人科分野関連機関にて、助教や部長代行を務める。現在は、東京医科大学医学教育学分野の講師を務める。産婦人科指導医(日本産科婦人科学会)、母体・胎児指導医(日本周産期・新生児医学会)、母体保護法指定医(東京都医師会)。専門分野は周産期医学。