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おたふくかぜの原因・症状・治療法と予防のポイントを解説

公開日: 2016-09-13
更新日: 2021-03-30

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木内 章裕 院長
東京都江戸川区

おたふくかぜとは

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)とは、正式名を「流行性耳下腺炎(りゅうこうせいじかせんえん)」といい、ムンプスウイルスが原因の感染症です。

耳の下あたりの腫れと痛み、発熱が特徴的な症状です。たいていは1~2週間ほどで治り、軽症なことがほとんどですが、難聴などの合併症を起こすこともあるので注意が必要です。予防には予防接種が効果的です。

原因

原因となるムンプスウイルスは、1年を通して感染の可能性がありますが、冬から初夏にかけての感染が多くなる傾向があります。また、3~4年間隔で大きな流行が起こる傾向もみられます。

感染力が強く、感染経路は「接触感染」や「飛沫感染」です。3~6歳の子供は特にかかりやすく、この年齢層が感染者全体のおよそ60%を占めています。

症状

主な症状

耳の下(耳下腺)の腫れ

両側または片側の耳の下あたりが腫れ、痛みをともないます。腫れは2~3日以内にピークとなり、通常1週間から10日程度で治まります。

発熱

腫れの症状と同じ時期に発熱することがあります。それほど高熱にはならず、38度前後で、3~4日程度で下がることがほとんどです。熱がでない場合もあります。

そのほかの症状

頭痛 / 筋肉痛 / 食欲低下 / 飲食物が飲み込みにくい / 顎を開けにくい / すっぱいものがしみる など

合併症

おたふくかぜの合併症には、以下のようなものがあります。高熱や頭痛、嘔吐、けいれんなど、おたふくかぜの症状とは異なる症状があらわれた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

無菌性髄膜炎 / 睾丸炎 / 卵巣炎 / 膵炎 / 難聴 / 脳炎 など

検査・診断

以下のような症状や状況、検査結果を総合して診断します。特別な検査をせずに症状や状況のみで診断されることも多くあります。

主な診断基準

  • 耳の下あたり(耳下腺や顎下腺など)の腫れや痛み
  • 発熱
  • 周囲のおたふくかぜの流行状況
  • おたふくかぜにかかっている人との接触歴
  • 過去のワクチン接種の有無
  • 血液検査
  • ウイルス検査


など

治療・治療後の注意

おたふくかぜに特別な治療はありません。経過は順調なことが多く、基本的には対症療法が主となります。
発熱や痛みに対して解熱鎮痛剤を服用したり、食欲不振で脱水傾向にある場合は点滴で水分を補給したりといった治療です。

予防

おたふくかぜにかかっても経過が順調なことがほとんどとはいえ、髄膜炎や睾丸炎などの合併症を起こす確率は低くなく、特に、ムンプス難聴は一生涯治ることのない深刻なものです。

これらを効果的に防ぐ方法は予防接種によるワクチン接種以外はありません。

おたふくかぜの予防接種は、予防効果を確実にするために2回の接種が推奨されています。接種するワクチンの種類や環境によって異なりますが、1回接種で約7割以上、2回接種では約9割前後、おたふくかぜの発症を防ぐことができます。

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木内 章裕 院長
東京都江戸川区
東京医科大学大学院卒業
日本内科学会認定内科医
日本老年医学会専門医
日本神経学会専門医
日本脳卒中学会専門医