病院・薬局検索の病院なび

7月6日は「ワクチンの日」―1885年の小さな奇跡が、世界を変えた【今日は何の日】

公開日: 2026年07月06日
アイキャッチ画像
毎日何気なく過ぎていく日々の中にも、健康や医療にまつわる「記念日」や「啓発の日」が数多く存在します。

この連載では、そんな日をひとつひとつ取り上げ、病気や健康について改めて考えるきっかけをお届けしています。

今日は7月6日、こんな日です。

7月6日は「ワクチンの日」

7月6日は「ワクチンの日」。ワクチンの大切さや、ワクチンで予防できる感染症(VPD)の重大さを、広く社会に伝えるための啓発の日として位置づけられています。

今から140年以上前の1885年7月6日、近代ワクチンの父と呼ばれるフランス人科学者ルイ・パスツール博士が開発した狂犬病ワクチンが、9歳の少年ジョセフ・マイスターに世界で初めて接種されました。

この記念すべき出来事を起源として、7月6日がワクチンの日となっています。

「ワクチンの日」は、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社(日本BD)が日本記念日協会に登録し、NPO法人「VPDを知って、子どもを守ろうの会」がワクチンについて考える日として啓発活動を展開するかたちで広まっています。

日本BDはVPDの会の活動を支援する立場でもあります。

一人の少年の命が、歴史を動かした

1885年7月6日、マイスター君は狂犬病の犬に深く咬まれ、父親に連れられてパスツール博士の研究室を訪ねました。

狂犬病は、発症してしまうとほぼ助からない、非常に恐ろしい感染症です。パスツール博士はちょうどそのころ、「咬まれた後でも、症状が出る前に治療できるワクチン」の研究を進めていました。藁にもすがる思いでやってきた少年に、博士は開発中のワクチンを接種する決断をします。

約10日間にわたり13回接種を受け、マイスター君は狂犬病による死を免れました。続いて、15歳の羊飼いジャン・バプティスト・ジュピユ君の治療も成功。パスツール博士はその成果を論文として発表し、世界にその名が知れ渡ることになりました。

後日談として、命を救われたマイスター君とジュピユ君は成長後にパスツール研究所の門番となったと伝えられています。その生涯を命の恩人のそばで過ごした、という事実が、この出来事の深さを物語っています。

そもそも「ワクチン」って何?種類を知っておこう

ワクチンにはさまざまな種類がありますが、代表的なものとして「生ワクチン」と「不活化ワクチン」があります。

生ワクチンは、細菌やウイルスの毒性(病原性)を弱めて作ったものです。体の中で少しだけ増えることで免疫をつくるため、十分な効果が出るまでに約1か月かかります。接種後に軽い発熱や発疹が出ることもありますが、多くの場合は一時的なものです。麻しん・風しん(MR)ワクチン、水痘(水ぼうそう)、おたふくかぜ、BCGなどがこれにあたります。

不活化ワクチンは、細菌やウイルスを殺して無毒化した成分を使って作ったものです。体内では増えないため、複数回の接種が必要です。また、時間が経つと免疫が少しずつ低下するため、追加接種が必要になる場合があります。小児用肺炎球菌、B型肝炎、DPT-IPV-Hib(5種混合)、日本脳炎、HPVなどが該当します。

ワクチンの種類によって、次の接種までに空けるべき間隔が決まっています。たとえば注射で接種する生ワクチンを打った後は、次の注射生ワクチンまで27日(4週間)以上あける必要があります。接種スケジュールはかかりつけの医師とよく相談して計画を立てましょう。

なぜ、ワクチンは大切なのか

ワクチンを打つ意味は、自分を守るためだけではありません。「自分が病気にかからないため」「万が一かかっても重症化しないため」そして「まわりの人にうつさないため」という、3つの意義があります。

ワクチンで予防できる感染症(VPD)は、決して昔話ではありません。パスツール博士が狂犬病ワクチンを開発してから130年以上が経った今でも、世界ではワクチンで予防可能な感染症によって、多くの子どもたちが命を落としています。

お子さんの予防接種スケジュールは、接種時期を逃してしまうと公費(無料)での助成が受けられなくなることがあります。また、接種間隔を間違えると、十分な効果が得られなくなる可能性もあります。

自治体からの個別通知をただ待つのではなく、かかりつけの先生に相談しながら、自分たちでスケジュールを確認・管理することが大切です。

母子健康手帳とは別に「ワクチン手帳」として接種履歴を記録しておくことも、ワクチンの日をきっかけとした取り組みのひとつとして広まっています。子どもが成長したとき、自分自身の接種記録を把握できるようにしておくことは、長期的な健康管理にも役立ちます。

まとめ

7月6日「ワクチンの日」は、1885年にパスツール博士が9歳の少年に狂犬病ワクチンを初めて接種した日を起源として制定されました。ワクチンは「自分を守る」だけでなく、「大切な人を守る」という意義も持っています。今日という日を、家族のワクチン接種歴を見直す小さなきっかけにしてみてください。

<参考URL>
https://www.jcv-jp.org/news/activity/20150702.html

https://www.know-vpd.jp/info/1232.php

https://www.bdj.co.jp/news/20110706.html

https://www.city.chiba.jp/hokenfukushi/iryoeisei/seisaku/yoboseshu_kinds.html

https://www.know-vpd.jp/info/901.php

関連記事

※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。