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抗リン脂質抗体症候群 - 病院・医院・薬局情報

抗リン脂質抗体症候群(APS)とは、抗リン脂質抗体という自己抗体が血液中に存在することにより、血液が固まりやすくなり、血液中にできた血栓(血の塊)がつまる「血栓症」や、習慣流産などの「妊娠合併症」を引き起こす自己免疫疾患※の一つです。
※免疫システムが、誤って自分自身の正常な細胞を攻撃してしまう病気

抗リン脂質抗体症候群の分類

抗リン脂質抗体症候群は、約半数が他に基礎疾患を持たない「原発性抗リン脂質抗体症候群」と、残りの半数が、全身性エリテマトーデス(SLE)に伴う「続発性抗リン脂質抗体症候群」の2種類に分類されます。

抗リン脂質抗体症候群の原因

2019年現在、抗リン脂質抗体症候群のはっきりとした原因はわかっていませんが、遺伝的要因や環境要因など、複合的な要因が重なって発症するのではないかと考えられています。

抗リン脂質抗体症候群の症状

抗リン脂質症候群の主な症状として、

  • 血栓症
  • 妊娠合併症
    の2つがあげられます。

また、血栓症や妊娠合併症以外にも、抗リン脂質抗体に関連した症状が複数生じることがあります。これを「抗リン脂質抗体関連疾患群」とよびます。

血栓症

血栓症とは、血管内に血栓(血の塊)ができて、血液の流れが悪くなったり、流れなくなったりすることによって、身体の組織や臓器に障害が起こる病気です。

一般的な血栓症は静脈に起こることが多いのですが、抗リン脂質症候群による血栓症では、静脈のみならず動脈にも血栓が引き起こされることが特徴です。

■静脈の血栓症

身体の深くにある静脈に血栓ができることが多く(深部静脈血栓症)、その中でも下肢の静脈が最も多くみられます。再発を繰り返す傾向があり、下肢の血栓が血液の流れに乗って、心臓を介して肺動脈に入り込んで詰まる「肺塞栓症」を引き起こすこともあります。

  • 深部静脈血栓症
    障害を受けた部位が腫れる、痛み、赤み、熱をもつなど
  • 肺塞栓症
    呼吸困難、胸の痛み、咳など

■動脈の血栓症

動脈血栓症は脳梗塞や心筋梗塞が代表的ですが、抗リン脂質抗体症候群の場合、脳梗塞などの脳血管障害が多いのが特徴で、9割以上を占めています。

妊娠合併症

妊娠合併症には、不育症・習慣流産、子宮内胎児発育遅延、妊娠高血圧症候群などがあります。
原因として、

  • 胎盤に血栓ができることにより胎盤梗塞が起こり、胎児に酸素と栄養を送ることができなくなることで発症
  • 胎盤を作るトロホプラストという毛細細胞に障害が起こり、胎盤が本来持つ働きを失うことで発症
    などが考えられています。

■不育症・習慣流産

不育症とは、妊娠はするけれど、流産(妊娠22週未満での妊娠の中断)、死産(妊娠12週以降の胎児の死亡)を繰り返してしまい、結果的に生児が得られない状態のことをいいます。

また、習慣流産とは、続けて3回以上の自然流産があった場合に診断され、不育症に含まれます。

一般的な流産は妊娠早期に多いのですが、初期流産(妊娠12週未満の流産)よりも、子宮内胎児死亡(妊娠12週以降の死産)で生児を得られない場合が多いことが特徴です。

■子宮内胎児発育遅延

妊娠中の胎児の推定体重が同時期の平均と比べて軽い状態をいいます。

■妊娠高血圧症候群

妊娠20週以降、分娩後12週までに高血圧がみられる場合に診断されます。
胎盤がうまく機能しないことにより、胎児に送る酸素や栄養が不足して「胎児発育不全」や「胎児機能不全※」などを引き起こすことがあります。

また、最悪の場合は胎児死亡に至る可能性もあります。
※胎児が低酸素状態になり、それが続くことにより様々な障害が起こるリスクがある状態

抗リン脂質抗体関連症状

■抗リン脂質抗体関連血小板減少症

抗リン脂質抗体症候群の患者さんの20~40%にみられます。血小板の減少に伴い、出血しやすくなります。
主な症状として

  • ぶつけた記憶がないのに青あざができる
  • 歯茎出血
  • 鼻血
  • 月経による出血が止まらない
    などがあげられます。

■抗リン脂質抗体関連弁膜症

心臓の弁膜異常は、患者さんの40~77%にみられます。主な弁膜症に、「僧帽弁閉鎖不全症」「大動脈弁閉鎖不全症」があり、全身に充分な血液が送り出せず、息切れや咳、呼吸困難などが起こります。

■抗リン脂質抗体関連神経疾患

舞踏病、横断性脊炎症、てんかんなどがみられます。

  • 舞踏病
    自分の意思とは無関係に体が動いてしまう不随意運動、怒りっぽくなるなどの性格の変化や認知症、集中力の低下、妄想、幻覚などが起こる疾患。
  • 横断性脊炎症
    脊髄の一部分が横方向にわたって炎症を起こすことによって発症する神経障害。傷害された脊髄の部位に相当する部分に運動障害と感覚障害があらわれます。
  • てんかん
    脳の細胞が通常とは異なる活動をすることで引き起こされる病気。症状の出方はさまざまあり、全身をふるわせて手足をバタバタさせるタイプや、意識がぼーとしていても話ができるタイプなどがあります。

抗リン脂質抗体症候群の治療方法

抗リン脂質抗体症候群による血栓症は再発の頻度が非常に高いため、急性期の治療に加えて、血栓症を予防することも重要です。一度血栓症を発症した場合には、抗リン脂質抗体が陽性である限り、生涯にわたって抗血栓療法を継続する必要があります。

血栓症の治療と予防(抗血栓療法)

抗血栓療法には、以下の3種類があります。

  1. 抗血小板療法
    低用量のアスピリンなどを使用して、血小板の働きを抑えることで、血栓ができにくくする治療です。
  2. 抗凝固療法
    ヘパリン、ワーファリンなどを使用して、血液の凝固の働きを抑え、血栓ができるのを予防する治療です。
  3. 線溶療法
    血栓を溶かす薬を血管内に注入することで、できてしまった血栓を溶かして血流を回復させる治療です。

予防には薬の服用に加え、喫煙、糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満など、血栓症のリスクとなり得る因子を減らすことも大切です。女性の場合は、静脈血栓のリスクとなる避妊用の低容量ピルの内服は禁止されています。

妊娠合併症や血栓症の既往がある妊娠に対する治療

低用量アスピリン・ヘパリン療法が標準的治療として確立されています。
不育症・習慣流産の既往があっても治療を行うことで出生率が70~80%まで改善しています。

関連項目
脳梗塞
不育症

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